日に日に寒さが増してくるが、迎春準備も各地で始まっている。
福岡・北九州市では、明治時代から続く伝統の凧づくりが早くもピークを迎えている。

1つ1つ手作業で製作「孫次凧」… 2021年は例年以上の忙しさ

色鮮やかで独特な絵柄のものや、ユニークな形の凧が所狭しと並ぶ北九州市戸畑区の工房。
竹内義博さんと娘の梓さんが、凧を1つ1つ手作業で製作している。

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明治時代、竹内さんの祖父が作り始めたこの凧は、その名前をとって「孫次凧」の名で親しまれてきた。

竹ひごで骨組みを作り、和紙を貼り付けるのは竹内さん。

娘の梓さんは、線の太さやバランスに気を配りながら、墨や食紅を使って彩っていく。

毎年、忙しい孫次凧の製作だが、2021年はそれに拍車がかかっているという。

娘・立石梓さん:
こちらの凧は、世界体操・新体操の選手の方にお土産ということで作りました

海外から訪れた選手や関係者、約500人にわたす北九州市のお土産の1つに「孫次凧」が選ばれたのだ。

娘・立石梓さん:
すごく大きなイベントで選ばれたことは光栄なことだし、うれしかったですね

例年よりも多くの凧を作っている2021年。
しかし、もちろん1つ1つの凧にかける思いに変わりはない。

父・竹内義博さん:
お正月用の飾りとか、そういったものに使っていただければと思っています

娘・立石梓さん:
来年は寅年なので、寅のように勢いよくなるような年になればなと思いながら作っています

正月に向けて、全国から多くの注文が寄せられている孫次凧。
親子の作業は、大みそかまで続く。

糖度30度以上の干し柿…2021年は約5万個が町に

一方、甘みがぎゅっと詰まった「干し柿」。生産も最盛期を迎えている。

福岡・香春町にある作業所での干し柿作りで使われているのは、福岡県原産の渋柿「葉隠し」。全国的にも珍しい「あま干し」というこだわりの製法で作られている。

小川ひとみリポーター:
こちらにはたくさんの干し柿が並んでいます。この干し柿、1つずつ丁寧に手作業でつるしていくんです

約100坪の農業用ハウスの中は、洗濯ばさみでつるされた柿の実から甘い香りが漂ってくる。丸いかたちと美しいツヤ、上品な味が特徴だ。

小川ひとみリポーター:
いただきま~す!ん~!甘~い!ジャムのような柔らかさで、口の中に入れた瞬間、とろけます

この地区は寒暖差が激しく、風通しも良いため、昔から干し柿作りの適地とされていて、糖度30度以上の干し柿ができる。

JAたがわ 採銅所園芸部会 粟崎勍一さん:
夏の暑い時期がありまして、非常に原料をずいぶん心配していたんですが、ここにきて非常に持ち直してきてまして、いい干し柿ができ上がってくるんじゃないか

2021年は、約5万個の生産が見込まれていて、年末まで町内にある「道の駅・香春」に出荷されるという。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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