食欲の秋。北海道の代表的な秋の味覚といえばイクラだ。しかし、その価格が高騰している。
一方でサケの定置網には、本来取れない魚がかかっている。今、海に何が起こっているのだろうか。
最盛期の秋サケ漁 1日でとれたのはわずか170匹
温かいご飯にのせたイクラ。口の中ではじける感触が恋しい季節になった。

新鮮な生筋子。100gあたり1200円と少し高めだ。

札幌市西区の「鮮魚鯔背」では、漬ける前の生筋子の価格に異変が起きていた。

鮮魚鯔背 小野真さん:
2019~2020年は、100gあたり600円で販売。倍の値段になっている
何と2020年の倍の値段に。その理由は?
鮮魚鯔背 小野真さん:
史上2番目くらいのサケの不漁予想が出ていた。この後も値段は下がらないと思う

北海道東部の釧路町昆布森漁港。秋サケ漁がそろそろ最盛期を迎えるはずだが…。

秋サケ漁の漁船員 川原田良己さん:
全然サケが取れなくて、3日ぶりの出漁。それで170匹の水揚げは、始まって以来の少なさ
通常、この時期のサケの水揚げは1日2000匹ほどだが、この日はわずか170匹。壊滅的な少なさだ。

サケが取れなくなった理由を聞くと…。
秋サケ漁の漁船員 川原田良己さん:
それはこっちが聞きたい。ふ化放流も行っているが、さっぱり増えない

壊滅的不漁の原因は"地球温暖化"
漁師も首をかしげるサケの不漁。その原因は何だろうか。専門家に聞いた。
さけます・内水面水産試験場 卜部浩一さん:
北海道のサケは春先に海に下るが、春の冷たい水温と、初夏の急激な水温上昇という2つの影響を受けて死ぬサケが非常に多い。急激な水温上昇は地球温暖化による可能性がある

近年、北海道内のサケの漁獲量は減り続けている。2021年の夏、北海道は記録的な猛暑に見舞われた。成長したサケが戻ってくる3年後以降は、いま以上の不漁も予想されている。

一方で“あの魚”の漁獲量は増加 おいしい食べ方は?
サケのかわりに定置網にかかっていたのは、大量のブリ。
秋サケ漁 漁船員:
ブリしかいない
