コロナ禍で消費が落ち込む中、いろいろな場所に出店できる移動販売車が注目を浴びている。名店の味にクレーンゲーム。進化する移動販売車とは?

北海道小樽市の名店「小樽なると屋」の若鶏半身揚げだ。

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しかし、調理しているのはプロバスケットボールチーム「レバンガ北海道」のキッチンカー。多くのファンが買い求める。

プロバスケットボールチームが「キッチンカー」参入

一番乗りした客:
レバンガ北海道の折茂代表から一番で受け取ったので、本当に良かった

客:
チームの強化費になるなら、何回も買いに来たい

一体なぜ「レバンガ北海道」が「小樽なると屋」の商品を売っているのだろうか?背景には深刻な事情があった。

2026年からBリーグの1部残留要件が年間売り上げ12億円に引き上げられるため、新たな事業展開が必要となったのだ。

レバンガ北海道 折茂 武彦 代表:
売り上げの規模が12億円以上。コロナ禍でチケット販売は厳しい。バスケットボール以外に事業を展開しなければ、自分たちの目指す売り上げを達成できない

そのため、2021年5月フード部門を立ち上げ、「小樽なると屋」を運営する法人とフランチャイズ契約を結んだ。

10月末までに、5台のキッチンカーを稼働させる。

「売り上げ確保」を狙うのは飲食店側も…

一方、「小樽なると屋」側がキッチンカーに注目した背景には新型コロナウイルスの影響があった。

小樽なると屋 西澤 彰祐 部長:
他の人と接触せずにおいしいものを食べたいという、客のニーズがテイクアウトに流れている

店舗が不要で、食器やテーブルなどのコストも削減できる。

レバンガ北海道 折茂 武彦 代表:
バスケットボール以外にも、食に関してレバンガ北海道としてこだわっていきたい。エンターテインメントも含め、喜んでもらえるものを提供していく

「レバンガ北海道」は今後キッチンカーの数を増やし、北海道内各地に出店したいとしている。

ハロウィーンイベントが行われた札幌市西区の「白い恋人パーク」に登場したのは「クレーンゲーム搭載車」。キッチンカーを改造したものだ。

クレーンゲームも「移動式」!?

利用客:
ゲームセンターは密閉空間のようで狭く、子どもがいろいろ触るのでウイルスなども気になり行けなかった

この「クレーンゲーム搭載車」を開発したのは、札幌市でゲームセンターを運営する「スガイディノス」だ。コロナ禍で、売り上げは約4割減少した。

スガイディノス 三浦 尚久 社長:
北海道はすごく広いけれど、地方に行くと遊ぶ場所が少ない。オープンな場所であれば、気持ちが楽に遊べるのでは

約600万円をかけ、車のサイズにあわせてオーダーメイドしたクレーンゲームなどを設置した。
イベントだけではなく、子どもの誕生日など、様々なシーンでの利用を想定している。

スガイディノス 三浦 尚久 社長:
家の前まで車を乗りつけ、プレゼントを子どもがクレーンゲームを使って取る。家族で楽しめるサプライズ演出に使ってもらう

コロナ禍で注目される移動販売車。可能性が広がりそうだ。

(北海道文化放送)

北海道文化放送
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