都市部と地方部に2つの拠点を持ち、定期的に行き来するライフスタイル「二拠点生活」。リモートワークが進むことで身近になりつつあるこの暮らし方に、驚きのスタイルが登場した。

アプリで3日前までに申請 外泊1日につき6000円値引き

東京・渋谷駅から徒歩3分。6月25日に誕生したばかりの10階建ての賃貸マンション「リレントレジデンス渋谷」。

実はここに“二拠点生活者”をターゲットにした部屋があるという。

この記事の画像(13枚)

入居者の1人、濵田将彰さん(33)のお宅にお邪魔した。

部屋は広々としたオシャレなワンルームタイプ(約37㎡)で、家賃は19万9000円(共益費・光熱費・Wi-Fi使用料別)。

田将彰さん:
渋谷と千葉県の南房総で二拠点生活をしていて、ここ面白そうだなと思って借りました。


システムエンジニアの濱田さんは、コロナ禍でリモートワークが本格化したことをきっかけに、千葉・南房総市の古民家でDIYを楽しみながら、都会と田舎を行き来する二拠点生活をしている。

そんな濱田さんは、この部屋を見つけたとき即契約を決断。いったいどんな魅力があったのか?

田将彰さん:
1日(部屋に)いないごとに、家賃が元々の金額から6000円割り引かれるというシステムがあって。

なんと、“外泊すると家賃が下がる賃貸マンション”なのだ。

アプリで外泊の3日前までに申請すれば、1カ月の家賃19万9000円から外泊1日につき6000円の値引きができる。しかも、最大で15日間分。

緑色が外泊(割引対象)
緑色が外泊(割引対象)

田将彰さん:
今月の場合は、15日×6000円で9万円の値引き。柔軟に(家賃を)変えられるというのは、ありがたいことだと思います。


さらに家具や家電、食器に至るまですべてが備え付け。初期費用が抑えられることも魅力だという。

部屋中に暗証番号付きのカギ…外泊中はホテルとして貸し出し

そもそも、なぜ家賃を下げることができるのか?部屋の中をよく見てみると…

スタッフ:
冷蔵庫にカギが付いているんですね?3段中2段。ベッドの下にもカギが付いた収納が3つも!

冷蔵庫や収納はカギだらけ。靴箱やクローゼットにも、すべて暗証番号付きのカギが付けられている。

――なぜ、カギが付いている?

田将彰さん:
ホテルとして使われたとき、私物が使われるのは良くないので、カギがかかって開かないようになってますね。

賃貸マンションからホテルへ。外泊時にホテルとして貸し出すことで、家賃の値下げを可能にしているのだ。

ホテルとなれば当然、清掃業者によるベッドメイキングも。

――掃除することは多いですか?

清掃業者:

多いですね。毎日やります。

入居者が外泊中にきれいなベッドが完成した。さらにトイレや台所など、汚れを落としたらホテルの一室として使われる。

二拠点生活者用の部屋は全部で6室あるが、すぐに満室となり、今も問い合わせが続いているという。マンションを経営する東急は、今後についてこう話す。

東急 沿線開発事業部 小池和希さん:
正直、大きな反響にびっくりしました。このようなスタイルの住宅をどんどん増やしたいと思っています。具体的には都心だったり、当社の沿線で広げていきたい。

交通費の補助や子育て家族にうれしい支援も

梅津弥英子キャスター:
自分が留守にしている間に家賃が減っていくんです。

加藤綾子キャスター:
1日6000円ってすごいですよね。大きいですよね。

梅津弥英子キャスター:
結構人気になっているということなんですけど、この二拠点生活に関しては自治体から補助や支援もあるんです。

例えば、群馬県みなかみ町では、移住前に下見がしたいという人にはレンタカーの補助(1日3000円 最大3日間)が出たり、移住後は交通費。新幹線通勤でも乗車券の3分の2を補助(最大月3万円を3年間)してくれるというんです。

梅津弥英子キャスター:
さらに、子どもの学校があるから難しいという人も多いかもしれませんが、こんな仕組みもあります。徳島県や長野県塩尻市では、今住んでいる場所に住民票を置いたままでも、この地域で学校の授業に参加できる。元の学校では出席扱いになり、教科書は無償的供されるということです。

ジャーナリスト 柳澤秀夫氏:
働き方改革が1つのベースになっていると思うんですが、暮らし方改革、そして人生改革かもしれませんね。

加藤綾子キャスター:
全部つながってますね。

(「イット!」7月19日放送分より)