医療現場ではこの冬、新型コロナウイルスとともにインフルエンザの流行を心配する声が上がっている。
しかし、その一方でインフルエンザワクチンの供給に遅れが出ている。どのような備えが必要なのだろうか?

新型コロナウイルスのワクチンに注目が集まっているが、もうひとつ重要なのがインフルエンザのワクチンだ。

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例年、国内で約1000万人が感染するといわれているインフルエンザ。新型コロナとの同時感染で重症化する懸念などから、昨シーズンは過去最多となる約6684万人分のワクチンが供給され、国は接種を積極的に進めた。

インフルエンザのワクチン接種時期に「遅れ」が…

しかし…冬のインフルエンザ流行を見据え、医療機関でのワクチン接種が始まる時期だが、2021年はワクチンの供給が遅れる見込みだということだ。

札幌市豊平区の「とよひら公園内科クリニック」では、例年10月から始まるインフルエンザのワクチン接種が、2021年は11月にずれ込みそうだという。その理由は…

とよひら公園内科クリニック・藤本晶子院長:
ワクチン製造メーカーでは7割くらいしか製造ができないと聞いている。出回るワクチンが3割減ということになる

厚労省によると今シーズンのワクチンの供給量は、昨シーズンの8割前後にとどまる見込みだ。

供給不足に加え「部品」不足も…

また、世界的に原料が不足している上、ワクチン製造で使う部品が新型コロナ用に回され確保が難しくなっていることから供給が遅れる見通しだというのだ。

一方でこんな状況も。

とよひら公園内科クリニック・藤本晶子院長:
昨シーズンはコロナ対策をしていることもあって、うちのクリニックでは1人もインフルエンザの方が出なかった

「流行しなかった」昨シーズン

2017年から18年にかけてのシーズンは、インフルエンザの推定患者数が約1458万人。それが昨シーズンは約1万4000人と1000分の1に激減している。北海道内で報告された患者数はわずか74人で、流行は見られなかった。

"インフルエンザワクチン"接種する必要は?

マスクの着用や手洗いなど、基本的な感染症対策が功を奏した形となった。このような状況でも、インフルエンザワクチンを接種する必要はあるのだろうか?

とよひら公園内科クリニック・藤本晶子院長:
絶対ワクチンは打った方がいい。少なくとも(症状が)軽くすむ。新型コロナウイルスのワクチンと2週間の間隔をあければ打っていい

日本ワクチン学会は6月、「コロナとインフルエンザの流行期が重なることで医療体制のひっ迫が懸念される」という見解を示した。より一層の感染対策が望まれる。

昨シーズンは流行がみられなかったインフルエンザだが、今シーズンはどのような見通しなのだろうか。

感染症対策に詳しい、北海道医療大学の塚本容子教授は「昨シーズン流行しなかったため、免疫や耐性が落ちている可能性がある。今シーズンは大流行になる恐れもあるので、ぜひワクチンの接種を」と呼びかけている。

厚労省によると今シーズンのワクチンの供給量は、過去最多だった昨シーズンより少ないものの、例年と同程度になりそうだ。また11月から12月にかけて継続的に供給される見込みなので、焦らずに接種を進めてほしい。

(北海道文化放送)