家での“癒し”求め ペット需要増加

福島県いわき市のペットショップ「One Buddy いわき店」。
取材したこの日も、その愛くるしさに目を細める人の姿があった。

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来店客:
(Q:癒しの存在?)ですね、すごく和みます

法律の改正によるブリーダーへの規制強化などで、子犬や子猫の価格は上昇しているが、ペットに「癒し」を求める人は多く、この店の売り上げは以前より2割ほど増えているという。

ペットに癒しを求め…
ペットに癒しを求め…

株式会社One Do・大金亜弥子さん:
(コロナ禍で)自宅にいられる方が多いので、お家に癒しを求めて、ワンちゃんとかネコちゃん飼いたいなという方が増えてきていると思います。気持ちを幸せにしてくれる力が動物にはあると思うので、皆さんにそういうのを知っていただきたい

減らない殺処分…「最期の部屋にしたくない」

「癒しの存在」として愛される一方、残念な現実も…

捨てられた悲しみはどこに…?
捨てられた悲しみはどこに…?

福島テレビ・斎藤真太郎記者:
犬の鳴き声が聞こえてきます、こちらの場所で保護された犬たちが飼育されています

部屋にいるのは、保護された犬や猫たち
部屋にいるのは、保護された犬や猫たち

福島県三春町にある県の動物愛護センターでは、野良犬や野良猫のほか、飼育できなくなったペットを収容している。

2019年度に福島県内で殺処分された犬と猫は、全国の都道府県で3番目に多い2153匹にのぼった。

福島県動物愛護センター・大越憲幸所長:
福島県の場合、まだまだ捨て猫というのが多い状況でして。本当に、動物を捨てるということは犯罪ですので、絶対に止めてほしい。動物愛護センターのこの犬の部屋が、彼らの最期の部屋とは思っていませんので。できるだけ、いい人たちにもらわれていってほしいなと思っています

安易な譲受を抑止する“手数料”導入

センターでは、命を守るため新しい飼い主を探していて、引き取ってもらえるその日に向けてトレーニングも行っている。

譲渡の前に
譲渡の前に

福島県動物愛護センター・大越憲幸所長:
新しい家庭に入った時に、極力、問題行動を起こさないように、最低限の馴致(人にならす訓練)をして、それから譲渡するように努めています

また、感染症の検査も行い、健康にも気を配っている。

2021年6月からは、譲渡を受ける人に4000円の手数料を納めてもらうことにしていて、これには検査費用を賄うだけでなく他の狙いもある。

譲渡の前に健康チェックも
譲渡の前に健康チェックも

福島県 食品生活衛生課・野口みきさん:
(手数料徴収は)安易な譲り受けを抑止することも期待しています。動物は、15年~20年は生きるので、最期まで責任を持って、他の人に迷惑をかけないで飼えるかっていうことを、よく考えたうえで飼っていただきたいなと思います

「家族の一員」の大切な命を守っていくには、相応の自覚と責任が求められる。

<動物愛護センターへペットの引き取りを依頼する理由>
・野良猫に「かわいそう」とエサをあげていたら増えてしまった
・飼い主が高齢になって、体が不自由になったり施設に入ったりして面倒を見られなくなった
・十分な知識が無いまま甘やかして育てたら手に負えなくなった

福島県動物愛護センターでは、2020年6月から引き取り手を対象に講習会を開いていて、ペットとの生活で必要な責任や経済的な負担を伝えている。

15~20年生活を共にする覚悟を認識して、最期まで飼い続けられるか、家族で話し合う必要があるとしている。

(福島テレビ)

福島テレビ
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