緊急事態宣言…東京からネオンが消える?

23日、新たに759人の感染が確認された東京都。金曜日の新規感染者数が700人を超えるのは1月29日以来のことだ。
この感染拡大を抑え込むために正式決定された緊急事態宣言だが、飲食店で酒類が飲めなくなることから、いわゆる"路上飲み"が増えることが懸念されている。


小池都知事:
今夜も路上飲みとかいろいろ言われておりますけれども、新宿歌舞伎町で新宿区・警察・消防と連携しまして、路上での飲酒防止などを呼びかける動きをいたします。

街灯を除きまして、すべての明かりも消すように徹底していきたいと。またご協力を願いたいと思います。

この記事の画像(7枚)

人の流れを抑えるため、現在のイルミネーション中止に加え、街灯の明るい看板やネオンなどの点灯も午後8時以降停止するよう、事業者に求めることも明らかにした小池都知事。
また、ハロウィーンの際に渋谷区が駅周辺のコンビニエンスストアなどに酒類の販売自粛を求めた対策も参考にするという。

東京都が新たに求める感染対策に頭を悩ませているのは、東京新宿区の歌舞伎町にあるカラオケバー「ブラックシグマ」。
これまで様々な感染対策を講じた上で営業を続けてきたというが、カラオケや酒の提供ができなくなる見通しだ。


アニソンカラオケBAR・ブラックシグマ:
カラオケの使用をやめて、お酒の提供もやめて、またしばらくは別の方法でやってみようかと。
「都知事 小池百合子ドッグ」です。小池都知事を応援したいので。怒られたら別の何かにします。

別の方法とは、新たな看板メニューづくり。
ピクルスやフライドオニオン、パセリにマスタード多めのピリ辛味のホットドッグを25日から売り出し、宣言期間中はカラオケではなく、このホットドッグを看板商品として営業を続けていくという。

分科会「延長ということもあり得る

東京・大阪・京都・兵庫の4都府県への緊急事態宣言の期間は4月25日から、ゴールデンウィークを挟んだ5月11日まで。

菅首相は「ゴールデンウィークに多くの方が休みに入る時期をとらえて、強力なそして短期集中の人流を止めるための措置を講じる予定」と話している。

連日1000人を超える感染者が確認されている大阪府では、23日も新たに1162人の感染が確認されている。吉村知事は17日間という緊急事態宣言の設定期間について…


吉村知事:
僕は3週間から1カ月が適切だと思ってますけれども、ここは11日までに集中してやろうと国家として決めたわけですから、その期間はやっぱり集中して実行する。これが非常に大事だと。

酒を出す飲食店だけでなく、百貨店やテーマパークなどにも休業を求める今回の宣言。
菅首相の周辺は「厳しい対策だ。だから長くはできない」と説明しており、延長はないと断言しているが、その一方で、政府分科会の専門家は早くも延長を視野に入れている。


政府分科会・釜萢委員:
東京でいうと1日の新規感染者の数が500人を下回ってくること、ステージ3に至ってこないと解除はあり得ないというところで、最終的に合意が得られたということです。


さらに、分科会の尾身会長ははっきりと延長に言及した。


政府分科会・尾身会長:
無条件に何が何でも11日になったら解除するという意見ではなく、短期間にステージ3、ステージ2の方向に5月11日の時点で行っていただくことを期待しますけれど、そういう状況でない場合には当然、延長ということもあり得る。

午後の国会で菅首相は、前回の解除から1カ月余りで宣言を余儀なくされたことについて陳謝した。


立憲民主党・山井議員:
「再び緊急事態宣言を出すことがないように対策をしっかりやるのが私の責務」と言ってから1カ月余りでリバウンドして、また緊急事態宣言になってるじゃないですか。

菅首相:
前回私自身が「もう二度と再び」と言ったことについては大変申し訳ない思いでありますけども、そういう中で今回、大阪・兵庫の変異株というのは、当時(先月の解除時)は出ていなかった時であります。

立憲民主党・山井議員:
3月18日の時点で変異ウイルスの恐ろしさはみんながもう議論をしてましたよ。


変異ウイルスが猛威を振るう中での再々宣言。その設定期間について、政府関係者からは「2週間という期間は何をもって判断したのか、説明を聞いても理解できない。いろいろ議論した挙句に意味不明になっている」と疑問の声も上がっている。

加藤綾子キャスター:
分科会の尾身会長の「延長もあり得る」という発言は、この期間で感染を抑えないといけないという気持ちを引き締めるためのメッセージだと思うのですけれど、本当に延長となると「またか」と思って、なかなか我慢が続かなくなってしまうのではと思うのですが。学生さんはもうキャンパスライフも楽しむことができなくて少し心配になってしまうのですが…

明治大学・齋藤孝教授:
延長するかどうか気になりますね。去年1年間というのはほぼオンラインだったんです。ですから人間関係を築くことができなかった。今月から対面になって友達もできて、というところでこれですから。ゴールデンウィーク限定だったらかなり集中してできると思うので、これで延長するかどうか。延長されるとまた学生の気持ちが落ちちゃうというのは心配ですね。

加藤綾子キャスター:
やるからにはこの期間でしっかりやって、終息に向かうよう毎日過ごしたいなと思います。

(「イット!」4月23日放送分より)