長野・中野市出身で、プロ野球・横浜DeNAベイスターズの牧秀悟選手。
ルーキーイヤーだった2021年、新人史上初のサイクルヒット、最多2塁打と数々の記録を塗り替え、あの長嶋茂雄さんなどと並ぶ「打率3割・ホームラン20本」という活躍ぶりだった。
大躍進の理由、来シーズンの目標を本人に聞いた。

横浜DeNAベイスターズ・牧秀悟選手(長野・中野市出身)
横浜DeNAベイスターズ・牧秀悟選手(長野・中野市出身)
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プロ1年目…自身でも驚く大活躍

野手の横を抜く鋭い当たり。逆方向に運ぶ豪快なホームラン。
ルーキーながら「ハマの4番」に座った牧秀悟選手。新人として、あの長嶋さんを抜く記録も打ち立てた。

11月19日、横須賀市の練習場で黙々と汗を流していた牧選手。ペナントレースが終わり、すでに来シーズンに向けて動き出している。

横浜DeNAベイスターズ・牧秀悟選手:
正直驚いているというか、いい1年だったなと。個人としては想像もできないくらいの成績を残せていいシーズンになったが、チームとして最下位に終わってしまったので、そこは来年に向けて準備をしていきたい

本人も驚く活躍。故郷の後輩たちにも大きな刺激を与えている。

松本第一高校、中央大学経て、ベイスターズ入団

若穂シニア時代
若穂シニア時代

兄を追って小学1年で野球を始めた牧選手。中学時代は長野市の若穂シニアで基礎を身につけた。
その後、松本第一高校を経て中央大学へ。

中央大学時代・2020年
中央大学時代・2020年

強打者に成長し、大学日本代表にも選ばれた。

2020年
2020年

ドラフト会議では、横浜DeNAから2位指名。
後輩たちにプロ入りを報告した際には…

若穂シニア時代の恩師・滝沢栄監督:
ずっと草むしりをしていたこのビニールハウスから、プロへの第一歩を踏み出してもらいたい。がんばれ、牧秀悟!

目標だった「開幕1軍」…打てない時期乗り越え、終盤は「4番」で大暴れ

2020年の年末に聞いた目標は…

横浜DeNAベイスターズ・牧秀悟選手(当時):
開幕1軍でチームを鼓舞できるような選手に、1年目からガンガンいってアピールしていきたい

言葉通り、開幕1軍・スタメンで臨んだプロ初打席。相手は球界を代表するピッチャー、巨人・菅野投手だった。

横浜DeNAベイスターズ・牧秀悟選手:
(最初の試合は)鮮明に覚えている。緊張というよりは舞い上がった部分が大きかった

プロの洗礼を浴びたものの、試合を重ねるごとに球速にも慣れ、初ヒットに初ホームラン。

ヒーローインタビュー(当時):
長野県から来ました、牧秀悟です

初の「お立ち台」も早々に経験した。

牧選手の名を広く知らしめたのが8月の阪神戦だ。
ツーベースヒット、ホームラン、シングルヒットを飛ばし、迎えた第5打席。見事にスリーベースヒットを放ち、新人史上初のサイクルヒットを記録した。

牧秀悟選手
牧秀悟選手

横浜DeNAベイスターズ・牧秀悟選手:
プロ野球生活で1回あるかないかだと思っていたので、打球が落ちて、これいけるんじゃないかなと思って全力で走った結果だったので、よかった

ただ、さすがにプロの世界。打てない時期もあった。

横浜DeNAベイスターズ・牧秀悟選手:
(両親などが)打てなかったり、失敗したときとかは毎日連絡をしてくれたので、そういう人たちのためにも頑張ろうと思ったのでありがたかった

シーズン終盤は打線の中心・4番に座り、15試合で打率5割超え。
「ミスター」こと長嶋茂雄さんが持つ、新人二塁打記録も64年ぶりに塗り替えた。
(打率.314 本塁打22 打点71)
まさに有言実行。新人王にも手が届く成績を残し、シーズンを終えた。

横浜DeNAベイスターズ・牧秀悟選手:
記録を見たときに偉大な人たちがいっぱいいたので、正直驚いてはいますけど、その人たちの記録を抜けたということはうれしいことですし、(目標があるのは)自分の力になっている部分でもあった。(新人王は)正直、他の1年目の人たちの成績もいいのでなんとも言えないが、今年しかないので、取れたらいいなと

強みは「対応力」…来季の活躍誓う

若穂シニア時代の恩師・滝沢栄監督は、毎試合 画面を通して活躍を見守ってきた。

若穂シニア時代の恩師・滝沢栄監督:
毎試合ほとんど見ている状況で、いろいろな(視聴)契約もして、結構お金がかかる(笑)。プロの世界になじんでいくと、彼の性格でしたら必ず活躍していくかなとは思っていたが、こんなに早く出てくるとは思っていなかった

滝沢監督が評価しているのは、マークが厳しくなるシーズン終盤にも活躍できた「対応力」だ。これには牧選手の性格も影響していると話す。

若穂シニア時代の恩師・滝沢栄監督:
牧を嫌いという奴はいない。誰とでもうまく対応できていく。それがピッチャーとの勝負で、タイミングを合わせる能力につながっているのかなと

若穂シニアの後輩:
同じチームで先輩にそういう方がいて誇らしいし、もっと活躍したいなとか、もっと頑張って試合に出てプレーしたいなと思う

若穂シニアの後輩:
自分たちの憧れであり目標なんで、牧先輩みたいな選手になりたい

既に来シーズンを見据える牧選手。目標は「チームの優勝」と「今シーズンを超える記録」だ。

横浜DeNAベイスターズ・牧秀悟選手:
チームが最下位になってしまったので、来季は優勝を目指してやっていきたいし、個人としても今年の成績が基準になってくると思うので、来季は今年の数字を一つでも塗り替えられるようにやっていくしかない

県内の野球ファンにメッセージ…

横浜DeNAベイスターズ・牧秀悟選手:
1年間、長野の方から応援していただきありがとうございました。個人としては想像した以上にいい成績を残せたので、それは球場に応援に来られない県民もいる中で、連絡とかしてくれた人たちのおかげで1年間、戦い抜くことができた。
来季もどうなるかはわからないが、もし足を運べればハマスタに来て試合を見てほしい。来季もよろしくお願いします

(長野放送)

長野放送
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