コッペパンと牛乳・ゼリー…簡素なメニュー
神奈川・厚木市内の全ての公立小学校・中学校で今週、実際に出された給食…
9月2日の給食。おぼんの上に乗せられているのは、コッペパン、牛乳、リンゴのゼリー。
この記事の画像(7枚)9月4日の給食。おぼんに乗るのは、コッペパン、牛乳、はちみつのゼリー。
9月8日の給食も、コッペパンと牛乳などで、おかずはありません。
めざまし8では、夏休み明けの学校で相次いでいる「簡易給食」の現場を取材しました。
こうした給食をめぐっては「自分が親なら抗議します」という反対意見や「感染拡大予防のためで、悪いのは簡易給食ではない」と支持する声が交錯しています。
「簡易給食」は、いつもの給食より品数が減らされているため、配膳や食事にかかる時間を減らし、感染予防になるとして、今、各地の学校が採用しているものです。
取材班は「簡易給食」を採用している神奈川県厚木市の小学校を訪れました。
厚木市の小学校校長:
今は簡易給食ですので、自分で自分のものをお盆にのせていくというかたちになります
給食の配膳は自分のものを自分でお盆に載せていくスタイル。
夏休み明けの9月1日から10日まで簡易給食を取り入れています。
厚木市の小学校校長:
本校の場合には学校に調理場がありますので、そちらで配膳の方をしているのですれども、自校給食ということでまかなっております
小学生の保護者A:
栄養が心配ではあるけれど、この状況下では仕方がないかなと…
小学生の保護者B:
給食で補えなかった栄養面を家で考えるのは正直面倒。はやく元の給食に戻って欲しい
感染対策に理解を示しつつも、栄養に対する不安を口にしていました。
思いは、提供側である校長も同じ。
厚木市の小学校校長:
本当は一生懸命丁寧に作り上げたその給食を子供たちに提供したいという思いはすごくあります。それが今できないというところで、自分としても本当に子供たちには申し訳ないという気持ちはあります。ただ本当に子供たちは各担任の指導を守って、手を洗う、そういった感染症対策もしっかりやってくれていますし、食べる時も本当に黙々と食べてくれてますので、子供たちには感謝しています
簡易給食で減らせる感染リスクとしては…
・配膳せず自分で取ることで、配膳時の接触なくす
・間隔を空けて並ぶことで、密な状態を避けられる
・給食の品数が減ることで、食事時間を短縮できる
苦肉の策…コッペパンのサイズアップ 長期化すれば栄養不足の懸念
厳格な感染対策を強いられる中、少しでも栄養とカロリーを高めるため、こんな工夫もされています。小学生については、コッペパンの大きさをそれぞれ約15g大きくするというもの。サイズはそれぞれ1.2倍ほどになっている。
低学年58g→73g
中学年73g→87g
高学年87g→102g
通常、児童1人1回あたりの給食は650キロカロリーが目安とされていますが、今回の簡易給食では、最大でも570キロカロリーにとどまります。
こうしたメニューに、管理栄養士は心配を口にします。
管理栄養士・豊田愛魅氏:
長期的にいつもこの食事になってしまうと栄養素が足りない状態が長期で続いていくので心配になりますね。何よりもタンパク質が不足しているなって感じますね
今後について、厚木市では感染状況を踏まえ、栄養不足回避のために、できるだけ早く通常給食を提供する方向で調整をしていて、近く決定する予定です。
学校給食の現場では、感染予防を徹底すれば、栄養不足に陥るというジレンマの中で、難しいバランスでの運用が求められています。
(めざまし8 9月8日放送より)