コンビニの商品棚に起きている変化。

千葉市のコンビニ「ミニストップ イオンタワー店」を取材してみると、おにぎりや弁当などの売り場に見慣れない文字が…

フジテレビ経済部・井上文那記者
6月から始まったのが、この「てまえどり(=手前から取って)」という取り組みです。販売期限の迫ったものから購入して欲しいとのことです

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商品の近くに「てまえどり」と書かれたポップがつけられている。横には「すぐにたべるなら、手前をえらぶ」と説明もついている。

「てまえどり」とは、コンビニ各社で6月1日から始めた棚の手前にある販売期限が迫った商品を積極的に選んでもらおうという取り組みだ。

国内の「食品ロス」は年間600万トン

実際、手前から取っていたお客さんに聞いてみると…

コンビニ客A
手前には古い物が並んでいるっていうのを一応知っているので、そういう意識をしてやっています

コンビニ客B
「手前から取らなきゃ」と思うので、いいと思います

しかし、中には「てまえどり」のポップが貼ってあることに気がつかなかった人も…

コンビニ客C
これ(てまえどりのポップ)見ないですね~

まだ始まったばかりの「てまえどり」だが、食品廃棄など環境問題を身近に感じるきっかけにして欲しいという。

ミニストップ広報・篠原淳一さん
食品ロスの問題について、お客さまと共に環境問題を考えていきたいと思っています

まだ食べられるのに捨てられてしまう食品ロスは、日本で年間600万トン。国民一人あたりで計算すると、全国民が毎日、お茶わん1杯分を捨てていることになる。

こうした食品ロスを減らす取り組みとして、環境省などが「てまえどり」の呼びかけを始めた。

商品は手前から取る?奥から?スーパーで観察

一方、消費者の本音としては、買い物の際、消費期限を気にするとの声も…

コンビニ客D
いまお昼に食べようと思うのは気にしないけど、それ以外はちょっと気にしちゃうかも知れない

そこで番組では、東京都内のスーパー「アキダイ関町本店」に協力してもらい定点カメラを設置。買い物の様子を観察させていただいた。

果たして皆さんが取るのは「手前から」?「奥から」?

イット!取材班
こちらのお母さん。(ヨーグルト棚で)一つ一つ品物を確認していますね。あっ今、奥から商品を一つ取って買い物かごに入れました。そして一つは戻しました

そのお客さんに話を聞いてみると…

スーパー買い物客A
今日明日に食べないかもしれないと思ったので。(すぐ)食べなかったら(期限切れになって)もったいないから、後の日にちにしました

ウィンナーを買っていたお客さんは…

スーパー買い物客B
新しい方がいいじゃない、古いのより。どうせ食べるんだったら、同じお金出して。(古いのは)値引きするとか(しないと買わない)

一方、スーパーの社長は「てまえどり」の広がりに期待を寄せている。

アキダイ・秋葉弘道社長
見切り品でお値引きして、安く買っていただいて。食品ロスをなくす意味で売れるだけでなく、お客さまにそれを無駄にしないで食べてもらわないと成立しないと思うので…

「てまえどり」で食品ロス削減への意識改革を

スタジオでは、コメンテーターで明治大学教授の齋藤孝さんに話を聞いた。

加藤綾子キャスター:
私もすぐ食べるものは手前から取っていたんですけれど、食べきるのにちょっと時間がかかりそうなものだったりとか、牛乳だったり、1日でも期限が長いものから取ることもあったので、意識変えていかないといけないですね。

明治大学教授・齋藤孝さん:
ついやってしまいますよね。この「てまえどり」のポップは、意識を変えていくのに僕は効果があると思うんですよ。というのは、「食品ロス」と「後ろから取る」ということが結びついていないんですよね。ですからポップの「食品ロス」という言葉はもうちょっと大きくしてもいいくらい…

加藤綾子キャスター:
今の文字だと目立たないですものね

明治大学教授・齋藤孝さん:
もっと食品ロスという環境問題に訴えてもらえれば、後ろから取るたびに「環境問題に悪い影響なんだ」と意識も変わると思うんです

加藤綾子キャスター:
手前から取ることで、自分も協力しているんだという気持ちになりますものね

明治大学教授・齋藤孝さん:
プラスの気持ちになりますよね

加藤綾子キャスター:
はい!気をつけます

(イット! 6月4日放送より)