「コロナ禍で仕事のストレスが増えた」54%

コロナ禍で働き方が変わる中、あなたは仕事のストレスが増えただろうか。

人材サービス会社「エン・ジャパン」が行った調査では、「コロナ禍で仕事のストレスが増えた」という回答が54%に上ることが分かった。

エン・ジャパンは、2021年3月29日~5月26日にかけて、日本最大級の総合求人サイト「エン転職」を利用するユーザーを対象にインターネットで調査を行い、1万740人から回答を得た。

この調査で、「仕事で感じるストレスについて、コロナ禍前後で変化はありましたか?」を尋ねたところ、「コロナ禍で、仕事のストレスが増えた」という回答は54%に上った。

ストレスが増加したのは「販売・サービス系」「医療・福祉系」

職種別に見ると、「販売・サービス系(ファッション/フード/小売 他)」が61%、「専門サービス系(医療/福祉/教育/ブライダル 他)」が56%と、新型コロナウイルスの影響を大きく受けた、接客やエッセンシャルワーカーなどの職種でストレスが増加していることが分かる。

仕事で感じるストレスについて、コロナ禍前後で変化はありましたか?(提供:エン・ジャパン)
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具体的なコメントを見ると、「コロナ禍による業務量の増減」「クレームの増加」「感染リスクへの不安」など、職種ならではのストレスがうかがえる。

・飲食店勤務だったので、お客様の来店が激減した。「シフトに入れてもらうことができない」「出勤してもやることがない」など、かなりストレスが増えた。(23歳女性、販売・サービス系)

・サービス業なので、お客様にマスクの着用や手指消毒のお願いをする必要があり、お客様からのクレームが増えた。(26歳男性、販売・サービス系)

・仕事内容に変化はないのに、コロナの影響で会社の売り上げが落ち、賞与がなくなった。また、年間休日が10日減った。(27歳男性、専門職系)

・医療関係の仕事なので、患者さんの数が激増した。心に余裕のない患者さんも増え、不安な気持ちは理解できるが、「こちらに当たられても…」と感じてしまう。(33歳女性、専門サービス系)

・接客業のためマスクを着けていないお客様と話すことがあり、いつ感染してもおかしくない状態が1年以上続いている。(41歳男性、販売・サービス系)

続けて「現在、仕事上でどの程度ストレスを感じますか?」の質問には、43%が「強く感じる」と回答。

また、仕事でのストレスを「強く感じる」「感じる」と回答した人に「ストレスを感じるのはどのような点ですか?」と尋ねたところ、「職場の人間関係」(53%)が最多で、「仕事にやりがい・達成感がない」(45%)、「将来のキャリアが描けない」(41%)が続いた。

現在、仕事上でストレスを「強く感じる」「感じる」と回答した方へ伺います。ストレスを感じるのはどのような点ですか?(提供:エン・ジャパン)

今回の調査では、人と接する職種や、コロナで業績不振となったことなどでストレスが増えていることがうかがえる。

ストレスが減ったのは「クリエイティブ系」「エンジニア系」

一方で、「コロナ禍で、仕事のストレスが減った」という回答は、「クリエイティブ系(WEB・ゲーム制作/プランナー 他)」(20%)や「エンジニア系(IT/Web/ゲーム/通信)」(14%)の職種で多い結果となった。

具体的には、「リモートワークで通勤・対人関係のストレスから解放された」という声が多く寄せられたという。

・リモートワークで通勤時間がなくなり、睡眠時間が多く確保できるようになった。昼休みの1時間に運動もできるようになり、精神面・健康面においてプラスになった。(23歳男性、エンジニア系)

・リモートワークになり、自分のペースで仕事ができるようになった。(26歳男性、クリエイティブ系)

・口頭のやり取りが苦手なので、在宅勤務でメールでのやりとりが増えたことでストレスが減った。(27歳男性、専門職系)

・リモートワークで往復3時間の通勤時間がなくなったことで、時短勤務からフルタイム勤務に戻すことができた。(35歳女性、企画・事務・マーケティング・管理系)

・通勤のストレス、職場で人と関わらなければいけないストレスが減り、快適になった。(41歳女性、企画・事務・マーケティング・管理系)

コロナ禍で起きた、職種によって異なる仕事へのストレスの増減。

ストレスが増加したのは「販売・サービス系」「医療・福祉系」だが、これを軽減するためにはどうすればよいのか? 「エン・ジャパン」の担当者に話を聞いた。

リモートに対応できる職種かどうかがストレスに影響

――「コロナ禍で仕事のストレスが増えた人」は54%。そして職種によっては減った人もいる。この結果はどのように受け止めている?

コロナによってリモートワークが加速し、リモートワークに対応できる職種か否かが、仕事に対するストレスに影響を与えています。

また、企業ごとの取り組みで、感染リスクを抑える対策が取れているかなどが影響していると受け止めています。


――「販売・サービス系」「医療・福祉系」の職種でストレス増が顕著。この理由としてはどのようなことが考えられる?

新型コロナウイルスの感染リスクが高い職種であること、また、それに伴って、家族や知人などへの配慮が必要なことが背景にあると考えられます。

「医療・福祉」系については、新型コロナウイルス関連で患者が増えるなど、物理的に仕事の量が増加したことも要因の一つではないでしょうか。


――「販売・サービス系」「医療・福祉系」の職種で、ストレスを減らすためにはどうすればよい?

いずれも、感染リスクを最小限にとどめるための対応が求められるでしょう。「販売・サービス」系の職種では、非対面で接客が出来るWebツールを導入することも、一つの方法かと思います。

「医療・福祉」系の職種においては、自分がご家族に感染させるかもしれないという不安が、最もストレスが大きいかと思います。そういった不安を軽減する意味でも、社内で適切に自身のメンタル不安を相談できる体制の確保が必要です。

(画像はイメージ)

意図的に雑談を行うことを推奨

――ストレスを感じる点で最も多かった回答は「人間関係」。これはコロナが関係している?

「人間関係」に関する悩みは、コロナ禍以前の調査でも、仕事における悩みの上位に挙げられるものでした。そのため、リモートワークの影響を受けているわけではなく、多くの方がぶつかりやすい悩みと言えると考えます。


――ストレスが増えた職種の方が、転職を考えているという傾向はある?

はい。増加傾向にあります。


――コロナ禍でストレスを解消するのが難しいという声も耳にする。おすすめの 「コロナ禍のストレス解消法」は?

外出自粛が求められていることもあり、ストレスが溜まりやすいかと思います。当社でも在宅勤務を実施しており、社員の心身の健康維持は大切にしております。

当社では、自宅で簡単にできるストレッチやヨガのほか、意図的に雑談を行なって、良好な人間関係を保てるよう、ミーティング時の雑談タイムなどを推奨しております。


今回の調査で明らかになった、コロナ禍のストレスの変化。コロナ対応によって「販売・サービス」「医療・福祉」系職種のストレスが増える一方、「クリエイティブ系」「エンジニア系」の職種は、リモートワークの恩恵を受け、ストレスが減っている。ストレスが増えている職種の離職を防ぐためにも、メンタル不安を相談できる体制の確保を急いでほしい。

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