嘘をつくのも命がけ

あまり知られていませんが、実は、北朝鮮にもエイプリルフールの風習があるんです。北朝鮮で30年間暮らしていた脱北者によりますと、金日成体制下の1980年代、海外情勢を伝えるテレビ放送で初めてエイプリルフールが紹介されて以来、広く浸透。今では4月1日にウソをつくのは当然の常識だとか。もちろん体制の悪口など、ウソの内容次第では罰せられる恐れもあります。厳しい統制に不満を持っていたある住民が、腹いせに「党の幹部が死亡した」とウソをついた結果、投獄されたこともあるそうです。ウソをつくのも命がけ、となりかねないところに、世界のエイプリルフールとは大きな違いがあります。(ソウル支局 川崎)

ウソをつくのも“命がけ”の北朝鮮
この記事の画像(12枚)

ウソのようなホントの話

エイプリルフールの1日、ロシアでは「ウソのようなホントの話」が話題になりました。キノコのカビの一種に新型コロナウイルスの動きをブロックする効果があるというのです。ロシアの南ウラル国立大学の他、ブラジル、インド、南アフリカの大学が共同研究で明らかにしたもので、旧ソ連時代から続く有力紙「イズベスチヤ」が独自ネタとして掲載しました。研究グループは「薬を開発する準備ができている。今までよりも効き目が出るまでの時間を短くできる」と胸を張っています。一部ではエイプリルフールの「ウソ記事」かと疑われましたが、本物とわかり、コロナの新しい治療薬開発につながるのでは、と期待されています。(モスクワ支局長 関根)

「イズベスチヤ」が独自ネタとして掲載

フォルクスワーゲンが「ボルツワーゲン」に社名変更?

ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲンが社名変更か?マスコミも市場も混乱です。フォルクスワーゲンのアメリカ法人は3月30日、社名を「ボルツワーゲン」に変えると発表。電圧のボルトを社名に取り入れ、電気自動車重視の姿勢を高らかに宣言したのです。イギリスで大手の通信社が報じたほか、フランクフルト市場では株価も上昇しました。ところが翌日、広報担当者が「エイプリルフール用のジョークだった」「社名の変更はありません」と発表したため、大騒ぎに。一部の欧米メディアが抗議する事態となりました。フォルクスワーゲンはFNNに対して「電気自動車に全力を傾ける意思を示すつもりだった」と釈明しています。(ロンドン支局 ミラン)

「電気自動車に全力を傾ける意思を示すつもりのジョークだった」と釈明したフォルクスワーゲン

「アメリカンジョーク」も受難の時代

ホワイトハウスでもエイプリルフールには、歴代大統領が様々なサプライズを仕掛け、話題を集めてきました。オバマ政権下、政府の公式アカウントに突如投稿された「大統領の特別声明」。記者会見室には音楽が流れ・・・と、そこに・・男の子が現れ「だれか別の人を期待してた?」と。登場したのは茶目っ気たっぷりのちびっ子オバマ!いたずらには慣れているアメリカ人もこれにはびっくりでした。そんなエイプリルフールの伝統にも変化が生じています。最新の世論調査ではエイプリルフールのいたずらを迷惑だと感じる人が、面白いと答えた人よりも僅かに多くなりました。コロナ禍で心の余裕がないためか、「アメリカンジョーク」も受難の時代です。(ワシントン支局長 藤田)

こんな茶目っ気たっぷりのジョークも「迷惑」?

「4月の魚」の“悪い冗談”?

フランスではエイプリルフールのことを「4月の魚」と呼び、魚の形に切った紙を人の背中にこっそり貼るいたずらをしたり、魚をかたどったパンやお菓子を食べる習慣があります。前日にはマクロン大統領が新たな外出規制を発表、対応の遅さなどから一部で「エイプリルフールの悪い冗談だ」との批判も聞かれました。また、「最後の手段」だったはずの「学校の閉鎖」がいきなり決められたり、外出禁止の条件が過去2回に比べて緩いなど、対策の効果を疑問視する声もあります。規制強化が続く中、国民は何より「5月の半ばにはレストランや文化施設の営業を段階的に再開させる」との言葉がウソにならないことを願っています。(パリ支局長 山岸)

あっ!山岸支局長の背中にも「4月の魚」が・・・

洒落にならない嘘に警告

タイの警察が、エイプリルフールの洒落にならない「嘘」に警告を発しました。これはタイ国家警察がエイプリルフールの前日、SNS上に投稿した動画です。「新たなクラスターが発生した」など新型コロナウイルスをめぐり、インターネット上に嘘の情報を流して混乱を生じさせた場合、逮捕もありうると警告しています。該当者は5年以下の懲役か、およそ35万円の罰金、またはその両方が課される可能性があります。全人口のおよそ8割がフェイスブックを利用するなどソーシャルメディアの利用が盛んなタイ。フェイクニュースの拡散が度々問題となっているだけに、当局はエイプリルフールの「嘘」にも神経を尖らせています。(バンコク支局 池谷)

警察がウソに警告

中国「愚人節」にも米中対立

日本と同じ漢字の文化を持つ中国では、エイプリルフールは「愚人節」と呼ばれています。ただ、仮に冗談とは言っても、内容によっては罰せられる恐れもあり、ネット上でもユニークなウソはあまりありません。代わりに見られたのが、ちょうど20年前に起きたアメリカと中国の軍用機衝突事故に対する書き込みです。亡くなった中国人パイロットを偲ぶお墓参りの映像には、手向けの花と共に米中外交トップの写真も。3月の会談は非難の応酬に終始し、中国がアメリカの人権批判に「今世紀最大のウソ」と猛反発しました。主張は食い違いますが、中国がアメリカと肩を並べる大国になったことだけは「嘘」ではありません。(北京支局長 山崎)

2021年4月1日は米中軍用機衝突事件から20年(ウェイボより)

到着後の自主隔離解除

これまでアメリカ国内からニューヨーク州を訪れる人に義務づけられていた、到着後の自主隔離が4月1日に解除されました。世界有数の観光都市ニューヨークに観光客が戻り、経済活動の本格再開に期待する声もあがっています。しかし、ニューヨーク市では感染者数が下げ止まっていて、新規感染者の7割以上が変異ウイルスによる感染です。このため、セクハラ疑惑などで窮地に追い込まれているクオモ知事が支持率回復のため規制を緩和したのでは、とのうがった見方も出ています。これまで度々対立してきたデブラシオ市長は知事の対応を「エイプリルフールのジョークか」と皮肉っていて、笑うに笑えない状況です。(ニューヨーク支局 新庄)

自主隔離解除で経済活動再開に期待が高まるニューヨーク

大規模集会の超「密」に批判殺到

トルコで新型コロナウイルスの1日あたりの新規感染者数が4万人を超え、連日過去最多を更新しています。そんな中 開かれた、ある大規模集会に批判が殺到しています。会場を埋め尽くす人、人、人、ソーシャルディスタンスとはほど遠い超「密」状態です。これはエルドアン大統領率いる与党の党大会で、全国から1万7000人が参加しました。感染防止のため厳しい規制が続く中での“反則”行為に、野党の党首は「この映像を証拠に訴訟を起こせ」と批判。医療界からは「家族と離れ必死に闘っているわれわれをバカにしている」と憤りの声が上がりました。直後には週末の外出禁止を含めた規制強化が発表されたため、与党支持者ですら「矛盾している」と批判しています。(イスタンブール支局長 清水)

エルドアン大統領率いる与党の党大会

メジャーリーグ開幕

1日からメジャーリーグが開幕し、久しぶりにスタジアムに観客が戻ってきました。大谷翔平選手の所属するエンゼルスの本拠地では、地域のルールで、スタジアムに入れる観客は収容人数のおよそ3割、1万5000人ほどに制限されます。異例の60試合に短縮された昨シーズン、エンゼルスは一度も観客を入れることが出来ませんでした。それだけに、この開幕は大きな一歩、ファンにとって待ちに待った瞬間です。メジャー4年目の大谷選手は、まずは打者としてスタートし、4戦目でマウンドに上がる予定です。二刀流の完全復活なるか、全米の野球ファンには、見所満載のシーズンとなりそうです。(ロサンゼルス支局長 益野)

待ちに待ったメジャーリーグ開幕にファンも興奮!

外国人対象のワクチン接種開始

上海の森です。上海居住の外国人を対象にした新型コロナのワクチン接種が始まりました。希望者はオンラインで予約できます。専用のアプリで注意事項が記された同意書を確認した後、個人情報を入力し予約をとると、接種場所や日時などが通知される仕組みになっています。使用されるのは中国産ワクチンで接種回数は2回、1回あたり1600円程度で受けられます。スタート初日、地元メディアはフランスのタイヤメーカー大手・ミシュランの中国のトップが接種を受ける様子を報道、ボスギCEOは中国の対応を絶賛しました。一方で「まだ様子見」という声も多く聞かれ、外国人の接種がどこまで進むかは未知数です。(上海支局長 森)

ボスギCEOが中国産ワクチンを接種(「新聞総合」より)

【取材:海外特派員取材班】