無罪主張もDNA鑑定が決め手に…2008年に死刑執行
1992年に福岡県飯塚市で小学生の女の子2人が殺害された、いわゆる「飯塚事件」。
久間三千年元死刑囚(当時70)の家族が、新たな目撃証言を証拠として2度目の再審、裁判のやり直しの請求を福岡地裁に求めた。

1992年2月20日、飯塚市で同じ小学校に通う1年生の女の子2人が登校中に行方不明となり、その翌日、甘木市の雑木林で遺体となって見つかった。

警察は発生から2年後の1994年9月23日、当時、導入されたばかりのDNA鑑定を決め手に、殺害された女児2人と同じ校区に住む、久間元死刑囚を逮捕した。
久間元死刑囚は無罪を主張していたが、1審、2審ともに死刑を言い渡され、2006年に最高裁で死刑が確定。

そして、2008年10月――
森英介法相(当時):
本日、久間三千年の死刑を執行しました

「無罪言い渡すべき明らかな証拠」家族が2度目の再審請求
久間元死刑囚の家族は、2009年に当時のDNA鑑定は信用できないなどとして再審を請求していたが、地裁、高裁に続き、2021年4月に最高裁がこれを退けた。

2021年7月9日、家族と弁護団は、福岡地裁に2度目の再審請求の申し立てを行った。

今回、弁護団が新たな証拠としたのは「久間元死刑囚とは違う男が、女の子2人と一緒にいるのを見た」という目撃証言だ。

目撃証人(弁護団会見より):
(男は)髪はとにかく短くて色白で、軽自動車のワンボックスですね。うれしそうな顔してない、うらさみしい女の子ですね
弁護団は、DNA鑑定で元死刑囚の型が検出されなかったことは、犯人でないことを示しているとした上で、新証拠の目撃証言は「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」としている。
(テレビ西日本)