韓国

戦前に強制労働させられたとして、日本企業に損害賠償を求めた、いわゆる徴用工訴訟。韓国人の訴えを退ける判決を言い渡した裁判官が、苛烈な個人攻撃を受けています。与党は「戦犯国の国益を優先した」「国民感情に合わない」と激高。次期大統領候補者も「日本政府の主張を踏襲している」と反発し、韓国メディアも「親日判決だ」と猛批判しました。

大統領府のホームページには、裁判官弾劾を求める請願が27万件以上殺到しています。日本企業に賠償を命じた最高裁判決の際には「司法を尊重すべき」との立場だった人達が、手のひらを返して裁判官を個人攻撃しています。「親日を許さない」という論理の前には、司法の独立など些末な問題のようです。

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米国・ワシントン

G7サミットに一番乗りしたアメリカのバイデン大統領。存在感を強める中国への危機感の裏返しとも言えそうです。

バイデン氏はイギリスに到着した最初の演説で国際社会へのカムバックを宣言。
「アメリカが国際社会に戻ってきたこと、そして世界の民主主義国が協力して、最も困難な課題に立ち向かう。」

中国を念頭に早速、民主主義国家の結束を訴えました。主要7カ国の首脳が2年ぶりに、顔をつきあわせて協議するのは、ウイルス対策から気候変動まで多岐にわたりますが、ここでも陰の主役は中国です。
予告通り、各国首脳が足並みをそろえて中国に強いメッセージを発信できるかがG7の焦点となります。

アメリカのバイデン大統領はG7サミットに一番乗り
アメリカのバイデン大統領はG7サミットに一番乗り

イギリス

G7=主要7カ国首脳会議の開催地となったイギリス南西部のコーンウォール地方。現地には、およそ6500人の警察官が導入され警備にあたっています。私たちの宿泊しているホテルでは早朝4時に爆発物騒動があり、宿泊者全員が警察の誘導で外に出されました。

駐車場に集められた宿泊者が不安そうに見守る中、警察が茂みを捜索するなど、一時は緊迫した空気に包まれました。2年ぶりの対面でのサミットとあって、感染対策も厳重です。メイン会場への入場は各国政府関係者も数名のみに制限され、私たち記者も、毎日抗原検査を受け、国際メディアセンターへの入場には、検査結果の提示が義務付けられています。

G7=主要7カ国首脳会議の開催地イギリス南西部のコーンウォール地方
G7=主要7カ国首脳会議の開催地イギリス南西部のコーンウォール地方

ロシア

ロシアの刑務所に収監中の反体制派指導者、アレクセイ・ナワリヌイ氏に「勇気賞」が贈られました。世界の20以上の人権団体が開催した「人権と民主主義のためのジュネーブ・サミット」。

団体は受賞理由として、プーチン政権の重大な人権侵害を告発したナワリヌイ氏の「並外れた勇気と英雄的な努力」を挙げ、その勇気を称えています。20歳になる愛娘のダリヤさんは、ビデオメッセージを寄せ、父親からの手紙を紹介しました。

ナワリヌイ氏の娘・ダリヤさん:
「父はこの賞をロシアとベラルーシの政治犯全員にささげると私に頼んだ」

また、「ロシアは自由で幸せになるべきだ。その日はきっと来ると固く信じている」と語り、父親とともに政権と戦い続ける姿勢を鮮明にしました。

ナワリヌイ氏と家族
ナワリヌイ氏と家族

 

米国・ロサンゼルス

ネバダ州ラスベガスに来ています。今日は平日ですが非常に多くの観光客でにぎわっています。そしてほとんどの人がマスクなしで楽しんでいます。

ラスベガスでは6月から経済規制が全面的に解除され、カジノやレストランなどの人数制限がなくなったほか、ワクチンを接種した人はマスクの着用義務もなくなりました。街には新型コロナウイルス以前の状態に戻ったかのような光景が広がっています。

また、数万人規模の大規模な展示会も、およそ15カ月ぶりに開催されました。展示会や商談会でラスベガスを訪れる人は年間660万人、その経済効果は1兆2千億円とされます。地域経済の柱である展示会の再開は、ラスベガス復活を象徴する大きな一歩となりました。

マスクなしでラスベガスの街を楽しむ人々
マスクなしでラスベガスの街を楽しむ人々

米国・ニューヨーク

18歳以上のおよそ6割がワクチンの接種を完了したニューヨークでは、ここ音楽とスポーツの聖地・マディソンスクエアガーデンで、1年3カ月ぶりに客席を満員にして、ロックバンドのコンサートが開かれます。

チケットはワクチン接種を終えた人のみに販売され、入場にはニューヨーク州が利用を促進しているワクチンパスポートなどの証明が必要です。ニューヨーク州では既に200万人がワクチンパスポートを取得する一方、反対の動きも広がっています。

フロリダ州では知事が「個人の自由を犯す」としてワクチンパスポートを禁止し、違反すれば1件につき最高およそ55万円の罰金を科す法案に署名しました。日本でも導入が検討されているワクチンパスポート。アメリカでは州によって対応が分かれています。

ニューヨーク州では既に200万人がワクチンパスポートを取得
ニューヨーク州では既に200万人がワクチンパスポートを取得

フランス

130年を超える歴史を持つこちらの建物、元は中央郵便局でしたが、装いも新たに生まれ変わりました。パリ中心部にあるこの建物は1880年代に建設され、2015年までは年中無休、24時間営業の中央郵便局として利用されてきました。

建物の改修を手がけたのはフランスを代表する建築家のドミニク・ペロー氏。開放感のある吹き抜けや、天窓から自然の光を最大限取り込み、反射させる魅力的なデザインが特徴です。

3階建ての建物には郵便局のほか、5つ星のホテルや飲食店、オフィスが入居し2021年冬以降に順次開業します。また屋上のテラスからはパリ市内が一望でき、新たな観光スポットとして話題を集めそうです。

元中央郵便局がホテルや飲食店、オフィスが入居するビルに生まれ変わり開業
元中央郵便局がホテルや飲食店、オフィスが入居するビルに生まれ変わり開業

中国・上海

中国の雲南省では野生のゾウが集落などを通りながら移動する騒動が起きていまして各地で農作物などへの被害が報告されています。

トウモロコシが育てられていたこちらの畑。農業用ハウスは跡形もなく壊され、収穫直前だったトウモロコシはゾウに食い荒らされてしまいました。ゾウの群れによる農作物などへの被害は、ここ1か月あまりだけで少なくとも1億円以上に上るとされ、民家の敷地内にゾウが侵入するケースも多発。こちらでは、玄関前などをゾウが動き回る様子が監視カメラに捉えられていました。

地元当局は目撃現場周辺での検問の他、ドローンを使ってゾウを追跡、ゾウ達が森の中で眠る様子も確認されました。生息地を離れ移動を続ける象、騒動が収束する兆しは見えていません。

森の中で眠るゾウたち
森の中で眠るゾウたち

北京・木村

こちらは北京市内にある試験会場前です。受験生はマスクを着用しています。中国各地で一斉に行われた大学入学試験、「高考(ガオガオ)」。「人生を決める一発勝負」とも言われる試験に臨む受験生は、会場での検温や消毒に加え、試験前14日間の健康モニタリングが必要となります。

また北京の試験会場では、新たに会場スタッフにワクチン接種を義務づけるなど、感染対策を強化して実施されました。
受験生:「スタッフがワクチンを受けているでしょう。感染対策は完璧です。プレッシャーはあるが全力を尽くします」 
受験生:「自信はあります」
保護者:「頑張って、頑張って」
コロナ禍でも加熱が続く中国の受験戦争。出願者数は前年より7万人多い1078万人で、過去最多を更新しました。

中国各地で一斉に行われた大学入学試験に臨む受験生
中国各地で一斉に行われた大学入学試験に臨む受験生

タイ

タイで人気のリゾート地プーケット。7月1日からワクチンを接種した外国人を隔離なしで受け入れる計画が進んでいて、その実現に注目が集まっています。プーケットでは、島民の7割を目標にワクチンの優先接種を続けていて、夏の観光再開を目指してきました。

プラユット首相は(6月8日)既に島民の6割以上が1回目の接種を終え、予定通り7月から外国人に島を開放できるとアピール。ワクチン接種済みの外国人客が島を訪問した場合、隔離なしで自由に行動でき、14日後には別の場所への移動も許されます。

タイ航空もすでにロンドンやパリなどヨーロッパの5都市と香港の間で、プーケット直行便の販売を始めています。観光が主要産業のタイでは、この取組への期待は大きく、10月以降は他の都市にも広げたい考えです。

島民の6割以上が1回目の接種を終えている
島民の6割以上が1回目の接種を終えている

トルコ

こちらのヨットハーバーの海面を覆っているのは「海の鼻水」と呼ばれる粘液で、今、マルマラ海で異常発生しているんです。ヨットハーバーの許可を得て、この棒をお借りしたので、これからすくってみます。ドロドロとした綿のようで、気持ち悪いですね。

「海の鼻水」の正体は、植物プランクトンが放出した、粘り気のある化合物。今回の大量発生は観測史上最大で、黒海やエーゲ海にまで及んでいます。原因は「適切に処理されずに流された廃水」と「気候変動による水温の上昇」だといいます。

水中スポーツ連盟委員 メフタブ・チフッチさん:
「海中はホラー映画のようだ。海底の粘液を除去するのはどんなに努力しても非常に困難だし、無理かもしれない」

海中の酸素不足を引き起こし、海洋生物の命を脅かす海の鼻水。政府は、最新の生物処理法を全ての下水処理施設に導入すると発表するなど、対策に乗り出しています。

マルマラ海で異常発生している「海の鼻水」
マルマラ海で異常発生している「海の鼻水」

【取材:FNN海外特派員取材班】

国際取材部
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