広島県内に「緊急安全確保」が発令された7月8日を中心に降り続いた大雨の影響で、3年前の西日本豪雨で被害を受けた竹原市の老舗酒蔵が再び被害を受け、懸命の復旧作業に追われている。
短時間の大雨で川が氾濫…酒蔵浸水
藤井酒造 藤井善文社長:
もうなんて言うんですかね。3年前のことが頭をよぎるので悪夢を見ているような感じですね…

落胆の声を漏らすのは、藤井酒造の藤井善文社長。竹原市本町にある藤井酒造は、創業158年の老舗の酒蔵。
県内に降り続いた大雨で竹原市中心部を流れる本川が氾濫、酒蔵のそばにある水路も溢れ、あっという間に浸水したという。

藤井酒造 藤井善文社長:
きのうは完全に不意打ちだったので、ポンプとか機械も浸かった感じです

今回の特徴は、予測の難しさと短時間で降り注いだ雨量の多さだという。

藤井酒造 藤井善文社長:
(浸水の)電話があったのが6時半くらいで「これはやばいぞ」と。実際にここまで浸水したのは午前中か8時、9時くらいだったかな。相当早かった

浸水の水位は3年前より3cmほど高く、高いところでは1mにも及んだ。

西日本豪雨では5600本が廃棄に
3年前の西日本豪雨でも同じような被害を受け、今回もその被害は甚大。
藤井酒造 藤井善文社長:
まだまだ本数はありますけど、3年前は5600本廃棄にしました

――3年前と同じくらいになる?
藤井酒造 藤井善文社長:
なりそうですね…中は大丈夫なんですけど、ふたの縁に(泥が)入るんですね。もったいないですけど、しょうがないです

3年前の被害を上回る約6000本が廃棄となる。教訓を生かした対策が急がれる一方、自然の脅威は絶えず想定を超えるという。
藤井酒造 藤井善文社長:
大事なものは上げていく。2階に上げていったり、それから少し高いところに台を作ったり、まあ、それを越えてますから仕方ないですね

しかし、繰り返される被害に対応するため地域に新たな輪ができた。今回も酒造会社やボランティアの人が駆け付け、復旧に向けて動いている。

藤井酒造 藤井善文社長:
得意先のほうから「応援するから酒送ってくれ」って、どんどん注文が来ているので、できる限り早く対応したいと思っているんです。このままいけばなんとか出荷が戻るのかなと思っています
(テレビ新広島)