企業の“脱プラ”が進んでいる。
飲食店での紙製のストローやスプーンの提供の他にも、ハンドル部分が紙で出来た組み立て式のカミソリや、持ち手の部分に廃棄米を混ぜた歯ブラシなどなど、様々なアイテムが登場しているが、そんな流れの中、コンビニ大手のローソンが「紙パック入りミネラルウォーター」を発売した。

それが、こちらの「ローソンオリジナル 天然水 330ml」(税込140円)。
11月30日より、関東・中部地区の一部ローソン(ナチュラルローソン含む、ローソンストア100は除く)で販売されている。
紙パック入りのジュースなどはよく購入するという人もいるだろうが、国内コンビニのプライベートブランドが紙パック入りのミネラルウォーターを販売するのは初めてだという。
シンプルで目をひくデザインのパッケージのこちら、SNSでは早速「すごく新鮮」「環境改善に繋がる1歩だと思う」などの声が挙がっている。
では、この紙パック入りのミネラルウォーター、ペットボトルに比べてどういった点にメリットがあるのだろうか。ローソンの広報担当者にお話を聞いた。
2030年に「プラスチック使用量30%削減」の目標に向けて
――紙パック入り水を発売するに至った経緯は?
プラスチック削減が目的です。ローソンでは2030年には2017年度対比で容器包装プラスチック使用量を30%削減する事を目標としています。同容量のペットボトルと比較してプラスチック使用量が約56%削減されており、二酸化炭素排出量削減につながります。
商品企画・パッケージデザインはクリエイティブパートナーである佐藤オオキ氏率いるデザインオフィス「nendo」に協力いただき、紙パックナチュラルウォーターを製造する「株式会社ハバリーズ」と共同で商品を開発しました。
――他にはどんな部分がエコ?
包材原料にはFSC認証を受けた管理された森林の木材を使用しています。さらに、本商品1本につき1円が、株式会社ハバリーズより「ローソン緑の募金」を通じて公益社団法人国土緑化推進機構に寄付されます。
――プラ削減以外に、紙パックのメリットはどこにある?
アルミ付き紙容器を使用しているため長期常温保存が可能であり、防災用などご家庭でのストックにも便利です。330mlの手頃なサイズと、キャップ付き容器で持ち運びのしやすさも特徴です。
――330mlで140円という値段設定。これはどんな理由が?
様々なコストを考慮して設定しています。

「3つの約束=圧倒的な美味しさ、人への優しさ、地球(マチ)への優しさ」の実現に向けた商品開発にチャレンジしているというローソン。
ペットボトル入りの商品と比べると少々高めの価格設定だが、同容量のペットボトルと比較すると、プラスチック使用量は約56%削減。
ローソンでは2030年には2017年度対比で、容器包装プラスチック使用量を30%削減する事を目標としており、今回の紙パック入り水はSDGs(持続可能な開発目標)のうち12~15のゴール「つくる責任・つかう責任」「気候変動に具体的な対策を」「海の豊かさを守ろう」「陸の豊かさも守ろう」の4つの達成貢献に向けての取り組みとなるという。
12月中にはローソン本社で来客用に提供するペットボトルの水を全て紙パック商品に変更し、プラスチックの削減を図っていくという。
――今後、サイズのバリエーションが増える・他の飲料の紙パッケージの移行などは?
ローソンはこれまで、マチカフェのアイスコーヒーやチルド飲料の一部商品での紙カップへの変更などのプラスチック削減の取り組みを行ってまいりました。ミネラルウォーターのサイズについては、決まっていることはありませんが、ローソンは今後も地球環境に配慮した商品を発売するとともに、時代の変化に合わせた取り組みを行ってまいります。
販売エリアの拡大については、まだ決まっておりません。販売状況をみながら、検討してまいります。
販売数については「好評をいただいている」という、紙パック入りミネラルウォーター。
各企業が環境に配慮した商品を生み出す流れは、今後も続いていくだろう。