「何が何でも開催するのは違う」

東京オリンピック・パラリンピックについて、自民党の二階俊博幹事長は、新型コロナウイルスの感染がさらに拡大した場合、開催中止も選択肢になるとの考えを示した。

CS番組の収録で二階氏は、感染がさらに拡大した場合「これ以上、とても無理だということだったらスパッとやめないといけない。オリンピックで感染をまん延させると何のためのオリンピックかわからない」と述べた。

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その後、二階氏はコメントを出し、「何が何でも開催するのかと問われれば、それは違うという意味で言った。安全・安心の大会の開催に向け、しっかり支えていく」と説明した。

これについて菅首相は「政府として、開催に向けて感染防止に万全を尽くしていくことは変わらない」と強調した。

コロナ禍の観戦に新スタンダードを

三田友梨佳キャスター:
社員全員がリモートワークで働く会社、キャスター取締役COOでスポーツチームの運営サポートにも従事している石倉秀明さんに聞きます。オリンピックについてどうご覧になっていますか?

キャスター取締役COO・石倉秀明さん:
開催するしないの判断は感染状況によると思いますから、今の段階で判断するのは非常に難しいし、何とも言えないと思います。いろいろな立場や見方があると思いますが、例えば選手の目線で見たときに、オリンピックは一生に1回というのはもちろんですが、選手が所属している各競技団体はオリンピックが作るエコシステムに組み込まれているのも事実です

キャスター取締役COO・石倉秀明さん:
具体的にいうと、IOCに入った収益の一部というのは、JOCや組織委員会を通じて各競技団体に渡されていて、特にマイナー競技にとっては強化費用になっていることは確かです。なのでオリンピックをやらないことによって今だけではなくて、各競技の将来の発展とか育成など長期的に影響することにもなりますから、そうした視点も踏まえて総合的に開催の可否を決定してほしいと思います

三田友梨佳キャスター:
オリンピックのあり方も様々だということですね?

キャスター取締役COO・石倉秀明さん:
もしやるのであれば、来年以降もコロナ禍でオリンピックをやることもあると思いますから、コロナ禍における新しいスタンダードになるオリンピックを作ることを考えて欲しいと思います。例えば観客はオンラインのみにして、ヨーロッパのサッカーリーグにあったように、家で見ている観客の声がスタジアムの選手に届くような技術を積極的に導入したり、チケットによっては選手と直接コミュニケーションがとれる権利を販売するなど、オンラインならではの観戦体験を新しく作っていってもいいのではと思います。世界中どこに住んでいても仕事を休むことなくオンラインでオリンピックに参加することが新しいスタンダードなんだというくらいの取り組みをもし開催するのであればやってほしいと思います

三田友梨佳キャスター:
世界に目を向けてみるとワクチン接種が進む一方で、変異ウイルスによる世界的な感染再拡大が続いています。13日の新規感染者数は世界で70万人を超えています。最も深刻なインドでは、きょうも1日あたりの新規感染者数が20万人を超えています。オリンピックは国内大会ではありません。世界の現状に目を向けることも必要に感じます

(「Live News α」4月15日放送分)