適応障害の治療を続けられている皇后・雅子さまの体調について、以下、医師団の見解全文。
皇后さまにおかれましては、これまでも医師団が説明いたしております基本的な考え方を踏まえながら、引き続き御治療を継続していただいております。本年は、3月の東日本大震災10周年追悼式、8月の全国戦没者追悼式などの都内行幸啓に両陛下でお出ましになりました。新型コロナウイルス感染症のために地方行幸啓を伴う行事はオンラインとなりましたが、島根県での植樹祭などの全国的な行事や、東日本大震災被災三県の復興状況御視察など11 回に及ぶお出ましをされました。天皇陛下をお支えになり、国民が直面している様々な困難を心から気遣われ、出来る限り国民との触れ合いの機会を確保されようと努めておられます。

皇居での御活動につきましても、感染防止に十分配慮されつつ、御養蚕に楽しみながら取り組まれるなど御活動を続けられました。また、皇后さまには、大学での学習に励まれる中、先日御成年をお迎えになった愛子さまを、母親として温かく見守られていらっしゃいます。
新型コロナウイルス感染症のために御活動が制限され、御体調が整いにくくなっていらっしゃるなか、皇后さまが工夫を重ねられ、御体調を整えられながら御活動を続けるよう努力していらっしゃることは、御自信につながる望ましいことと考えております。

一方で、皇后さまには、依然として御回復の途上にあり、御体調には波がおありです。そのため、大きい行事の後や行事が続かれた場合には、お疲れがしばらく残られることもあります。特に本年は皇居への御移転があり、御生活の環境が一変した年でもありました。十分に時間を取られて新たな生活に馴染んでいっていただきたく思います。また、かねてから皆さまにお伝えしているところですが、新型コロナウイルス感染症の感染状況に十分留意しながら、私的な部分でも御活動の幅を広げていっていただくことが大切だと考えております。

皇后さまには、これまで同様、周囲の方々の理解と支援をお受けになりながら御治療を続けていただくことが大切ですので、引き続き温かくお見守りいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
