後任は側近のアンディ・ジャシー氏

アメリカのネット通販大手・アマゾンを1994年に創業したジェフ・ベゾス氏(57)が5日、CEO(最高経営責任者)を退任した。

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ベゾス氏は、アマゾンを時価総額およそ190兆円相当の巨大企業に育て、フォーブスの長者番付では4年連続で首位となっている。

後任には、創業の3年後からアマゾンで勤務し、ベゾス氏の側近で知られるアンディ・ジャシー氏(53)が就任した。

ベゾス氏は今後、宇宙事業に力を入れるとみられ、7月20日にはベゾス氏自身が宇宙旅行に出発する計画。

「失敗を恐れない経営」を継承できるか

三田友梨佳キャスター:
このニュースについて、IoTNEWS代表の小泉耕二さんに聞きます。
トップの交代でアマゾンの経営に変化はあるのでしょうか?

IoTNEWS代表・小泉耕二氏:
後継者のアンディ・ジャシー氏がアマゾンの強さの源泉でもある、「失敗を恐れない経営」を続けるかに注目しています。

アマゾンはかなり成功しているように見えますが、実は失敗もたくさんしています。例えば、創業当時、eBayというオークションサイトに対抗してアマゾンオークションというサイトを始めていますが、競争に負けて撤退しています。

ほかにもブログを書くサービスだとか、クーポンやサンプルを配布するサービスなど、やってみたけどダメだったというサービスは意外に多いんです。

しかし、アマゾンマーケットプレイスだとか、アマゾンプライムといった一度は失敗したけど2度目のチャレンジで成功しているサービスもいくつもあります。

三田キャスター:
失敗からの学びが今のアマゾンを作ったわけですね。

IoTNEWS代表・小泉耕二氏:
アマゾンには「still Day One」という重要なキーワードがあります。
これは「毎日がはじまりの日」という意味で、「今日という日は新しいチャレンジをはじめる日」という考え方です。

最近、不確実な時代といわれて久しいですが、こういう時代だからこそ上手く行かないのは当たり前なので、まずはやってみることが重要だと思います。

経営者が変わることと、成長の関係性ですが、創業者がトップを続けているフェイスブックを除いてGAFAと呼ばれる巨大IT企業は後継者にバトンタッチしても成長を維持しています。

この背景には、グーグルはグーグルらしさといった後継者がその企業らしさ、創業者の考えを引き継いでいるからだと思います。

労働問題や独占禁止法な様々など問題を抱えた巨大IT企業となったアマゾンを引き継ぐこととなったアンディ・ジャシー氏がアマゾンらしさを引き継ぎつつ、どう成長させるのか、その経営手腕が問われると思います。

三田キャスター:
アメリカでは巨大IT企業に対して厳しい目が注がれる中、ベゾス氏が築いてきたアマゾンをどう守るのか。あるいは変えていくのか、今後の動向が注目されます。

(「Live News α」7月6日放送分)