ドローンを使って買い物した商品を家まで届ける。北海道十勝地方の上士幌町で実証実験が行われた。高齢化が進んだ町で、買い物弱者を救う切り札となるのだろうか?
高齢化が進む北海道の地方都市
北海道上士幌町は人口約4900人。3人に1人が高齢者だ。
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町にあるスーパーは2店舗で、中心部に集中。日々の買い物に不便を感じる住民も少なくない。
上士幌町民(86):
車が必要。足腰が弱り歩くことができない
上士幌町民(90):
バス以外に交通手段がない。90歳だが運転免許を更新した。車がないと生活できない
食料品を“空から”届ける実験 生卵は無事なのか?
このような買い物弱者を支援しようと、上士幌町は民間企業と提携しドローンを使った実証実験を行った。
廃校になった小学校を「デポ」と呼ばれる配達の拠点とし、地元のスーパーから食料品などを集約。住民がタブレットで注文すると、デポでスタッフがドローンに荷物を積み込む。
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ドローンは飛行中も安定するような特許技術が用いられていて、飲み物や割れやすいものも届けることができる。
またGPSを使い、人間の操縦なしで目的地まで運ぶことが可能。
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デポを飛び立って約2分。300メートル離れた注文者の自宅前にドローンが着陸した。荷物を受け取るとデポまで戻っていく。
中には生卵が入っているが、無事なのだろうか?
実証実験に参加した 大道静枝さん(82):
割れていません、大丈夫です。ドローンでの配達は便利で楽ですね
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大道さんの息子 欣実さん:
忙しいときに母親の買い物を送り迎えするのは大変。配送してくれるなら助かる
新たな物流スタイル確立へ
ドローンでの配達は、利用者だけでなく地元のスーパーにとってもメリットがある。
Aコープ 上士幌店ルピナ 嘉藤貴之さん:
現在、無料で配送サービスを行っているが、今後人手不足になった場合、ドローンでの配達はありがたい
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実証実験は、日本一広い公共牧場として知られる「ナイタイ高原牧場」でも行われた。グランピング施設へ、観光客向けに地元の食材をドローンで届けるというものだ。
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2022年度には国がドローンの飛行制限を緩和する予定で、町は実用化に向け新たな物流スタイルの確立を目指している。
上士幌町 ICT推進室 梶達室長:
過疎地域だと配送の利用者が少なく、ビジネスとして成り立ちにくい。ドローンで効率化、共用化することで補えるのではないか
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ドローンが日常生活に不可欠なものとなる日は、そう遠くないのかもしれない。
(北海道文化放送)