ペットの抜け毛 捨てずに有効活用?

14日、北陸地方の梅雨明けが発表されるなど夏本番までもうすぐだが、ペットを飼っている人なら、毎日のブラッシングが大変な時期が現在も続いていることだろう。

ペットたちがいわゆる“夏毛”に生え替わる時期、いくらブラッシングをしても抜けるふわふわの毛に「これを何かに使えないものだろうか…」と考えたことのある飼い主さんは多いのではないだろうか。

そんな飼い主さんたち必見。ペットたちの"抜け毛"から糸を作ってくれる「SPINNING MEMORIES」というサービス(プロジェクト)が登場した。

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このサービスを展開しているのは、「いぬのけテキスタイル」を運営するCAFUNE'。

「テキスタイル」とは広義に「布」「生地」などを指し、「いぬのけテキスタイル」はその名の通り、ブラッシングなどで出た「いぬのけ(犬の毛)」を専用バッグに詰めて送ることで、ブランケットやマフラー、セーターなどの製品に加工してくれるサービスだ。

この「いぬのけテキスタイル」が新しく打ち出したのが「SPINNING MEMORIES」。犬だけでなく猫やうさぎ・フェレット・モルモットといったペットの“抜け毛100%”から糸を紡ぎ、フォトブック型の専用パッケージに入れて届けてくれる、というものだ。

作られる糸は、もちろんペットそれぞれで違った色合いになる。

たとえば、茶色と白の毛並みの秋田犬からは、茶色と白が混ざり合った、ふわふわの糸が作られるなど、しっかりと“うちの子”を感じられる仕上がりとなっている。

こちらのモデルは秋田犬の「将」くん

「SPINNING MEMORIES」は1点5,500円(税込・送料込)。

たとえば、子犬ならではの細くふわふわな毛を糸にしておけば、いずれ成長したときに「こんな時期があったね」と話が弾むことだろう。

フォトブック型のケースはそのまま飾って眺めているだけでも楽しそうだが、「いぬのけテキスタイル」では、ペットの抜け毛からブランケットやマフラーを作ってくれるサービスを展開している。

なぜ今「糸」を作るサービスに乗り出したのだろうか?また、記念品として飾っておく以外に、どんな使い方ができるのだろうか。

「いぬのけテキスタイル」の唐木代表にお話を聞いてみた。

約3グラムの抜け毛で作れる

――「いぬのけテキスタイル」を立ち上げたきっかけは?

私自身、子供の頃から家族の一員として「チロ」という日本犬のミックスと共に過ごしてきました。

換毛期(毛の生え変わりの時期)になると大量の「いぬのけ」が抜けるため、シーズンになるとブラッシングに一苦労でした。当時、この大量の抜け毛を何かに活かすことはできないものかな…と考えながら作業をしていたことを良く覚えています。

ある日、何気ない会話からそんな記憶がふと蘇り「いぬのけから糸を紡ぎ、ブランケットを作れないものかな?」と閃きました。チロの毛は残念ながら手元には残っていませんでしたが、あのちょっぴりチクチクして、ふわふわで優しい手ざわりをいつまでも楽しむことができたら何て素敵なんだろうと思いました。

自らが繊維産業に携わっていたこともあり、すぐに形にしてみたいと思い立ち、「いぬのけテキスタイル」プロジェクトを立ち上げました。


――どうやって「抜け毛」から糸や布を作るの?

おおまかに、以下の手順で糸〜テキスタイル製品へと仕上げます。

(1)専用の洗剤を使って、優しく手洗いで洗浄
(2)手でほぐした後、乾燥工程
(3)カーディング(編集部注:不純物を取り除いて、繊維の方向を揃える工程)
(4)糸紡ぎ
(5)糸への後処理・編むための前処理
(6)編成工程(機械を使って編む工程)
(7)後加工(この工程を経てさらにフワフワになります)
(8)スチームによるセット工程
(9)検品、タグ付け
(10)梱包、発送

――では、新たに「糸」を作るプロジェクトを立ち上げたのはなぜ?

これまでのプロダクトはある程度の抜け毛の量が必要で、基本的にはカット毛には対応できておりませんでした。

そこで抜け毛の少ない犬種や、すでに手元に限られた量の抜け毛しか残っていない等のご要望にもお応えできるように、少量で作製できるプロダクトを開発しました。トリミング毛でも、新プロダクトでは対応しています。また持ち運んだり、遠くに離れて住む家族へのプレゼント等にも適していると思いました。

また年齢と共に毛質が変わっていくのですが、子犬期のとっても柔らかな手ざわり、成犬からシニア期と、年齢によって変化する手ざわりを比べてみても素敵だと思いました。


――少ない毛でも作れるというのがポイント?

シングルコートのわんちゃんの場合、ほとんど毛が抜けないため、各種テキスタイル製品に必要な毛量をブラッシングのみで集めていただくのはかなり大変です。その点「SPINNING MEMORIES」であれば、約3グラムの毛で作製ができます。

また、トリミング毛にも対応しております(繊維の状態等によっては、トリミング毛の場合は100%で紡ぐことが難しいケースもあります)。これにより、ほとんど毛の抜けないわんちゃん等にも対応できるようになりました。

ゴールデンレトリバーの「ちゃー助」くんから作ったマフラー(引用:「いぬのけテキスタイル」公式サイト)

――どのくらいの抜け毛から、どのくらいの糸が作れる?

規定量は約3グラム程度で、片手にふんわりと乗るくらいの量となります。長さは付属の糸巻き台紙に2周分程度の糸を紡ぐことができます。ただし犬種、毛質等によって個体差が生じます。


唐木代表によると、「いぬのけテキスタイル」でセーター1枚を作るためには48×34cmの袋2つ分など、たっぷりの抜け毛が必要なのだという。

たとえばトイ・プードルなどの体毛が1層の構造をしている「シングルコート」の犬は抜け毛が少なく、製品化できるだけの抜け毛を集めることが難しかった。しかし「SPINNING MEMORIES」は3gの毛でも作れるため、なかなか抜け毛が集まらない!というペットたちでも注文することができるようになったのだ。

必要な「3グラム」はこれくらいの量

「いぬのけ100%」にこだわり…手編み用としては不十分な場合も

飼い主さんからすれば「セーターは無理でも、これなら…」と作りやすくなった「SPINNING MEMORIES」だが、完成した糸は「糸巻き台紙2周分程度」ということで、この糸を素材にして何かを作るというのには短い気もする。手編みのマフラーなどにちょっと編み込むことなどはできそうだが、どう使うのがいいのだろうかについても聞いてみた。


――作ってもらった糸はどう使える?

手編みのマフラーの一部に編み込むというアイデアは素敵ですね!そういった使い方も可能だと思います。ただし一般的なウール糸等と比べるとどうしても強度が落ちますので、その点は注意が必要です。

また「糸のみ」のご注文をいただくこともございまして、条件によっては現在もお受けしております。ただし私たちは基本的に「いぬのけ100%」にこだわっておりまして、その半面、手編み用の糸としては強度等の面で不十分な場合もあると思います(犬種によっては強度面も全く問題ないこともあります)。

なおウール原毛等を必要に応じて少し混ぜたりしながら、犬や猫の毛から手編み用の糸を作るサービスに特化していらっしゃるサービスもあるようです。手編みをされたいという方は、そういったサービスをご利用されても良いかもしれません。

「SPINNING MEMORIES」で作った糸を素材にしてハンドメイド作品を作ること、また糸のみの注文も場合によっては可能だというが、一点注意したいのがその強度。

「いぬのけ100%」で作られた糸はふわふわで繊細な仕上がりになる半面、日常的な着用・使用には向かないため、公式サイトでも紹介されている

・「うちのこ」を、 いつでも近くに感じていたい
・生まれ持った愛らしい色合い・風合いをいつまでも楽しみたい
・子犬や子猫の時期ならではの、 柔らかでふわふわな毛を記念に残しておきたい
・健やかな成長への願いを込めた記念品として


という、手元で大切に飾ったり、眺めたりといった楽しみ方がベストだろう。

写真を入れておくこともできる

――製品を作る上で、最もこだわった点はどこ?

作り手としての表現や主張はあえて抑え、わんちゃんそのものの魅力や個性を、美しく均一な編目で構成される「テキスタイル」の形で表現したいと考えています。

いぬのけの性質を見極め、それぞれに合わせた条件を探りながら毎回糸を紡ぎ、生まれ持った美しい毛色や風合いを最大限に引き出せるようにブランケットやマフラー等へと仕上げています。


――ぜひやってみたい!という人へメッセージを…

いぬのけを集めるための「いぬのけ収穫バッグ」は、送料含めて無料にてお手配させていただいております。まずはお気軽に収穫バッグをお申し込みいただき、日々のブラッシングで抜ける「いぬのけ」の収穫を楽しんでいただけたら嬉しい限りです!

毛質によってはちょっぴりチクチクしたり、驚くほど艶やかであったり、いぬのけ100%ならではの魅力を楽しんでいただけたら幸いです。


「SPINNING MEMORIES」は6月28日から、千葉県柏市の「a la mode with KASHIWANOHA T-SITE店」で先行販売がスタートした。トリミングがセットになった「トリミングコース」と、自分で集めた毛を郵送する「自分で収穫コース」が選べる。また、冬頃にはウェブサイトでも販売開始を予定しているという。

大切な家族の一員であるペット。写真や動画にその姿を収めているという人は多いだろうが、手で触って楽しめるこんな新しい記念品を作ってみるのはいかがだろうか。

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