全国初「ヤングケアラー」相談窓口が開設

佐々木恭子アナウンサー:
障害や病気を抱える家族の介護や世話を行う18歳未満の子どもヤングケアラー。支援の専用窓口が全国の自治体で初めて開設されました。

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6月1日神戸市に新たに設けられたヤングケアラー専用の相談窓口。

そもそもヤングケアラーとは、障害や病気のある家族の世話や介護を担う18歳未満の子どものこと。

国が2021年4月公表した調査では中学2年の17人に1人が世話をする家族がいると回答している。

神戸市では相談員を配置して学校への協力依頼や公的サービスの紹介など支援を行っていくことにしている。

そして初日の6月1日も「ヤングケアラーだと思われる中学生が登校できていない」といった相談が寄せられたという。

実態把握が難しい「ヤングケアラー」

障害がある妹がいて自らもヤングケアラーだったという三間瞳さん。ヤングケアラーの実態を知ってもらおうと2021年映画を製作した。

佐々木恭子アナウンサー:
今回神戸で、いわゆるヤングケアラーたちのための相談窓口ができました。

元ヤングケアラー三間瞳さん:
ヤングケアラーが支援の対象なんだよ、とメッセージになるというのは良かった。

そもそも国を挙げて支援が急がれるヤングケアラー問題。その存在を容易に把握できないことに難しさがあるという。

元ヤングケアラー三間瞳さん:
見た目とか勉強の度合いとかスポーツのところとか浮き彫りに出てくるような違いがないんですよね。場合によってはヤングケアラー自身もメンタルで落ち込むことが起きる可能性があるということです。

佐々木恭子アナウンサー:
コロナ禍で、より家庭の問題が見えにくくなっているとも思います。

元ヤングケアラー三間瞳さん:
本音を話したくても、どこかで家族が聞いていて、家族の悪口だと捉えられたら嫌だからというのもあるので、どんどん孤立していく。なおのこと支援が難しいというのもあります。

佐々木恭子アナウンサー:
せっかく支援の一歩が始まります。ただヤングケアラー自身が支援の対象だと気づいていないことも多い。また外からも分かりにくいので、どうやってこの支援につなげればいいのかというのを三間さんに伺いました。

教育現場学校はもちろん塾などまた家庭に接する立場の人たちには、何か子どもたちに異変があったら「どうしたの」という声をかけてほしい。そして支援につないでほしいということなのです。また同年代で安心して「私こんな今環境にあるんだ」ということを語り合える居場所が大事。やっぱり「助けてほしい」とか「誰かを頼りたい」といったその感情自体「まず気付いていいんだよ」というメッセージでした。

加藤綾子キャスター:
なかなか自分から言い出せないということもあると思うので、改めてそういうお話できる場というのがあるとまた違ってきますよね。

キャノングローバル戦略研究所研究主幹・宮家邦彦氏:
コロナで中々気がつかないけど大変なことだよね。非常に大事ないいことをやっていると思います。

佐々木恭子アナウンサー:
人に迷惑をかけてはいけないではなく、「頼ってもいいんだよ」とそういう気持ちを持ちあいたいと思います。

(「イット!」6月1日放送分より)