5歳から仏像を作り続ける長野市の大久保汰佳さん(18)。
この夏、高校生ながら頭を丸め、正真正銘、僧侶となった。
将来、進むべき道が定まったようだ。

5歳から仏像を作り、個展を開く腕前に

真剣な表情で粘土で仏像を作る少年。

大久保汰佳さん(当時16):
自分自身の祈りの形をつくると言うのは楽しいし、生きる糧ですね

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長野市の高校生・大久保汰佳さん。
幼いころ、雑誌で見た「十一面観音」にひかれ、仏像好きとなった。

大久保汰佳さん(当時16):
美しい形であったり、かっこいい顔にひかれましたね

汰佳さんの母・知実さん(2020年2月取材):
怖がるんじゃないかなと思ったんですけど、見た途端、興奮しだした。「え、なんで好きなの?」みたいな…

5歳から作り続けた仏像は300体以上。今では個展も開く腕前。

さらに仏教の奥深さにも触れ、仏像・仏具を揃えた自宅の一室を「本堂」と呼び、毎朝、お経を唱えるようになった。

「仏様を作るうえで仏教の教えを深めるのが大事なこと」

そして、この夏。

大久保汰佳さん:
去る7月30日に「高尾山薬王院」というお寺で得度をいたしました。僧侶として第一歩を踏み出したわけです

汰佳さんは仏門に入るための儀式「得度式」に臨み、僧侶となった。
与えられた法名は「秀佳」。こだわっていた髪もきれいに剃り落とした。

大久保汰佳さん:
髪の毛はすごく大事にしていたアイデンティティーのような部分で、これを捨てるのは本当に怖かったんですけど、思い切ってしっかり剃髪して…

仏像巡りをする中で、僧侶と接する機会も増えていった汰佳さん。
今後、仏像を作り続けるうえでも、僧侶になることが不可欠だと考えるようになった。

大久保汰佳さん:
法要の場に立つお坊さんの姿に憧れを抱くこともありましたし、何より仏様の一番近くにおられる方がお坊さん。小さい時からお坊さんになりたいというのは、ひとつ大きな夢として抱いていた。
仏様をお作りするうえでも、自分自身が僧侶となってよく仏様の教えを学んで、仏教の教えを深めていくのが本当に大事なことだと思って

僧侶になって3週間。
以前は修験者のような姿だったが、今は袈裟を身に着け、「御勤め」をしている。

「僧侶」になったことに母・知実さんは…

汰佳さんの母・知実さん:
和尚さんになりたいというのはずっと言っていたし、いつかそういう方に進むんだろうなと。だから、うれしかった。私よりも自分のことをちゃんと伝えられる人だから、こうなってほしいとかは別にないです。私は見守る側

修行として地蔵菩薩1,000体の制作を進める

大久保汰佳さん:
春先から制作を始めた「千体地蔵」の一体です

僧侶になる決意をしたこの春から、汰佳さんは自身で考えた修行として、地蔵菩薩1,000体の制作を進めている。
これまでに作ったのは150体ほど。

大久保汰佳さん:
得度したというひとつの記念、もうひとつはコロナウイルスの収束。不安になっている人が癒やされるようにと、願いを込めて制作を始めた一つの修行です

現在、高校3年生。
卒業後は京都の大学に進み、仏教を学びたいと考えている。

大久保汰佳さん:
いろんなお寺に行って仏像を見て回ったり仏像を作ったりして、自宅で仏様を拝む場所を作って毎日お経をあげたり、お花をお供えしたりだとかしていた。
今までは「熱心だね」という感じだったんですけど、僧侶になったので、これからは拝んで当たり前。お坊さんとしても、仏様をお作りする仏師としても、一人前になれるように、今から、ここから精進していく

仏を刻む僧侶に。
「高校生仏師」が覚悟の一歩を踏み出した。

(長野放送)