上位9品はマスクメイク

コロナ禍による長引くマスク生活で、女性のコスメ事情にもさらに変化が起きている。

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コスメと美容の総合サイト「@cosme」が6月10日、2021年上半期のベストコスメトップ10を発表した。

2020年は、化粧水が大賞を受賞。スキンケア商品が上位を占めるなど、ステイホームの影響が色濃く出ていた。

一方、2021年は、トップ10のうち、9商品がマスクでの悩み解消をアピールしたものだった。

フジテレビ経済部・奥山未季子
こちらのマスクにつきにくいリップをつけてみましたが、マスクを取ってみてみても、(マスクの)内側に色はほとんどついていません

マスクに付きにくいリップやBBクリームなどがランクイン。

パッケージにマスクをうたったコスメが相次いで発売となるなど、2021年はマスクメイクを訴求した商品が1.7倍に増加しているという。

来店客:
「マスクにつかない」が最優先。マスクを外したときにきれいな顔でいたい。なるべくマスクにつかないとか、蒸れでよれないとか、現状維持できる商品があればいいなと…

アイスタイルリサーチプランナー・西原羽衣子さん:
緊急事態宣言下なので、それだけ行動が制限されている中で、人から見られたときの自分を意識した商品選びをしているということは、視点が将来に向いている、マインドとしては前向きだと感じます。

新型コロナウイルスの影響で、化粧品の出荷金額は前年に比べ16%減少しており、業界ではメイクアップ事業から撤退を決める動きも出ている。

今後、化粧品メーカーは消費者のニーズに応じて素早く開発できるかが焦点になるとみられる。

コロナ禍で女性のメイク意識が2極化

三田友梨佳キャスター:
このニュースについて、マーケティングアナリストで化粧品の商品開発にも携わった経験のある渡辺広明さんに聞きます。今回のランキングをご覧になって、渡辺さんはどんなところに注目されましたか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
同じコロナ禍でも、2020年と違って化粧に対する女性の考え方が2極化しているんです。マスクをしているからメイクをしなくて楽でいいというのと、やっぱりしっかりメイクをしたいというので、2つに分かれているんです。ランキングを見ても、メイクに積極的な女性の消費動向が現れています。アイメイクはマスクで隠せないので、お金をかけてもしっかりメイクをしたいというところがあって、ランクインした商品も2020年は750円の単価だったところ、2021年は7000円と高額商品へシフトしているんです。コロナ禍で、旅行や外食にお金を使えない分、自分への投資としてお金を使う女性たちが増えているというのもあります。

三田キャスター:
確かにそうかもしれませんね。2020年から2021年にかけても違いがあるということですが、今後に向けてはどんな変化が出てくると思われますか?

渡辺広明氏:
実はコロナ禍で、男性の美意識がすごく上がっているんです。オンライン会議などで自分の顔を見る機会が増えているので、メンズコスメのスキンケアやメンズエステのひげ脱毛が大変売り上げが好調です。なので、アフターコロナでは、男性コスメに加えて、美意識の高い女性によるリップを中心とした見せる系のコスメのリベンジ消費が起こるのではないかなと予想されています。化粧品メーカーは、ブランドや販売チャネルなど、事業ごとに成長性・収益性をしっかり見極めて、アフターコロナに向けて方向性を決める必要性が今後あるのではないかと考えます。

三田キャスター:
確かに、マスク生活によってメイクをする頻度が減ったという方は多いと思いますが、メイクは気持ちを切り替えてくれたり、心にとってプラスに働きかける役割も大きいと思います。アフターコロナを見据えては、美容への意識の変化を新たなビジネスチャンスにできるかが問われているように思います。

(「Live News α」6月10日放送より)