新型コロナウイルスの感染拡大はいまだに終息の兆しが見えない。

シリーズ「名医のいる相談室」では、各分野の専門医が病気の予防法や対処法など健康に関する悩みをわかりやすく解説。

今回は、福岡県飯塚市にある、飯塚病院感染症科部長の的野多加志先生に、新型コロナウイルスのワクチンを「打つリスク」と「打たないリスク」の双方について話を聞いた。

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ファイザー、モデルナの稀な副反応

飯塚病院感染症科部長・的野多加志先生: 
新型コロナに関するmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンでは、アナフィラキシー以外に、心筋炎・心外膜炎といって、心臓自体、もしくは心臓を覆っている膜に炎症が起きるという副反応が世界で報道されています。

青年から壮年の男性に多く、8割弱ぐらいが男性といわれていまして、ワクチンを接種して数日以内、多くは2回目の後なんですが、頻度としては10万人あたり1~2人といわれています。

かなり稀な副反応ではあるのですが、こうした心臓に関係するような副反応も報告されています。

大半は現状の医療で対応が可能、症状が出てから経過観察を行うことで対応できる程度の副反応です。そういった副反応があると知った上で注意をしましょう。

アストラゼネカの副反応

アストラゼネカ製のワクチンは、血栓、つまり血液の中に血が固まったもので詰まってしまう副反応が、稀ですが報告されています。その頻度は、10万人あたり1~2人程度と言われています。

大切なのは、ワクチンを打つリスクの情報をきちっと取っていただくこと。
もう1つは、ワクチンを打たない、ワクチンを待つということに関するリスク。
この2つのリスクを天秤にかけていただく必要があります。

ワクチンを打たないリスク

打たない、つまり待つリスクというのは、どういうものかというと、例えば感染をしてしまう、その後、重症化して入院したり、命に関わるような状況になってしまう。

また、感染した後に、若い方や軽症な方ほど後遺症に悩むといわれていて、味覚障害や倦怠感、記憶障害や何となくだるいというような症状が、なんと半年以上も5割以上が続いてしまうという研究結果もあります。

新型コロナに感染して死亡するかどうかという致死率だけのディスカッションではなく、新型コロナに仮に感染してしまった後に、何が自分に待ち受けている可能性があるのかというリスク、これも考えた上で自分にとってどちらがメリットがあるのかという判断をしていただく必要があります。