29日、自民党総裁選に勝利した岸田文雄前政調会長。
新自由主義からの転換、そして「成長と分配」というワードを掲げ、これまでとは違う路線を打ち出しています。
「めざまし8」では政治家岸田文雄の「強み」と「弱み」について、3人の専門家に話をききました。

「安定感」と「外交」専門家が分析する岸田新総裁の“強み”

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まずは、政治ジャーナリストの田﨑史郎さん。
岸田新総裁の“強み”は外交にあるといいます。

政治ジャーナリスト 田﨑史郎氏:
(過去に)外交官、大臣をやって大きな成果はG7サミットが開かれた時、オバマ大統領が広島を訪問したんですね。“下ごしらえ”したのが、当時のアメリカの国務長官だったケリーさんと岸田さんで、2人の人間関係が一致した。外交関係も要は信頼関係が基本になるので、岸田さんはその面で力を発揮するのではないかと思います。

一方で、政治アナリストの伊藤惇夫さんが強調したのは“安定感”です。

政治アナリスト 伊藤惇夫氏:
(岸田文雄新総裁は)政策力に関しては定評がある方です。加えて言うと安定感っていうのかな。あまり急展開をしたり、急ハンドルを切ったりしないタイプですよね。

さらに、政治ジャーナリストの石橋文登氏さんが強調したのは“話し合い”を大事にすることです。

政治ジャーナリスト 石橋文登氏:
和を乱さないように一生懸命やるタイプ。調和とか、和、話し合いを、すごい大事にするタイプ。

3名とも岸田新総裁の「政策力」を最も高く評価しているのが特徴です。
一方で“弱み”については、こう話します。

「発信力」「決断力」に不安も…岸田新総裁の“弱み”

政治ジャーナリスト 田﨑史郎氏:
やはり言葉が、固いというか、役人の言葉みたいな言葉遣いが多いんですね。いろんな慎重な言い回しがそういう意味でその発信力も、弱いと思います。

慎重な言い回しが多く、発信力が弱いと分析する田﨑さん。
一方で政治アナリストの伊藤さんはこんな懸念をあげています。

政治アナリスト 伊藤惇夫氏:
統率力があるのかどうか。
あるいは決断力があるのかどうか。この辺は今までは少なくとも「弱み」と言われていた部分ですから「新自由主義からの脱却」ということを掲げていたのですが、これはある意味で言うと、“安倍・菅路線”からの転換というふうにも受け取れるんですよね。
それを今後、具体的にどう総理として実現していくのかというのは注目点の1つかもしれませんね。

“統率力”と“決断力”については政治ジャーナリストの石橋文登さんもこう指摘します。

政治ジャーナリスト 石橋文登氏:
(和を大事にすることの)逆に言ったら決断力や統率力が落ちてしまう。
改革をするというのは、すごく反対も出る中で押し切れるかっていったらなかなか。

自民党総裁選の結果を振り返り、国民の声をよく聞くことを誓った岸田新総裁。
自民党に新しい風を吹かせることはできるのでしょうか。
これからの「政策力」に注目が集まります。

(めざまし8 9月30日放送)