10月24日、衆議院選挙の前哨戦とされる参議院補欠選挙の結果も出て、いよいよ総選挙というムードが高まっているようにもみえますが、実は、日本の投票率をめぐってこんなデータがあるのです。
国際的な研究機関である民主主義・選挙支援国際研究所が、世界各国の議会選挙の投票率をランキングしたところ、194の国と地域の中で、日本は139位という結果に。
なぜ、日本では投票しない人が多いのでしょうか。
めざまし8では、有権者や専門家にそのワケを聞きました。

投票率が高い国には理由があった…

街で、投票についてどのような考えを持っているのか聞くと。

20代女性:
(総選挙を)いつやるのか正直わかんないですけど、日にちも知らなかったです。誰に投票していいか分からない。興味もないです。自分が投票して変わるって言う感じがあんまりしないですね

建築関係の人:
今まで投票してもどうせ変わんない。私たち一般国民は変わらないと言うのがあるから、それも1番の理由。結局は自分たちの生活は、誰がなっても、どの政党がなっても変わらない。

「興味がない」や「投票しても変わらない」などという意見が聞こえてきました。
一方、投票率が高い国にはその理由があるようです。

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投票率1位のベトナムでは、“代理投票は慣行”。法律では認められていないものの、代理投票が行われてしまっている傾向にあるといいます。
また、3位のシンガポールやオーストラリアなどは、投票しないと罰金が課され、社会的責任を国民に求めているというのです。
一方、18位のスウェーデンは“12歳から模擬投票“を実施。実際の選挙と同日に、同じ候補者に投票。さらに選挙前には、候補者が学校に演説にくるというのです。ユニークな発想により、若い世代にも政治を意識してもらうことに重点を置いているようです。

では、日本を見てみると。

10代がはじめて投票に参加した2017年の衆院選時は、全体投票率が53.68%。10代が投票権を得ても、投票率の増加はあまりないように見受けられます。
全体的には下降傾向にあって、投票の割合を世代別に見ていくと次のようになります。

10代で1.89%
20代で6.48% 
30代で10.74%
10代~30代の若年層で20%にも達していません。

一方、40代で15.80%
50代で16.29%
60代で22.07%
70代以上で26.69%
と、40代以上で4分の3以上を占めています。

少子高齢社会で、高齢者の占める割合が大きくなっていることが如実にわかります。
また、若者の投票率が低いため、世代別の割合で一層差が大きくなっています。
このまま若者の投票率が低いとどのようなことが起きるのか、専門家に話を聞きました。

“シルバー民主主義”の行く末には…

日本大学大学院 岩井奉信講師によると、「シルバー民主主義と呼ばれる現象が起きる」といいます。若者の投票率が低いと、政治家は当選するために、高齢者向けの政策を優先的に示すことになります。それにより若い世代への歳出減少や消費減少に繋がり、最終的には国の活力が低下すると指摘します。

一方、各政党は若年層への政策も打ち出しています。

選挙プランナー 大濱﨑 卓真氏によると、「社会保障制度、国民健康の問題は高齢者向きの政策として今回各党が政策を出している」とした上で、「若い世代向けでは、女性の活躍やジェンダーが若い世代の関心が高く、焦点が当たっていると思える」と分析します。

衆院選挙では、選挙戦の結果とともに、どの程度の投票率となるのかも重要なポイントとなりそうです。

(めざまし8「#NewsTag」10月25日放送)