顧客と共に取り組むプラスチック削減

地球にも財布にも優しい方法で、おでんの販売が始まった。

コンビニ大手ローソンで14日から東京・埼玉・千葉の約30店舗で始まったのが、「おでん鍋割セール」だ。

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鍋や密閉容器など、ふた付きの容器を持参するとおでんを5個買うごとに39円引きになる。

客:
結局家で食べるので、安くなるなら容器持っていったりするかも。
買いやすくなる。食べきれなくても冷蔵庫に入れても大丈夫だと思うので。

ローソン広報部・榎本章マネジャー:
コンビニでは容器やカトラリーなど数多くのプラスチックを使用しているので、お客さまと一緒にプラスチックの削減に貢献していこうと。

おでんの容器に使われているプラスチックを削減することが目的で、10月から全国の店舗に拡大する予定だ。

コンビニが人々の行動変容を促す

小澤陽子キャスター:
流通の最前線をウォッチしている、マーケティングアナリストの渡辺広明さんに伺います。
実際にローソンに足を運んで今回の取り組みを取材されたそうですね。

マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
取材した感想は、鍋や容器を持って買い物に行くことに抵抗があるかもしれませんが、この光景が早く日常になれば良いなと思いました。

なぜならばこのキャンペーンは消費者が安く買えるインセンティブもありますし、環境に配慮した意識も持ってもらうこともできます。
店側から見ても、容器やふたなどのコスト負担もなくなりますし、結果、プラスチック削減にも繋がるので、全て良しのキャンペーンになると思います。

小澤キャスター:
今回の取り組みは消費者にとっても店にとってもウィンウィンな取り組みですよね。

渡辺広明氏:
コンビニは今までレジ袋や割り箸、プラスチックのフォークなどサービスとして店側の負担で用意していましたが、環境への配慮からレジ袋は有料化されました。

それ以外のものもこれから有料化や再利用が進みそうなんです。
こうしたコンビニのSDGsの小さな取り組みの重なりが消費者のエコ意識を高めて、人々の行動変容を促す効果が高いのではと個人的には考えます。

小澤キャスター:
マイバッグ持参のように、暮らしの中に地球への優しさを考えた買い物スタイルが定着したらいいですよね。

渡辺広明氏:
コンビニは新型コロナの感染拡大でビジネス立地を中心に売り上げが厳しくなって、創業以来の大きな曲がり角にもなっているんです。

そんな時期だからこそ、人口減やSDGsに寄り添ったコンビニに生まれ変わるターニングポイントともいえるんです。
コロナ禍で昨年のコンビニの客は159億人と減ってはいますが、日常使いが浸透した産業というのがわかると思います。

消費者の行動変容を起こすことが可能なんです。
コンビニがその役割を当然担うべきですし、対応は今後ますます重要になってくるとも考えています。

小澤キャスター:
これまでの当たり前を変えるというのは簡単なことではないかもしれません。ただこのまま同じことを続けていくのはもう難しいように思います。
コンビニという誰もが使う場所で消費者にとって、企業にとって、そして何より地球にとっても優しい“ウィンウィンウィン”な取り組みが進んだらと思います。

(「Live News α」9月14日放送分)