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志賀遥菜さん(P&G 2017年入社):
少しわだかまりができるじゃないですけど、そういうふうに感じる時もあるなあって・・

浅野徹さん(P&G 1999年入社):
わかる、すごくわかる。ただ上司の人をかばうわけじゃないけど・・・我々が志賀ちゃんぐらいの頃って・・

上司との関係性について若手社員から相談を受けているベテラン社員。すると今度は、ベテラン社員の方から「教えてほしい」の言葉が・・・

浅野徹さん(P&G 1999年入社):
どんな風にされるのが理想なのかっていうのある?あったら教えて欲しいんだけど。

すると今度は先輩社員から若手社員へ質問が・・・。

新たな働き方のヒントになる取り組み「リバースメンタリング」の可能性とは。

P&G広報渉外本部 今瀬友佳さん:
アドバイスを受ける側はもちろん、アドバイスをする側、また組織全体の成長や活性化につながっていると・・・。

リバースメンタリングとは、通常のメンタリングとは逆に、若手社員が先輩社員にアドバイスや意見を言うこと。P&Gでは10年以上前からこの制度を取り入れ、現在では特に会社側でセッティングせずとも、社員同士が自然にリバースメンタリングを活用するようになっているという。

先輩社員の浅野さんと、入社5年目の志賀さんも、お互いに相談し合う間柄。この日はサスティナビリティプロジェクトのメンバーになった浅野さんが志賀さんから意見を聞いていた。

志賀遥菜さん(P&G 2017年入社):
最近、物を買うときに、エシカルな素材で作られている製品だったりとか、どういう風に社会に貢献している会社なのかとか、そういったところを見て買いものをしているなと。コスメとかも最近そうで。

浅野徹さん(P&G 1999年入社):
どうやって、そういう情報は、積極的にリサーチしにいくの?

志賀遥菜さん(P&G 2017年入社):
百貨店のコスメティックフロアをうろうろしてたときに、美容部員の方が 商品の話からじゃなくて、サステイナビリティの話から始まったんですよ。で、「リップスティックって世界中で何本、年間で捨てているか知ってますか」みたいな話から始まって。凄く興味深いから、「えっ何本ですか?」って。

浅野徹さん(P&G 1999年入社):
普通だったら物を売るアプローチから入るところを、サステイナビリティの切り口から入るのは面白いと思ったし、その辺の話は持ち帰るね。ありがとう。

浅野徹さん(P&G 1999年入社):
(リバースメンタリングの意義について)若手社員と、密に頻繁にコミュニケーションできることによって、自分自身も忘れそうなフレッシュな気持ちを取り戻したり、固定概念を覆すためのきっかけになると思います。

先輩社員と若手社員の発言量を同じぐらいにすることで、プロジェクトのバランスが取れるようになったり、あえて経験の浅いチームに任せ、若手の経験値を上げる事などに成功したりするようになったという。この仕組み、若手にも良い影響を与えているとのこと。

志賀遥菜さん(P&G 2017年入社):
下から上に声をあげていくことができる文化って、やっぱり会社として、風通しが良いなと思いますし、多様性も生まれるし、より良い製品を作ることにつながっていくんじゃないかと思います。

P&G広報渉外本部 今瀬友佳さん:
肩書きや経験値など、様々な要素にとらわれることなく、新しい考えを積極的に取り入れていくことができるのは、社員の成長にもつながるし、組織全体の成長にもつながると考えています。

年齢や性別、経験値にとらわれることなく相手の話を聞き、学ぶことは、これからの時代に必要なことなのかもしれない。

内田嶺衣奈キャスター:
このニュースについては、デロイト トーマツ グループの松江英夫さんに話をうかがいます。私自身、本当に興味深い取り組みだなと感じましたが、松江さんは、どう感じましたか?

デロイト トーマツ グループCSO 松江英夫氏:
まさに企業にとっても、デジタル化やSDGsなど環境変化に適用していく上では、感度が高い若い世代から、いかに学ぶかが、ますます重要になってくるんですが、ただ、多くの日本企業にとってハードルが高いというのも実態だと思います。

デロイト トーマツ グループCSO 松江英夫氏:
ある調査によると、大企業1万人を対象に、リバースメンタリングの導入経験を聞いたところ、85 %近くは未経験ということで、かなり日本の組織は、縦割だったり、上下関係が厳しい中で、これを導入していく、けっこう知恵と工夫が必要だなというのが実感です。

内田嶺衣奈キャスター:
具体的には、どういった方法で広めていくことができますか?

デロイト トーマツ グループCSO 松江英夫氏:
ひとつの突破口は、“斜め”の組み合わせ、これをいかに作っていくかにあると思います。言い方を変えると、評価する側・評価される側という縦の関係と切り離して考える、これが1つのポイントなんです。具体的に言えば、若い世代にとっては、自分の同じ部門の直の上司ではなくて、他の部門の人とペアを組んでいく。これはまさに“斜め”ですね。

デロイト トーマツ グループCSO 松江英夫氏:
それ以外にも、若い世代の人がチームを組んで、例えば、2人に対して1人の上司をつけていく、こういった形によって、若い世代の人が自分の評価を気にせずに、物が言える環境を作る、これが最も大事なんです。さらには、双方向で学べるようなテーマ選び、これも大事で、例えば、デジタルツールの色んな会話に始まって、若い世代にとっての、将来の職業観まで含めて話ができるような、幅広いテーマ設定も重要だと思います。

デロイト トーマツ グループCSO 松江英夫氏:
こういった“斜め”の関係を通じながら、組織の中の立場や世代を超えて、一方的ではなく、相互に学び合える風土作りをしていく、こんな目的のもとに、こういったリバースメンタリングの制度が広がっていくことを期待したいと思います。

内田嶺衣奈キャスター:
私も、社会人9年目を迎えて思うのは、人望がある上司ほど、下の世代に「どう思う?」と投げかけて意見を聞いてくれたり、寄り添ってくれたりする方が多いなと感じます。それぐらいの信頼関係がある職場というのは、個々の働きやすさだけではなく、組織全体としての向上にもつながっていけると思います。

(「Live News α」9月10日放送分)