なぜ幼い命を救えなかったのか?対策が本格化

福岡県篠栗町で当時5歳の男の子が餓死した事件で、福岡県は関係機関の対応を検証する初めての会合を開いた。
どうすれば事件は防げたのか。対策が本格化している。

小児科医 三田佳子さん:
(亡くなった写真を見たとき)とにかく言葉がでない。ショック。一体、どうしてこんなことになったのっていう感じ…

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2020年4月、篠栗町で亡くなった碇翔士郎ちゃん(当時5歳)。

翔士郎ちゃんを生後69日目から診てきた、かかりつけ医の三田佳子医師は「後悔の念」を抱いている。

小児科医 三田佳子さん:
もう一日早く点滴すれば、命を助けられてたと思います

保護責任者遺棄致死の罪で起訴された母親の碇利恵被告と、その“ママ友”赤堀恵美子被告。

翔士郎ちゃんの死因は餓死。死亡時の体重は1歳半検診のときと同じ約10キロだった。

小児科医 三田佳子さん:
育児にもちゃんとお母さんも熱心で。何かあったら、すぐ連れてくるけん、予防注射もちゃんと全部してるんですよ

最後に病院を訪れた2年前までは育児熱心だったという碇被告。しかし、赤堀被告との出会いから状況は一変。

赤堀被告は碇被告を洗脳することで食事の管理をするなど一家を精神的・経済的に支配していたとみられている。

事件の兆候をつかむことができなかったのか?子どもの命を守るべき児童相談所は…

事件発覚後の児童相談所の会見:(2021年3月3日)
(家庭訪問時に)特に心配な状況が確認できなかったことから、この時点では差し迫った危険はないと判断した

当時の児相の対応について三田医師は…

小児科医 三田佳子さん:
悔しい!本当に悔しい!行政に対してもものすごく不満があります。まあ、とにかくもう少しね、医療機関をね、医療機関の介入をさせてもらいたかった

そして、4月23日。

検証会議 福岡県福祉労働部 後藤和孝部長:
2度とこのようなことが起きないように再発防止を断固として守っていくことが責務

福岡県は関係機関の対応を検証する第1回目の会議を開催した。県は新たな取り組みとして、児童相談所が虐待の兆候を見逃すのを防ぐため家庭訪問時のチェックリストを導入。その中には「必ず体重測定を行う」ことなど虐待リスクを見極めるための35項目が盛り込まれた。

福岡県内では、3月に田川市で3きょうだいが車の中で死亡しているのが見つかるなど子供の死亡事件が相次いでいる。

なぜ、幼い命を救えなかったのか?県は検証会議を重ねて問題点の究明を進める方針だ。
未然に防ぐためには行政と民間が一体となった対応が求められる。

(テレビ西日本)