一番人気「チキンステーキ」は500円

こんがり焼き目のついたチキンステーキに、チーズたっぷりのグラタンなどが次々と提供される店内。

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店の看板を見ると「ニトリダイニング」の文字が。

27日、神奈川・相模原市にオープンしたのは、家具インテリア専門店「ニトリ」が手がけるレストランの2号店。ステーキやグラタンなど、ボリュームたっぷりのメニューからスイーツまで、幅広く取りそろえている。

来店客:
安すぎるくらい、びっくりしました。外がカリッとしていて、中がふっくらで、メニューに書いてあった通りですごくおいしかった。

子供:
おいしい。 ふーふーしながら食べてるから熱くないよ。また食べたい。

一番人気のチキンステーキやグラタンは500円から。テイクアウトでは490円からとさらに安く、ワンコインでお釣りがくるものも。

さらに、追加料金でサラダやスープ・ライスが、お代わり自由になるセットもある。

レストランの食器はニトリ商品

ニトリパブリック外食事業部・小林純マネジャー:
並んでいるお客さまもいて、いいお客さまの入り方だと思います。
食器とかできる限りニトリ商品を使って提供していて、使い方とか料理の仕方を少しでもご紹介できたらなという思いです。

使用しているグラタン皿やステーキ皿などの食器は、ニトリで販売されている商品。

レストランで使い心地を体験してもらうことで、食事のついでに買い物に、買い物ついでに食事になど、店舗を相互に利用してもらいたい考えだ。

"衣食住"に業種拡大

ニトリは2019年には、アパレルブランド「N+」を展開。

また、2021年1月には、ホームセンター大手「島忠」と統合するなど、業種の拡大に積極的。

ニトリ・小林純マネジャー:
ニトリは昔から衣食住に展開しようという思いで始まった。衣はN+があるので、それに続いて、みんなのグリルも展開していけたら。

多くの飲食業が新型コロナウイルスの影響を受ける中、ニトリは食でも存在感を示すことができるのだろうか。

若い人材の採用、育成に積極的

三田友梨佳キャスター:
エコノミストで企業ファイナンスを研究している崔真淑さんに聞きます。
ニトリは今回の飲食以外にも多角化を進めているようですね?

エコノミスト・崔真淑さん:
この数年で一気に多角化を進めていて、外食だけでなくホームセンターの島忠を買収するなど、アパレル、化粧品などとにかく新たな分野に進出しています。

家族でニトリに出かけた際に、衣食住のすべてをニトリで賄えるビジネスモデルを目指していると思っています。

三田キャスター:
足下の業績も好調のようですね。

崔真淑さん:
オーナー経営者の似鳥氏による良い意味でのトップダウンが効いているからこそ迅速な経営判断、外に向けての設備投資も行えていると思います。

また、組織の内側でも非常に興味深いことが起きています。
ニトリの社員の平均年齢は33.7歳と非常に若く、若い人材の採用、未来に対しての設備投資、育成についても積極的なんです。

三田キャスター:
多角化を成功させるためにカギとなるのはどんなことですか?

崔真淑さん:
新たに参入した飲食、アパレル、化粧品は市場がすでに飽和状態ですし、安さに強みがある先行した企業はたくさんあります。

こうした中、ニトリ独自の「お、ねだん以上。」をどう出してくるのか、ニトリといえば家具やインテリア販売が自社でつくったもの、そしてSPA(製造小売業)と呼ばれる仕組みや、物流DXと自前でとにかく効率化を図ってきた会社なんです。

多角化した事業でも薄利多売ではなく、利益率を上げる仕組みとしてどんな仕掛けをしてくるのか要注目かと思っています。

三田キャスター:
家具、インテリアに加えてアパレル、そしてついに飲食にも乗り出したニトリ。多角化の行方を注視していきたいと思います。

(「Live News α」4月27日放送分)