静岡・熱海市で懸命の捜索活動が続くなか、新たに男女3人が救出された。このうち高齢の夫婦2人は無事だという。

熱海市によると、この夫婦2人にケガはなく避難所に入った。もう1人は心肺停止の状態で見つかっているという。

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7月5日現在、新幹線の高架などで土砂がせき止められた地点5カ所で、重点的に捜索が進められていた。

熱海市の土石流で死者4名 避難者の安否、健康確認を進める

静岡・熱海市での捜索活動は、1000人体制で行われている。

FNN取材団 蓮見直樹リポーター:
依然としてものすごい勢いで水が流れているのが確認できます。踏ん張りながら警察、消防による捜索活動が続けられています。

静岡県熱海市で発生した大規模な土石流。
現場は今も土砂とがれきに覆われたまま。

熱海市によると、倒壊した家屋から助け出された重症の女性が7月4日、搬送先の病院で死亡。

また5日午後1時ごろ、県警などが性別がわからない1人を新幹線の線路の山側で発見し、現地で死亡が確認された。土砂災害による死者は、4人となった。

FNN取材団 中嶋将貴リポーター:
土石流の発生から3日目となりました。依然として崩れた住宅の脇を、茶色く濁った水が激しく流れ出ています。

土石流が発生した地区の住民約500人は、7月4日から2カ所のホテルに移動し、避難生活を送っている。

避難した人:
これ以上雨が降ったら怖いなと。不安な夜でしたね、きのうは。

熱海市は、避難者の身元確認や健康状態の把握を進めている。

また、市は正確な人数を把握するため、被災地域の住民基本台帳を基に一人一人の所在を確認。その結果、安否の確認ができていない人の数は80人(午後0時20分時点)となっている。

危険と隣り合わせの捜索 大規模土石流の原因は?

生存率が低下するといわれる発生から72時間が迫る中、捜索活動は二次災害の危険と隣り合わせ。極めて慎重に進められている。

FNN取材団 石竹爽馬リポーター
現場の状況の確認や市街地での救出活動の安全を確保するため、監視カメラが設置されています。

なぜ土石流は発生したのか?
静岡県の川勝知事はこう説明している。

静岡県 川勝平太知事:
盛り土部分がほぼ全て流されたということがわかった。

熱海市によると、土石流が発生した箇所は約15年前から宅地造成のために木が伐採され、盛り土されたエリア。10年前に別の会社が買い取り、木が植えられたが崩壊が起きた。

川勝知事は、盛り土の流出と土石流発生との因果関係を検証する方針を示している。

(「イット!」7月5日放送分より)