アフリカ大陸に分布する樹木「バオバブ」をご存じだろうか。
樹齢数千年とされる地球最大級の木で、その実は調味料や飲み物として現地で日常的に食べられている。
そんなバオバブの実からスイーツを開発した女性が福井にいる。
そこには、アフリカの貧困を解決させたいという思いがあった。

アフリカに分布する「バオバブ」からヨーグルト作る女性

福井市に住む玉村舞子さん。
パッケージなど包装資材を扱う会社で働きながら、2人の子どもを育てている。

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日々の子どものおやつはというと、バオバブを乾燥させたパウダーで作る“即席ヨーグルト”。玉村さんの子どもたちも大好物だという。

バオバブはアフリカ大陸に分布している木で、乾燥に強く、樹齢は数千年とされている。
その実は甘酸っぱいかんきつ系の味で、栄養価も高く、特に食物繊維が豊富。現地では、実だけでなく葉も食べられている。

貧困解決の糸口に…「バオバブパウダー」直接取引始める

玉村さんが、バオバブに出会ったのは3年前。
中小企業の支援事業で、西アフリカのセネガルへ渡ったときだった。

玉村舞子さん

玉村舞子さん:
日本の包装資材がセネガルで流通可能か基礎調査として行った。ごみの焼却炉がないから、ごみがあちこちに落ちている。これ以上、セネガルで包装資材を増やすのはよくない

セネガルでの包装資材の流通は断念。
しかし、セネガルとの縁を絶やしたくないと思った玉村さんは、現地で生活に根付いているバオバブの加工工場を見学。
そこでは、現地の生産と雇用に力を入れたフェアトレードが行われていた。

セネガルにあるバオバブ加工工場

セネガルは、今もなお紛争が続き、貧困に苦しむ国の1つ。
現地の雇用を守ることで、貧困解決の糸口とならないだろうかと考えた玉村さんは、バオバブの普及に携わろうと決意。
実を粉末にした「バオバブパウダー」の直接取引を始めた。

バオバブパウダー

玉村舞子さん:
(購入するのは)同年代の女性かと思ったが、実際は高齢の方も購入していて、思ったより対象者が幅広い

試行錯誤して「バオバブヨーグルト」開発

バオバブをもっと手軽に味わってもらおうと、2年前からスイーツ開発に着手した。

しかし、それは一筋縄ではいかなかった。
未知のフルーツを扱うことに、ほとんどの会社が難色を示したという。

玉村舞子さん:
協力してくれる製造会社を見つけることに時間がかかった。バオバブは、ほとんどの人が知らない。ものすごく断られた

ようやく見つけた協力会社と試行錯誤を重ね、完成したのは、ブルーベリーとチョコレート味、2種類の「バオバブヨーグルト」。

バオバブヨーグルト

バオバブの風味を生かそうと、その配合を極限まで増やし、甘酸っぱくてさっぱりとした後味に仕上がっている。
また100%植物由来で、体にやさしいのも魅力だ。

バオバブの需要を増やすことで、現地で働く人の安定した暮らしにつなげたい。セネガルの食文化を広め、守っていきたい。そんな思いが込められている。

玉村舞子さん:
セネガルはセネガルのままでいてほしい。大量消費の国になってほしくない。今あるセネガルの資源を大事にしてほしい。ファーストフード店が乱立して、バオバブがおいしくないとなるともったいない。大事にして、守っていってほしい

(福井テレビ)