サケやサンマなど北海道を代表する魚の不漁が続いている。一方でブリなど、本来暖かい海の魚が多く網にかかっている。
長いスパンで取れる魚が変わる「魚種交代」が起こっているのかもしれない。

不漁が続くサンマ…

サンマの水揚げ量全国一の北海道根室市の鮮魚店で、無料のサンマが振る舞われた。

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客:
サンマは高い

客:
家計が助かる

店で売っているサンマは1匹180円。振る舞われたのはそれより小さい規格外のものだが、不漁が続く中、貴重なサンマだ。
8月の漁獲量は850トンで、過去最低だった2020年の170トンを上回るものの、過去2番目の少なさだった。

いま海では何が起こっているのだろうか?異変が起きている北の海へ向かった。

秋サケの定置網には…

9月から始まった秋サケの定置網漁。北海道東部の釧路町を午前4時に出港し網を上げると、そこには…

田中 うた乃 記者:
海から網があげられました。サケは少なくブリが多いように見えます

網にかかったのは大量のブリ。この日取れたのは、サケ550kgに対してブリは何と1.5t。
さらに…

田中 うた乃 記者:
マンボウもあがっています

暖かい海域に生息するはずのマンボウまで。肝心のサケの不漁が続いている。

その理由を、漁船の乗組員に聞いてみると…

七共進丸・川原田 良己さん:
それは、こっちが聞きたい。ふ化放流も行っているが、さっぱり増えない

「クロマグロ」まで北の海に…

異変は他にも。海面から飛び跳ねるクロマグロ。8月に根室海峡で撮影されたものだ。

通常は津軽海峡付近でとどまることが多いクロマグロの群れが、北上してきたとみられる。
根室市の漁港でも、巨大マグロが相次いで水揚げされている。

本来取れるはずの魚が取れなくなり、今までいなかった魚が現れる理由を専門家に聞いた。

水産研究 教育機構・黒田 寛さん:
海面から50~100m下では、釧路市の南東側で水温が非常に上がっている。魚種交代が起こっているのは間違いない

北の海で繰り返されてきた「魚種交代」

北太平洋は、数十年単位で海流や水温の変動を繰り返している。それによって取れる魚が変わるのが「魚種交代」だ。

実は、北海道東部では昔から魚種交代を繰り返してきた。
昭和初期の釧路港の写真。マグロが大量に水揚げされている。

水産研究 教育機構・黒田 寛さん:
世界恐慌で大変だった時代に、マグロが取れたことで漁業を維持できた

釧路市周辺で取れる魚は、明治時代のニシンから、マグロ、マイワシ、サバ、スルメイカ、そしてサンマと、10年から20年の間隔で入れ替わってきた。

今後はどうなるのだろうか?

水産研究 教育機構・黒田 寛さん:
地球温暖化が裏に隠れている。過去の知見で未来を予測するのは難しい

海の変化にどう対応していくのか。サケやイクラ、サンマの不漁で苦しい状況が続く。ブリは豊漁だが、客が求めるものとは違うという。

「ブリの産地」として売り出すには時期尚早の声も…

喰処 鮭番屋・金橋 直喜さん:
10年くらいこの状況が続けば、産地としてブリを売り出せるが、今は変わってきたばかりでブリの産地として認識されていない。北海道の味覚としては、サンマやイカが強い

海の変化で様変わりしていく魚。取れない魚を求めるのではなく、たくさん取れる魚をどのように利用するのか、考える必要がありそうだ。

(北海道文化放送)