誰しも「モテたい」という気持ちはあると思うが、自分の魅力がよく分からないという人は多いことだろう。

そんな人にピッタリな、「モテ因子」を探るアプリケーションを日本電信電話(NTT)が15日に発表した。その名も「MOTESSENSE(モテッセンス)」

(出典:NTT)
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使い方は、まずアプリを起動するとあなたについて教えて」「恋人に謝ろう」「デートに誘われたら」などのシナリオから好きなものを一つ選ぶ。

すると「そろそろ貴方も相手に対して何か質問してください」などの問いかけが表示され、シチュエーションに合わせてロールプレイ(役割を演じながら)しながら、40秒以上カメラとマイクに向かって話しかける

(出典:NTT)

このような問いかけが5つほどあり、カメラに向かって全て答えると、話し方・表情・仕草・言葉の内容などをAIが分析。

表現力は「感情的か理性的か」、思考が「直観的か慎重か」、雰囲気は「オープンかミステリアスか」など、5種類の観点を数値化した「モテ因子」が表示
されるのだ。

(出典:NTT)

さらに、その人の一番魅力的な「モテ因子」を解説し、もっと魅力を高めるためのアドバイスもしてくれる。例えば、「あなたのモテ因子には『感情』が高く影響しています。自分の気持ちを相手に表現することに長けており、他者から裏表のない人物として好感を持たれるでしょう」などと教えてくれるのだ。

NTTによると「MOTESSENSE」は、誰もが持っている「魅力的な個性」の発見を助けるアプリケーションなのだという。

(出典:NTT)

開発の背景には「多様性」の尊重があり、これまで魅力に関する観点は、見た目や地位などで画一的に定義されることがあったが、このアプリでは個性的な点こそが魅力であると考え、AIで自動的に見つけ出すことが目的とのことだ。

なお、今すぐ自分の「モテ因子」を調べたいと思う人も多いだろうが、残念ながら一般利用での公開は現在未定となっている。

「世の中を便利にする」以外に何に寄与できるか

では、一般公開についてはどのように考えているのか? また「モテ因子」は、高ければモテるということなのだろうか? いろいろ知りたいことを担当者に聞いてみた。

――そもそも「MOTESSENSE」は、どんな人が作ったの?

私たちは次世代メディア処理AI「MediaGnosis」という「人間に近い処理機構を持つAI」の研究開発をしているチームです。

具体的には、人間と同様に、見えている情報、聞こえる情報、すでに知っている知識などを統合的に捉えたうえで、人のような判断や意思決定ができるAIの確立を目指しています。その中で、人のコミュニケーションを精緻にAIが理解することは、大きな目標の1つとなっております。

その目標の元、人のコミュニケーションを理解することで、「世の中を便利にする」以外に何に寄与できるかを私たちは考えておりました。この理由は、「世の中を便利にする」はテクノロジーのありふれた使い方であり、そこを打破した取り組みにチャレンジしてみたいというモチベーションがあったからです。

そして、「人がより自分らしく生きること支援する」ということが大きな価値になるのではないかというアイデアに至りました。そこで、「自分自身の魅力的な個性を再発見する」ということをAIによって実現することを目指し、このようなテクノロジーを開発しました。


――「MOTESSENSE」は、なぜ非公開なの?

一般利用公開を要望する声は非常に多く、私たちも一般利用公開を目指して進めております。すぐに一般利用公開できない理由は、ビデオやマイクから「顔」や「声」を撮ることになるからです。

話している内容にも個人情報が含まれることも多々あり、そこに含まれる個人情報の扱いをしっかりケアすることが、世の中の方に信頼感をもって使って頂く上で重要となります。現在私たちは、個人情報をどう取り扱うかを解決するよう進めております。

今回は、一般利用公開を待たずに、テクノロジーを世の中に知ってもらうこと、そして一部の個性的な著名人に実際に使ってもらうことでテクノロジーの有用性を判断すること、を先行して実施させてもらっております。

「モテ因子」が高いとモテる?

――AIに学習させる「モテ因子」のデータはどうやって集めた?

人の声や表情を精緻に理解するためのデータはこれまでNTTがAI研究のために蓄積したデータを用いております。「モテ因子」を判断するために新たに集めたデータは、実際に被験者を集めて、MOTESSENSEのβ版(NTT内部での開発版)をプレイしてもらう形で集めております。


――「モテ因子」の魅力の度合いは、どうやって決めている?

「他人と比べて個性的な点」こそが「魅力」であると定義しておりますので、MOTESSENSEの中では、これまでMOTESSENSEをプレイした人たちの履歴と比較を元に「モテ因子」を決定しています。

私たちの最新のAIのテクノロジーを用いて、人のコミュニケーションの様子から、「表現力」「思考」「味」「雰囲気」「アクティビティ」の5軸に対して「強度」を予測し、これまでの履歴の平均的な分布からどれほど離れているかを算出して「モテ因子」を決定しています。

(出典:NTT)

――「モテ因子」が高い方がモテるということ?

各「モテ因子」の軸に対しては、例えば「+10」などとスコアが付きます。この値が大きければ大きいほど、「他人と比べて個性的である」という意味合いになります。

これが大きければ「モテる」と主張するようなテクノロジーではなく、「自分のどんな点が個性的かを再認識することで、自分の良い部分として個性を大事にしよう」ということを伝えるためのテクノロジーです。

私たちは、それが多様性の現代において「モテる」につながると考えています。


――では、自分の魅力を伸ばすためにはどうしたらいい?

個人の魅力を伸ばすためには、「自身の魅力的な個性を認識し、その点を自分の良い部分であると考えて、自分に自信をもって生きる」ことこそが最重要であると私たちは考えています。他人と比べて異なることは決して悪いことではなく、良い部分でしかないと考えられることが、個人のウェルビーイング(良い状態)を形成し、多様性の時代の「モテる」につながると考えています。

また、別の観点としましては、セルフプロデュースのために使うこともよいことであると考えています。客観的に自分を知ることができないとセルフプロデュースを正しく行うことは難しいですが、MOTESSENSEの診断結果をもとに「モテ因子」を増やすことや、今の「モテ因子」をさらに強めることなどを、個人で考えて実施していただければと思います。
 

なお、MOTESSENSEの使い方を紹介した動画では、男女2人がお互いの診断結果を見せあう内容になっている。

担当者によると、MOTESSENSEの代表的な使い方は1人で「自分の魅力を理解する」もので、それ以外にも、診断結果を人に見てもらうことで自分を知ってもらうことにもつながるのではないかということだ。