2021年の夏休みも休園を余儀なくされている、全国の動物園や水族館。従業員たちはやるせない思いを抱えている。

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日立市かみね動物園・生江信孝園長:
今回で休園は3回目になるんですけれども、本当に夏休みの一番ピークの時に休園したということで。夏は結構、動物たちも外にみんな出ていますので、そういった姿見てもらいたかったですね

そこで、休園中の動物園と水族館にご協力いただき、お休み中の動物たちのカワイイ姿を大公開!

夏ならではの貴重な姿など、休園中の動物たちの今しか見られない映像をたっぷりとお届けする。

ブサかわいい!? ヤクシマザルの赤ちゃん

まずは、6月から一時期を除いて休園が長引き、8月15日まで休園予定の「沖縄こどもの国」。

琉球諸島に生息する貴重な生き物たちを間近で観察することができる。

ここで今、見てもらいたい動物は?

沖縄こどもの国 広報・金尾由恵さん:
休園中に生まれた赤ちゃんたちがいますので、そちらを見ていただきたいなと思っています。ヤクシマザルと言いまして、鹿児島県の屋久島、琉球列島の1つの島に住んでいるお猿さんです

7月24日と28日に生まれたばかりだという、超貴重なヤクシマザルの赤ちゃん。ニホンザルの亜種だが、小柄でずんぐりしていて体毛が長いのが特徴。

毎日、間近で見ている飼育員さんによると…

ヤクシマルザル飼育担当・中村智映さん:
個人的になんですけど、生まれたてはちょっとブスなんですよ。ブサカワのときが一番カワイイなと思います。結構すぐ大きくなっちゃう。カワイイ時期は短いので、できれば見ていただきたかったです

そんなヤクシマザルの赤ちゃんの最新映像がこちら。

今は毛の色が黒っぽいが、半年ほどすると大人と同じような色に変化していくので、このカワイイ姿は今だけ。

20年ぶりにマナティーが誕生!野菜に興味津々

続いては、8月15日まで休園予定の「沖縄美ら海水族館」。

休館中、美ら海水族館では20年ぶり、国内で3例目という超貴重なマナティーの赤ちゃんが産まれた。

沖縄美ら島財団 水族館管理部 海獣課・河津勲課長:
6月16日なんですけれども、マナティーが産まれました

沖縄美ら島財団 水族館管理部 海獣課・河津勲課長:
最近はいろいろな行動をしてくれると言いますか。例えば、お母さんがクルクルと回るようなしぐさをしているのをマネして、自分もクルクルと回ってみたりとか

8月6日に撮影された最新の映像には、生まれて約2カ月でいろいろなものに興味が出てきているという赤ちゃんマナティーが映っている。

沖縄美ら島財団 水族館管理部 海獣課・河津勲課長:
お母さんにあげている野菜類ですね。そういったものをハムハムして、食べる準備をしているという状況です

今後、安定してエサを食べられるようになれば、一般公開もできるという。(※マナティー館は育児が安定するまで当面の間、休館予定)

シャンプーで暑さも吹き飛ぶ?話題のモルモット

こちらは、茨城にある「日立市かみね動物園」(8月31日まで休園予定)。

園内の動物たちの様子は…

日立市かみね動物園・生江信孝園長:
こちらがモルモットですね。今日もこれだけ暑いと、ちょっと日陰の中に入っちゃいますね

8月6日の日立市の最高気温は約30℃で、動物たちもうだるような暑さ。

そんな中、話題になっているのが…手足をピーンと伸ばし、じっとして気持ちよさそうにシャンプーされている、長毛種のモルモット「かず」くん。とってもおとなしい性格だという。

日立市かみね動物園・生江信孝園長:
いつもやっているわけではなくて、たまたま毛の長いモルモットの汚れがひどかったので、それでシャンプーしてあげた。動物のことも考えながらやっています

活発な動物たちを見られる「ナイトズー」が中止

一方、横浜市にある「野毛山動物園」は感染対策をして営業中。

この夏休み、2年ぶりに開催予定だった人気イベント「ナイトズー」が中止になってしまった。

暑さが苦手で昼は屋内にいるレッサーパンダも、夕方になると活発に動き回るなど、普段は見ることができない夏の夜の動物たちの姿。

2022年は見られるようになることを願うばかりだ。

満面の笑み…ヒツジの“奇跡の1枚”

さらに、兵庫県にある「淡路ファームパーク・イングランドの丘」も感染対策をしながら営業中。

こちらにいるヒツジの「もめん」ちゃん(メス、3歳)。

インドア派だというもめんちゃんの超カワイイ、奇跡の1枚がこちら!思わずこちらも笑顔になる満面の笑みを捉えた写真だ。

どんな瞬間を撮影したものなのか?

ヒツジ担当飼育員・細井未希さん:
フレーメン反応という、ニオイを嗅いだときに「このニオイはどういうニオイなんだろう?」「誰のニオイなんだろう?」という情報を探しているような感じで。本当にタイミングが合ったときにしか見られないですね

看板を背負って歩くカニ

そして、大阪・吹田市の「生きているミュージアム ニフレル」(感染対策をしながら営業中)では…

ココ調スタッフ:
え~!このカニ、看板のようなものを背負っています。これ重くないんですかね?

こちらは、貝殻をかぶって貝にカムフラージュする「カイカムリ」というカニの仲間。

水槽の中には貝も入っているのだが、なぜか7月から突然、水槽の中にあった生き物の種名を書いた看板を背負い始めたそうだ。

大きくて背負いにくそうだが、カイカムリにとってはなんのその、看板を背負ったまま壁をのぼることもできる。

体重計に乗れない…ぽっちゃりアザラシ

続いては、福島・いわき市の水族館「アクアマリンふくしま」(8月31日まで休館予定)。

2021年3月23日に生まれたのが、ゴマフアザラシの「だいふく」くん(オス)。その超カワイイ映像がこちら。

獣医師・平治隆さん:
頑張れ!頑張れ!そのくらい上がれるだろう。段差ぐらい頼むよ。えっ、登れないの!?

頑張っても頑張っても体重計に登れない、だいふくくんが映っていた。一体なぜなのか?

獣医師・平治隆さん:
今まで生まれた子の中でも、ぽっちゃりめな子なんですよね

この映像が撮影されたのは2021年5月の生後2カ月ごろで、一般的な赤ちゃんの体重が40kgに対して、だいふくくんの体重は48kg。

ちょうど離乳の時期で母乳とエサの魚の両方を口にしていたため、ちょっとぽっちゃり気味だった。

そして、8月6日に撮影された最新のだいふくくん(生後約5カ月)は、離乳して魚だけを食べるようになり、今は無事に体重計に乗れるようになった

そして、体重も39kgに。減量に成功してすっかりスリムになった。だいふくくんは今日も元気にごはんを食べて、お客さんが来てくれる日を待っている。

夏限定のイルカショーが中止に…ペンギンはお散歩の練習

そして、石川県にある「のとじま水族館」(8月31日まで休館予定)。

約3カ月かけて練習したという夏休みのための特別なイルカショーは、休館のためわずか2週間ほどで中止になった。

イルカトレーナー・新治奈々花さん:
季節によって、のとじま水族館ではショーを変えています。イルカショーとかも夏限定のショーをしていたので

イルカトレーナー・新治奈々花さん:
日々トレーニングをして、イルカたちも頑張ってきたので、休館はとても悔しいですし、お客さんにたくさん見てほしかったなという思いがありますので、残念です

イルカたちは現在、ショーの再開に向けて毎日練習を続けているという。

さらに、2021年1月と2月に生まれたペンギンの赤ちゃんたちもお散歩の練習中。ぐんぐん上達していて、お客さんと一緒に散歩できる日を楽しみにしている。

今回取材した飼育員さんたちによると、お客さんがいないと動物たちはいつもよりさみしく感じるそうで、おもちゃを増やすなどして楽しませる工夫をしているということだった。

(「めざましテレビ」8月11日放送分より)