知事会「全国的な緊急事態宣言を」

10日、全国知事会が緊急会議を開き、ワクチンの確保や供給スケジュールの早期提示などに関する国への提言案をまとめた。さらに、全国的な感染拡大を踏まえ、宣言を全国に出すべきとの意見が相次ぐなど、強い危機感が示された。

この記事の画像(9枚)

東京都・小池知事:
新たな局面を迎えているという認識が必要かと思います。感染爆発の危機と隣り合わせの状況だという認識を有しております

滋賀県・三日月知事:
全国的な緊急事態宣言の発令について早急に検討すべきではないかということを提起させていただきたいと思います

長野県・阿部知事:
全国での緊急事態宣言の発出も視野に入る、極めて深刻な事態だというふうに考えています

菅首相「人流は減少」

国会の集中審議に出席した菅総理は宣言延長を余儀なくされたことについて野党の追及を受けた。

立憲民主党・蓮舫代表代行:
結果として延期に追い込まれてしまった、その理由は何だと分析をされていますか?

菅首相:
人流については減少させることができたというふうに思ってます

立憲民主党・蓮舫代表代行:
人流は減っても実は感染は拡大しているんです。どうして強い措置が必要と言われているのに大型店舗等の時短要請まで緩めてしまったんでしょうか?どういう判断でしょうか?

菅首相:
これ以上、期間を延ばすということはなかなか厳しいというふうに思いました。デパートとかそういうところは、コロナ対策をしっかりやっていただいているところであり、そうしたところでなぜ休業ということの意見も非常に強くあったということも事実です

国民を動かす言葉に必要なもの

加藤綾子キャスター:
宣言延長となりますけれども、菅さんの言葉からはその意味がわからないんですよね。本当はもっと感染者も人流も減らさなければいけないんですけど、成果が出ていると言っていたら危機感が伝わらないと思うんですね。そこで言葉のズレを感じてしまうのですが、橋下さんどう思われますか?

橋下徹 元大阪府知事:
有事のときの政治リーダーの言葉で一番重要なのは、成果よりも矛盾がないこと、それから不公平でないことなのです。この有事のときに成果を必ず保証するってのはなかなか難しいです。何が正解かわからないのでデータがない中で判断していかなきゃいけない状況にもなるので正解はわからないんですよ。そこで言葉としてメッセージとして重要なのは矛盾のないこと、不公平でないこと。菅さんの言葉は矛盾だらけで不公平です、残念ながら。

橋下徹 元大阪府知事:
もし人流抑制だったらオリンピックのテスト大会も何から何まで止めなきゃいけないですよ。全部止めなきゃいけない。感染リスクを防ぐということだったら、感染対策をやったところ営業を認めるってことはやらなきゃいけないんです。これがごちゃごちゃになっているから、人流抑制だったら百貨店だけじゃなくて全部止めなきゃいけないのに百貨店は感染者はそんなに出ていないんですよ。だけどあそこを止めたのは何なんだと。人流目的だって言うんだったら僕はゴールデンウィーク中もっと強烈に国民から批判が出たとしてもバサッと止めていく、ゴールデンウィーク明けら通常の感染対策に移ります。その間に感染対策をやっているところは営業してくださいね。感染対策できていないところは止めますよ。人流目的なのに百貨店とか劇場とか寄席とかテーマパークだけが止められてるってのは不公平極まりないですね。ここに国民のモヤモヤを考えればずっとたまってきているんじゃないですか。

加藤綾子キャスター:
緊急事態宣言の意味合いというのもなかなかその時その時によって対応が違うので、宣言が出たら本当に大変な時期なんだ、一気に止まるんだぐらいの印象をつけないといけなかったんじゃないかなと個人的に思うんですよね。

「矛盾を感じる言葉では国民は動かない」

橋下徹 元大阪府知事:
1億2000万人の国民を動かしていくってことになれば本当に言葉だけなんですよ。説明みたいなことではなかなか人は動きません。僕の手前味噌だけど、大阪府ぐらいのエリアで政治をやりました、最後は本当にこの言葉に込められた情熱、魂、そこで動かすしかないんです。その時にモゾモゾと矛盾を感じるような、不公平感を感じるような、いろんな業界団体から圧力がかかったから右たり左行ったりするようなそういう言葉だったら1億2千万人動かないですよ。

橋下徹 元大阪府知事:
批判を受けてでもこうなんだと、矛盾しない、この論理で皆さん申し訳ないけど全部仕事やめてくれっていうぐらいの話になればね。僕は日本国民はしっかりそれに従ってくれると思うし、それから感染対策をきちっとやっているところは営業を認めること、できないところは止めますよということを言えば、僕は飲食店に限らず感染対策ができていないところはいっぱいあるからそこも止めることはできる。そうすればみんなが営業したいから感染対策を一生懸命やろうという気持ちにもなる。

ワクチン「最初の混乱は容認しよう」

加藤綾子キャスター:
あともう1つ、ワクチン接種をようやく本格化しましたけれども、すでに予約で混乱が起きています。もう少しスムーズにできる仕組みがないのか。この状況で1日100万人の接種というのは達成できるのか気になるんですがいかがですか。

橋下徹 元大阪府知事:
一日100万人という数字はよく言われますが、インフルエンザの予防接種はだいたい1日当たり60万やっているんです。これまでのベースとして、後40万足すってのは確かに大変ですけれどもこれは行政として新たなことをやるときには出だしは混乱します。アメリカでもそうなんですよ。これが3週間くらいたってくるとだんだん現場が慣れてくるので、我々国民側も最初は混乱するというところは容認してあげなきゃいけないと思います。

橋下徹 元大阪府知事:
それからもう1つは、スピードを重視するんだったら、これも政治家のメッセージですけれども、日本国民の皆さんは細かなところをものすごく気を付けるから社会秩序も整った国ではあるんだけど、今回はスピードを重視するから、細かなルールを逸脱するようなミスがあったりしてもそこはちょっと目をつぶってくださいねということを政治家が言わないと、現場では書類チェックのダブルチェックトリプルチェックだ、一語一句間違えないようにということに手間を取られてスピードが緩くなってしまいますよね。これはね政治の力ももちろん重要なんですけれども、我々国民側の方もミスをどれだけ許容してあげるかというところも重要なんじゃないですかね。

「イット!」5月10日放送