もはや街の風景としてすっかり定着したキッチンカー。今やお店に行くのではなく、近所までお店が来てくれる移動販売車が増加している。

めざましテレビが都内を取材すると移動販売車はさらに進化。食べ物だけではなく超意外なものまで移動販売車で売られていた。

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移動販売車出店場所もマンションの敷地や、商業施設の屋上などさまざま。

そこで、めざましテレビ「ココ調」班は「都内で増える移動販売車 なぜ人気なのか?」を調査した。

実店舗の減少で自転車修理の移動販売車が人気

実は今、大型店が増えた影響で近所にあった街の自転車屋さんが減り、修理などで困る人が増え、自宅近くまで来てくれる自転車店の移動販売車が人気なんだとか。

男性A:
わざわざ自転車屋さん行こうと思うと遠くにあるので、すごく便利に使わせて頂いています

女性A:
近くに(自転車屋さん)がなくて、壊れたら車持ってないのですごく助かると思います

営業が始まると、無料の空気入れサービスやブレーキの部品交換など次々とお客さんが訪れている。

自転車の修理やメンテナンス販売なども行っているが、1日の売り上げについて聞いてみると…

CYCLE PIT事業責任者・今西一樹さん:
過去26万円という売り上げを出したこともあります

お店の営業場所を確認する場合、移動販売の検索アプリ「SHOP STOP」で簡単に確認することができる。

さらに渋谷のど真ん中「MIYASHITA PARK」の屋上にも、キッチンカーや移動販売車がたくさん並んでいるのを発見。

家賃がかからないので安く提供できる生花店の移動販売

キッチンカーに並んで営業していたのは「移動花屋」の看板を掲げた車。「Seasonal flowers and sweets MEME」という生花店の移動販売車だった。

生花やドライフラワーなど約60種類を販売している。そもそも車で花を売るメリットは何なんだろうか?

Seasonal flowers and sweets MEME・浅井五紀さん:
普通に営業しているお店と比べて、家賃がかからない分だけ安く提供できるようになっています

例えば小さな花束は100円~300円。

アレンジも可能で1000円で花束を作ってもらうと、1000円とは思えない立派なものが出来上がった。

出店情報や告知はSNSを使うため、広告費も安く抑えられるという。

また「RARELY SEE OWLS」という洋服の移動販売車は、店舗を持たずに6月から横浜市のカフェや都内のイベントなどで移動販売を実施。

車を見せてもらうと、洋服だけでなく、帽子、ハンドソープ、トートバッグなど約60アイテムがところ狭しと並んでいる。

車の中で試着も可能

さらに車の一角はカーテンを閉めることで、なんと試着室に早変わり。

試着スペースには鏡も設置されているので、お店のように商品を確認できる。

出店にかかった費用は車体価格、材料費、保険料などで約200万円。都内でお店を構える場合と比べて約100万円安く済んだという。

天候に左右されるのが移動販売のネック

しかし、移動販売ならではの困ったこともあるという。

alls代表・清田良さん:
雨だったり天候に影響を受けやすいっていうのがありますね

天候に左右されるものの、1日約5万円を売り上げる日もあるそうだ。

そして東京・晴海の高層マンションにはたくさんの車が並んでいる。

靴と中敷き専門店も移動販売に参入

車の中で靴の中敷きを売っている移動販売車を発見。東京を中心に22のお店を構える靴と中敷きの専門店「足道楽」は11月から移動販売を始めたという。

足道楽広報部長・内村竹志さん:
商品の数としては少ないんですけども専門スタッフもいますし、やっているサービスの内容としては(実店舗)と同じことが出来ていると思っております

車内で行っているのが足の無料診断。狭い車内でも本格的なサービスを行われていた。

実際に羽毛布団を体験できる移動販売車

また東京・豊洲のマンションで見つけたのは、高級羽毛布団「東洋羽毛」の移動販売車。

車の中で、一体どんな寝心地なのか実際に布団に入って試すこともできる。

東京営業所所長・竹井良仁さん:
やはりお客様が直接手に取って自分で感じることができるというところがやっぱり違いだと思います

掛け布団と敷き布団合わせて約40万円の高級品ということで、品質の良さを手軽に知ってもらえるいい機会だという。

しかし、なぜマンションで移動販売する車が増えているのだろうか?

「足道楽」と「東洋羽毛」の移動販売車は、マンションを手がける三井不動産の子会社「Share Tomorrow」の事業の一つで、三井不動産が管理しているマンションや施設などに出店していた。

ミッケ事業本部営業部長・後藤遼一さん:
なかなかコロナで人が行動しにくい中ですぐ足元にきてくれる。こんな商品あるんだとか、こんなお店あるんだっていうのを知って頂ける。これが良さだと思っています

「Share Tomorrow」では11月から複数のエリアで16の移動販売車が稼働。2022年の春にはアパレルブランドのEDWINやおもちゃ屋さんの博品館など60以上の規模に広がる予定となっている。

井上清華キャスター
移動販売車って食べ物のイメージが強かったんですけれど、まさかの自転車屋さんとか。壊れた自転車は確かに持っていくのが大変ですものね

三宅正治キャスター
靴とか布団までありましたものね。小さいお子さんがいる家庭とか高齢者の家庭とかは、こういった移動販売車は助かりますね

(「めざましテレビ」12月8日放送分より)