磁石でピタリと吸い寄せ…“新兵器”を実演

事故やダイヤの乱れにもつながる、線路への落とし物。

JR東日本によると、首都圏の駅でのワイヤレスイヤホンの落とし物は、2~4月の3カ月で800件近くに上るという。

ワイヤレスイヤホンを線路に落としてしまった場合、駅員がマジックハンドを使って回収してくれるが、小さな物を拾うのは大変だ。

この記事の画像(8枚)

そこでJR西日本が開発したのが、様々なアタッチメントをつけることができるマジックハンドだ。

たとえば、ワイヤレスイヤホンを拾う際に使われるのは、先端に磁石がついたアタッチメント。

磁石の部分をワイヤレスイヤホンに近付けると、吸い寄せるようにして一瞬で回収することができた。

さらに、粘着パッドのアタッチメントに切り替えると、スマートフォンなどの大きな落とし物にもピタッと貼りつき、しっかりと安定させて拾うことができるのだ。

回収作業でダイヤに乱れは? JR東日本も開発

アタッチメントには他にもフックなど様々なバリエーションがあり、ICカードやお土産、靴、駅弁など、あらゆるものがこの1台で回収可能だという。

JR西日本によると、ワイヤレスイヤホンの落し物は2019年6月には265件だったのが、2021年4月には1323件と約5倍に増えており、高価なものも多いことから、回収の依頼が増えているという。

こうしたことが開発のきっかけになったというこのマジックハンド。

磁石を使うことで線路にくっついてしまったり、携帯電話の保護カバーなどが剥がれてしまうといった懸念もあり、粘着力の強さなどを調整し、完成までには1年半かかったという。

加藤綾子キャスター:
落し物はかなりの件数あるんですね。これだけあるとダイヤの乱れや、遅れてしまったりといったことはないんですか?

榎並大二郎アナウンサー:
JR西日本によりますと、回収する時間が数十秒と短いのと、回収のタイミングを運転指令所と調整しているので、ダイヤの乱れはほとんどないそうです。

ちなみに、JR東日本も池袋駅が家電メーカーに依頼して、イヤホンの形に近いものだけを吸い取る掃除機のノズルを開発し、威力を発揮しているということです。さまざまな工夫がなされていて、ありがたいです。

榎並大二郎アナウンサー:
いずれにしても、まず線路に物を落とさないようにご注意いただいて、落としてしまった場合には絶対に自分で取りに行かないように、線路に下りたりしないように、駅員さんにお願いしてください。

(「イット!」6月4日放送分より)