「スタッフは宝物」熱海土石流の被災地ホテルが営業再開 笑顔の出迎えで元気をアピール
常識が通用しない…いま備える防災

「スタッフは宝物」熱海土石流の被災地ホテルが営業再開 笑顔の出迎えで元気をアピール

テレビ静岡
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地域

2021年7月に静岡・熱海市で発生した土石流では、住宅や商店などに加え、観光ホテルも被害を受けた。長期休業を経て営業を再開したホテルは「地域のためにも元気な姿を見せたい」と観光客を迎え入れている。

被災地ホテル 不安のり越え営業再開

ホテルフロント:
お車は1台でお越しでしょうか、おつかれさまでございます。本日は禁煙の和洋室のお部屋ですね

ホテル水葉亭は土石流から2カ月半ぶりに営業再開
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​期待を胸に訪れる旅行客、明るく迎えるフロントのスタッフ。旅行業、観光業に再び光が差そうとしている。

宿泊客:
2年ぶり、コロナ禍の前に行ったのが最後です

別の客:
食事が良かった、施設も良い

別の客:
宿を調べていて、このホテルが出てきた。食事がおいしいというので来ました

旅行客「食事がおいしいと聞いて来ました」

相模湾に面した熱海市の海岸沿いに立つ大江戸温泉物語・ホテル水葉亭は、102の客室を備えたホテルだ。緊急事態宣言が解除され、首都圏などから観光客が訪れていた。

相模湾に面した客室102室のホテル

ここに至るまでの道のりは、不安の連続だった。

ホテル水葉亭・遠藤智人支配人:
土石流のあとで、お客様が果たして伊豆山に足を運んでくれるか心配でした

水葉亭・遠藤支配人「土石流の後でお客様が来てくれるか心配でした」

「頭が真っ白に」迫る土石流 126人が宿泊中

7月3日に発生した大規模な土石流は、静かで風光明媚な伊豆山の街を一変させた。
死者26人、いまも1人が行方不明で、直接被害を受けた場所は警戒区域とされて立ち入ることができない。

それでも地域の復興に向け、一歩ずつ歩みを続けている。

土石流は7月3日に発生、死者26人・行方不明1人

加藤洋司記者:
発生から3カ月余りたった熱海市伊豆山の被災現場です。土砂の撤去作業は相当に進み、水が流れる水路も整備されつつあります。当時土砂は山の斜面を流れ下り、ホテルの施設にも到達しました

土石流が発生した翌朝の映像だ。土砂は海沿いまで達し、警察や消防の救助活動が本格化していた。

発生翌日に水葉亭から撮影 土石流の爪痕が

水葉亭支配人の遠藤さんは発生当日は休みだったが、異変に気づきホテルへ駆けつけた。

ホテル水葉亭・遠藤支配人:
私がホテルに到着した頃には、土石流が逢初橋から道路を伝って流れている状況だったので、まずは頭が真っ白になりました。従業員の安否、お客様の安全確保を第一に動かなくてはいけないと思い、すぐに現場の指揮をとりました

逢初橋(赤い橋)を越え、街中に押し寄せる土石流

前日からの宿泊者は126人。お客さんが安全に帰宅する支援を行い、自宅に戻れず延泊を決めた人には系列のホテルを紹介した。

従業員にケガ人はいなかったが、源泉からホテルへ温泉を送る配水管が壊れ、休業を余儀なくされた。

源泉からの配水管が壊れホテルは休業

営業再開で「伊豆山が頑張っているとアピールできれば」

休業期間は約2カ月。9月16日に準備を整えて、営業再開にこぎつけた。
もともと使っていた源泉が使えないため、伊豆山の別の源泉からお湯を運び入れて温泉を提供している。

ホテル水葉亭・遠藤支配人:
街自体は大きく変わってしまいましが、営業を再開をさせて頂くことになりました。私たちのホテルが営業することで、伊豆山が頑張っていることをアピールできれば一番良いと思っています

10月上旬の被災地 土砂の撤去は進んだ

宣言解除…熱海に観光客は戻るか

土石流の影響に加え、新型コロナでも苦しめられてきた温泉地・熱海。
緊急事態宣言が明けた2度目の週末を迎えた10月中旬でも、観光客の数、駅前の賑わいは、これまでの姿にはまだ程遠いようだ。

10月中旬 熱海駅前の商店街 コロナ前の賑わいはまだ

磯やひもの店・小林雄人社長:
それなりには人が出ていましたけれど、期待通りにはいかない状態ですね

杉養蜂園・中西雛子副店長:
熱海に、感染対策しながら多くの人が遊びに来てくれるとうれしいなと思います

杉養蜂園・中西副店長「感染対策をしながら多くの人が来てくれるとうれしい」

熱海スクエアシュークリーム・清水美代子店長:
お客さまに来て頂いて成り立つ商売がほとんどなので、徐々に戻ってきてくれるといいなと思う反面、コロナ感染がこれ以上に拡大しないよう収束に向かってくれるといい

全国ではワクチン接種・陰性証明をパッケージにした観光の実験が始まり、静岡県が行う旅行割引制度も10月18日に再開された。

数ある旅先の候補から選んでもらうには、熱海の魅力の再発信が重要だ。

被災で感じた「スタッフは宝物」

ホテル水葉亭・遠藤支配人:
営業再開を少しでも多くの皆さんに知ってもらうことが大事だと思います。「伊豆山は大丈夫かな」と思って来る人もいると思うので、私たちが笑顔で受け入れることで、お客さまも「また次回も安心して泊まりに来られる」と感じて頂けると思います。私たちは笑顔のサービスを徹底するだけです

水葉亭が営業を再開して1カ月余。スタッフの心の支えになっているのは、利用者からの励ましの言葉だという。

ロビーには利用者から寄せられた応援メッセージが飾られている

ホテル水葉亭・遠藤支配人:
土石流を経験してスタッフも苦しい思いをしたのですが、誰ひとり欠落することなく残ってくれて、笑顔でお客様のお出迎えを毎日してくれているので(スタッフは)私の中では宝物です

笑顔で対応するスタッフ

訪れる人を笑顔で迎え、熱海・伊豆山の魅力を伝えたい。
感謝の思いを胸に観光客を迎えている。

(テレビ静岡)

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