佐賀・武雄市から有明海に注ぐ六角川。8月14日、氾濫が発生。川の水は街へ流出しました。

広範囲に及んだ浸水の被害は、どのように広がっていったのでしょうか?

めざまし8は、市内に設置されていた4台の定点カメラ映像の提供を受けました。そこには、茶色い水が迫り、あっという間に浸水する一部始終が映し出されています。

提供:カーコレクション コバヤシ
提供:カーコレクション コバヤシ
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これは、武雄市にある自動車販売店の防犯カメラ映像です。

14日午前0時ごろ、画面奥が波打っているように見えます。夜が明けて午前7時ごろになると、画面奥に映っていたショッピングセンターの駐車場は、水に浸かってしまっていました。

この時間の雨雲レーダーを見てみると、この付近には、線状降水帯が発生。途切れることのない雨で、水位が上昇していくのがわかります。

自動車販売店の代表:
どんどんどんどん水かさが上がってきてですね、これはいかんということで、それからは本当、もう一瞬で増えてきたので、もう逃げる暇もないぐらいひどかったですね

水かさが上がるスピードは「一瞬」と表現します。

14日午前4時 提供:中山鉄工所 
14日午前4時 提供:中山鉄工所 

こちらも、14日未明の武雄市内の映像。

建物の裏口のカメラには、画面奥の道路が冠水している様子が映し出されています。水をせき止めるパネルはあるものの、みるみるうちに水かさが増します。パネルはほとんど見えなくなってしまいました。

午前7時ごろになるとパネルを乗り越えて、大量の水が敷地内に流れ込んできました。

さらに、その約2時間後、1階ロビーも、あっという間に浸水。ソファは完全に水没し、水は膝上あたりにまで達していました。

14日午前6時半ごろ 提供:中山鉄工所
14日午前6時半ごろ 提供:中山鉄工所

この日の午前2時、武雄市周辺では、1時間に67.0ミリの滝のような雨を観測。

浸水を防御するために手段を講じていても、それを乗り越えて襲ってくる脅威的な水かさ。定点カメラがとらえていたのは、午前4時から正午の様子。半日もかからず風景は一変してしまったのです。

提供:中山鉄工所
提供:中山鉄工所

六角川の「氾濫発生情報」が出たのは、14日午前7時。すでに暗いうちから、街にも水が流れ込み、朝から一気に浸水していったようです。

2年前にも豪雨の被害にあっていた経験からか、予め避難できた人もいて、今回の水害による死者はここでは出ていません。しかし、浸水による被害は甚大なものになっています。

冠水の影響は、街のインフラにも…

ーー何時頃から停電してる?​

佐賀・武雄市の住民:
10時くらいだったと思います

ーー復旧の見込みの連絡とかは?

佐賀・武雄市の住民:
全然…

国土地理院が、SNSに投稿された画像などから推定した浸水の範囲は約4平方キロメートル。これは、東京ディズニーランド約8個分に相当する広さです。

流域の各地で撮られた映像を見てみると、町が濁流に覆われた様子が映されています。国道上が、まるで海のようになっています。

17日にかけて、再び激しい雨も予想されていて、復旧と同時に新たな被害を防ぐという難しい両立を迫られています。

(「めざまし8」8月16日放送より)