修理代金として電子マネーを要求

感染拡大で在宅率が高まる中、パソコンのサポートを装った詐欺が急増している。

警視庁が公表しているサポート詐欺サイト:
「マイクロソフトセキュリティアラーム。あなたのPCは『ダイニーバンクトロイアン』に感染しています。フリーダイヤルで当社に今すぐお電話ください」

そして指示された通りに電話をすると・・・

男性の声:
「お電話ありがとうございます。こちらはPCサポート...。ご用件何でしょうか?」

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マイクロソフトを装い、サポートするふりをしてお金などをだまし取るサポート詐欺。
今、こうした被害が増えているという。

被害男性(80代):
ワーニングみたいなポップがずっと出てきてしまって、連絡してくださいみたいな表示が出たので電話してしまった。それが大間違いでした。

80代の男性は自宅で突然、パソコンが動かなくなった不安から、画面に表示された偽のサポートセンターに慌てて電話をした。

するとパソコン画面に現れたのは、マイクロソフトのロゴに「マイク」を名乗る外国人風の人物。しかし、この身分証は偽物だった。

片言の日本語をしゃべるマイクと名乗る人物は、修理代金などとして繰り返し電子マネーを購入するよう指示。
男性がコンビニで購入した電子マネーは、あわせて20万円分にのぼった。

被害男性(80代):
電話して最初、正式な女性の声が出てきて、マイクロソフトだと。マイクロソフトであれば、そういうことをやってくれると思ってしまった。

こうしたサポート詐欺被害はコロナで在宅率が高まる中で急増しているといい、確認された不正なサイトは、2021年7月から9月の間で1,000万件以上。
2020年の初めごろに比べ、3倍以上となっている。

サポート詐欺の回避・対処法

三田友梨佳キャスター:
IoTNEWS代表の小泉耕二さんに聞きます。
パソコンのサポートを名乗る詐欺はかなり手の込んだワナを仕掛けてくるようですね。

IoTNEWS代表・小泉耕二さん:
パソコンだけではなく、スマホでも同様の詐欺が行われています。
それにはいくつかのパターンかあります。 

1、ポップアップさせた画面に電話番号を表示し、サポート業者と名乗る者に電話をかけさせて対応のための遠隔操作を許可させる。
2、対策アプリと称してアプリをインストールさせる。
3、対策と称して有償のアプリをインストールさせる。
4、対策後にサポート契約を持ちかける。
などの手口があります。

何かのアプリをインストールすると、それ自体にお金を支払わせられたり、作業費をとられたり、ひどいものではウイルスを混入させられ、個人のクレジットカード情報などを抜き取ろうとするなど、悪質さは様々です。

三田キャスター:
広告を利用した詐欺を防ぐ方法はあるのでしょうか?

小泉耕二さん:
一般的に広告をWebサイトに配信するサービスでは、広告主の審査も行われていて問題は起きづらいですが、偶然アクセスしたサイト上に悪意のあるワナが潜んでいるケースもあります。

この手口は、サイト閲覧時に出てくる広告と同じような仕組みなので、ウイルス対策ソフトでは防ぐことが難しいです。

三田キャスター:
もし、このような詐欺にあってしまった場合はどのように対処すればよいのでしょうか?

小泉耕二さん:
現実的な対処法としては、画面に疑わしい表示が出たら慌てずにまずはブラウザごと閉じることが重要です。

何らかのアプリをインストールさせられてしまった場合は、アプリをインストールする前の状態にOSをリカバリーすることをお勧めします。
具体的にはOSに備わっている機能やリカバリーソフトを利用して初期化することになります。

そのためには、パソコンを買ったらリカバリーのために定期的なバックアップの設定をしておくことが事前策として必要です。

ChromeやEdge、Safariといったブラウザでは、広告やポップアップをブロックする設定もあるので、これを活用してもいいのかもしれません。

三田キャスター:
パソコンやスマホは生活には欠かせないもので、利用頻度も高まっていますが、だからこそリスクに対するリテラシーの向上が大切なのかもしれませんね。

小泉耕二さん: 
テレビやラジオ、一般のニュースサイト等で新しい手口への警鐘を鳴らして、リテラシーの向上を図るということも重要だと思います。

怪しいサイトにはアクセスしない、詳細が不明な添付ファイルを開かないなどは基本ですが、それを見越した上でさらに巧妙な手口でワナを仕掛けてくることを心に留めておいて欲しいです。

三田キャスター:
みなさんもパソコンやスマホでインターネットを見ているときに不審な警告が表示されたら、まずは落ち着いて画面の指示には安易に従わないでください。
電話をしたりソフトをダウンロードしたりもせずに、強制終了するなど正しい対処法で被害を未然に防ぎたいと思います。

(「Live News α」12月6日放送分)