いま、首都圏を中心にマンション価格が上がり続けています。都心で築46年の中古マンションの価格が1億円近くになるものも。

めざまし8は、中古マンションで1億円を超える“億ション”が求められる理由を探りました。

続々増える中古“億ション”

取材に訪れたのは東京・文京区にあるマンション。
玄関は一見普通ですが、中に入ると。

この記事の画像(10枚)

「大京穴吹不動産」麻布レジデンスサロン 工藤純店長:
約24畳あるLDKの空間ですね。

キッチンとリビングが一体化した広々とした空間。
さらに、地上14階建ての11階と高階層に位置し、窓から東京スカイツリーや上野公園が一望できる点も魅力です。

一見、新築マンションの様にも見受けられるこちらの物件。
実は1975年に建設された築46年の中古マンションだというのです。

部屋には、リノベーションにより“今の時代ならでは”の空間も新設されていました。

「大京穴吹不動産」麻布レジデンスサロン 工藤純店長:
昨今、在宅勤務の方が増えていますので、こういったワークスペースを設けております。
元々新築分譲当時は押し入れだったスペースをこのようなスペースに変えております。

こちらのマンションの価格は9980万円。
ほぼ“億ション”ですが、需要はあると見込んでいるといいます。

「大京穴吹不動産」麻布レジデンスサロン 工藤純店長:
こちらの物件は駅1分、かつ文京区の中でも、公立小学校の学区のいいエリアなんですね。

さらに、東京・港区にあるこちらの物件は築15年の地上41階建て、広さ70平方メートルほどの2LDK。中古ですが価格はなんと1億6980万円。リノベーションにも高級な資材を使用したといいます。

「大京穴吹不動産」麻布レジデンスサロン 工藤純店長:
5年前と比べて約3倍に1億円超えの物件が増えております。

大京穴吹不動産は10月、東京・麻布に高額物件専門の仲介店舗「麻布レジデンスサロン」をオープン。この店舗で扱う中古の“億ション”は続々と増えていて、築50年ほどの物件でも、都心であれば1億円を超える価格がつけられるといいます。

中古マンションが“億ション”に価格上昇を続けるウラには何があるのでしょうか。

立地や広さなど“中古”の利点に着目 コロナ禍の影響も

需要が高まる中古マンション。

例えば、六本木5丁目にある中古マンションは、2億9980万円。赤坂8丁目にある中古マンションが1億4800万円。同じ赤坂8丁目にある別の中古マンションは1億3500万円。

なぜ、ここまで中古物件が高騰しているのか、その要因をみていくと・・・。

日銀による低金利政策などで住宅ローンが組みやすくなり、物件を購入できる層が増えたことでマンション購入が活発化。不動産投資の面での需要も強まっているといいます。さらに、年収があがらないなかマンション価格が上がっているため、首都圏中心に一般家庭が購入しづらくなってるというのです。
また、新築物件に手が出せなくなった人たちが中古物件に目を向けるようになったとも指摘されています。

しかし、中古物件の価格高騰の要因はそれだけではありません。

例えば、都市部などでは特に、駅近には既にたくさんのマンションが建っています。
そうなると、これから新築物件を建てようとしても空いている隙間を狙うしかなく、面積が狭い場所や利便性が悪い場所しか空いていないことも・・・。

コロナ禍によりテレワーク勤務が普及したことで、自宅で過ごす時間が長くなり、手狭で不便な新築より、古くてもきれいなら広い方が優れていると感じ、「立地」「広さ」「利便性」において中古物件のほうが優れている、と感じる人が増えたのだといいます。

需要が高まる“億ション”の背景には、コロナ禍での在宅ワーク普及により求められるものが変化したことなど、この時代ならではの理由があることがわかりました。

「新築だから良い」という一辺倒でもなく、居住者のライフスタイルに最も適したマンションがいま求められているのかもしれません。

(「めざまし8」#NewsTag 10月26日放送)