シリーズで各地の「銘菓」やお菓子の裏側をご紹介。

宮城からは、秋保温泉のおはぎ。素朴な和菓子・おはぎが観光地の誘客にも一役買っている。

すぐやめるつもりが定番商品に その魅力とは?

仙台駅から車で約30分。宮城・仙台の奥座敷「秋保温泉」。高級旅館やホテルが並ぶ温泉街の一角に今回ご紹介するお店がある。

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「主婦の店さいち」は一見ごく普通のスーパ-だが、中をのぞいてみると…

伊藤瞳アナウンサー:
弁当や惣菜など、おいしそうな商品が並んでいますが、こちらをご覧下さい。おはぎが棚いっぱいに、ずらりと並んでいます。

あんこに、きなこに、ゴマのおはぎ。この棚全部が、おはぎ。

買い物客:
ここのおはぎは格別ですね。それ以外に言いようがない。

買い物客:
甘さがちょうどいいんですよ。甘過ぎなくてちょうどいい。小豆がたっぷりでおいしいです。

買い物客:
ボリュームがあるところがいい。

お値段は2個入りが税込250円。毎日、平均で6000個、お彼岸にもなると1日に1万5000個も売れるという。

棚には次々と作りたてが補充されるが、確かに並ぶ端から売れていく。

創業150年の歴史を持つこちらのお店。今から40年ほど前、現在のスーパーを始めて間もないころ、近所の人からおはぎの注文を受けたのがそもそもの始まりだった。

しかし、当初はすぐにおはぎ作りをやめるつもりだったという。

主婦の店さいち 佐藤啓二社長:
いつやめようか、いつやめようかと言いながら、おはぎを2年間やった。2年間もお客さまに来てもらったので、じゃあ定番にしようと本格的にやった。

やがておはぎは評判となり、いつしか店の主力商品に。今では地元・宮城はもちろん、県内外から大勢の人がおはぎを買い求めに秋保温泉を訪れる。

すべて手作り!あんこの量は職人の感覚で

多くの人を魅了する秘密を知るために、今回、特別におはぎ作りの裏側を覗かせてもらった。

伊藤瞳アナウンサー:
失礼します。皆さん手作業で作っているのですね。機械で作っているのではないんですね。

驚くことに1日6000個売れるおはぎは、なんと手作り。しかも詳しいレシピはなく、あんこの量などは目分量で決めるているそう。

伊藤アナウンサーも少しだけ手伝わせてもらおうとしたのだが…

スタッフ:
全部片手で。

伊藤瞳アナウンサー:
どうですか?多いですか?

スタッフ:
全然、包んでないですね…

難しすぎた…。

おはぎ担当 高橋奏衣さん:
重さとかも感覚で、きょうは多かったかなとか、あんこの質で重さも変わるので、そこは調整しながら作っています。

一番の人気は、北海道産の上質な小豆と宮城県産のもち米を使ったあんこのおはぎ。味付けはどのおはぎも塩と砂糖のみ。販売開始以来「無添加」を守り続けている。

ただし、おいしさにこだわるあまり消費期限は「当日限り」で、お取り寄せはできない。このおはぎを味わえるのは、宮城と秋保温泉を訪れた人の特権。

おはぎの後は…ゴマ・きなこのおいしい再利用法

さらに、このおはぎのおいしさを2倍楽しめる裏技をスタッフの皆さんに教えてもらった。それは、たっぷりのったあんこやきなこ、ゴマなどの再利用。

スタッフ:
ゴマはほうれん草のゴマあえにするとおいしい。きなこは温かい牛乳に入れてもいいし、バニラのアイスにかけてもおいしい。

食べ終わって余った分を皆さん無駄なく使っている。ということで、伊藤アナウンサーも「秋保のおはぎ」をいただくことに。

伊藤瞳アナウンサー:
かなりずっしりしています。いただきます。あんこたっぷり!つぶあんともち米がモチモチしていて、かなりボリュームがあります。やさしい甘さなので、すごくバランス取れていておいしいです。

1つではもの足りない、何個でも食べたくなる、秋保温泉のおはぎ。新型コロナの感染拡大が収束したら、ぜひ一度、出かけてみては。

(仙台放送)

仙台放送
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