新型コロナウイルスの影響で、新居浜太鼓祭りは2年連続の運行自粛となった。そうした中、ミニ太鼓台作りに没頭する男性がいる。こだわりに満ちた“太鼓台への愛”を取材した。

本物の5分の1サイズで太鼓台を製作

秋晴れのもと、太鼓台がゆっくり進む。よく見ると小さいサイズだ。

ミニサイズの太鼓台
ミニサイズの太鼓台
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高橋勇人さん:
これは「高橋太鼓台」です。自分の趣味ということで、石こう粘土や金糸で作っています

ミニ太鼓台を製作した高橋勇人さん
ミニ太鼓台を製作した高橋勇人さん

実はこのミニ太鼓台は、新居浜市郷の高橋勇人さんが、祭り好きが高じて自ら作ったもの。その祭り愛は、「口屋太鼓台」の正指揮者を務めるほど。

「口屋太鼓台」の正指揮者も務める高橋さん
「口屋太鼓台」の正指揮者も務める高橋さん

高橋勇人さん:
僕はお祭りも好きなんですけど、太鼓台そのものが好きで、ずっと見ていたいという思いがあって。自分の太鼓台を作ったら、ずっと見えるじゃないですか

高橋さん自作の太鼓台は、高さ2メートル、幅1.5メートル、かき棒の長さは3.3メートルある。

ミニといっても本物の5分の1ほどのスケールで、布団締めを飾る龍や飾り幕も迫力と精密さを備え、こだわりに満ちている。

祖父からのプレゼントをバージョンアップ

高橋さんの作業場は自宅。高橋さんが太鼓台にはまったのは…。

高橋さんの母・智佳子さん:
2歳ぐらいの時かな。(祭りの時)主人の肩車に乗って、太鼓台を見て揺れてました

そして、小学校に入り、大工だった祖父にねだってプレゼントされたのが、太鼓台の骨組みと飾りだった。

祖父から送られた太鼓台の骨組みと飾り
祖父から送られた太鼓台の骨組みと飾り

実は、このミニ太鼓台は、小学生の時にプレゼントされたものに大学生のころからバージョンアップを重ねたものだった。

ますます深くなる、高橋さんの“太鼓台への愛”。

飾り幕作りは週に3日ほど。金糸を刺しゅうするなどして、コツコツと続ける。本物のクオリティーに近づけるためだ。

クオリティーアップを続ける高橋さん
クオリティーアップを続ける高橋さん

高橋勇人さん:
今は6~7割はできていますね。あと1年くらいかかるかなと思います。地道に楽しみながらやっていけたらなと

祭りの再開を願い、完成を目指す

新居浜太鼓祭りは、コロナ禍のため2年連続で運行自粛となった。高橋さんは、太鼓台のバージョンアップで祭りのモチベーションを上げている。

高橋勇人さん:
バージョンアップしたのは、上幕の総刺しゅうの分と正面の飛竜。ここが一番お気に入りの所です。着々と自分の構想に近づいています

ミニ太鼓台は、2022年に完成する予定。

高橋さんは新居浜太鼓祭りの再開と、情熱を注いだ自作の太鼓台の競演を願っている。

高橋勇人さん:
コロナを撲滅して、来年こそは祭りができるようになったらいいなと思っています

(テレビ愛媛)

テレビ愛媛
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