”いきなり!”の閉店

緊急事態宣言の解除から3日目。東京・銀座の飲食店は、危機的な状況に追い込まれていた。

「いきなり!ステーキ」銀座4丁目店の前に、「3月末で閉店」という張り紙がされている。

この記事の画像(10枚)

厚切りステーキをリーズナブルな価格で提供し、人気を博してきた「いきなり!ステーキ」。店の歴史は8年前に、ここ銀座の一等地から始まった。

その1号店が3月いっぱいで閉店することになり、熱烈なファンからはいきなりの閉店を惜しむ声が聞かれた。

ファン:
あと1週間もないのかってちょっとびっくりしちゃったんで、1号店がなくなるっていうのは非常にやはり厳しい状態なのかなと

ファン:
食べるのもいきなり!だったし、閉まるのもいきなり!だったというのは、ちょっとあまりにも皮肉な話だなと思いますけれども

1号店の閉店を決めた理由について、運営会社のペッパーフードサービスは「不採算店舗であるため」と説明し、「1号店ということもあり、お店に愛着を持ってくださっていたお客様、ご愛顧いただいていたお客様には大変心苦しい思いです。これを機により一層の努力を重ねてまいります」とコメントしている。

銀座で閉店の店相次ぐ

「いきなり!ステーキ」だけではなく、銀座では時短営業に苦しむ店がこのほかにも…

銀座の街を歩いてみると、コリドー街では入口の前にカラーコーンが置かれている店や、シャッターが下ろされて、閉店の張り紙がされている店があちらこちらに。

至る所で飲食店が閉店していた。

帝国データバンクによると、全国の飲食店の倒産件数は2020年の1年間で780件。過去最多の水準だという。

飲食店「早く通常通りに」

銀座7丁目にある割烹料理店「炭割烹北野」は、営業時間が午後9時に緩和されても売上アップの効果は出ていないという。

炭割烹 北野 北野清久店主:
やはりまだまだ、全盛期の1割とか2割程度ですかね。うちは夜予約のみなので(9時まででは)2回転は期待できないですね

赤字の日々が続く中、店は来月から苦肉の策に出ることを決めた。

新たに一皿500円というリーズナブルなメニューを用意し、サラリーマンだけでなくターゲットを若者にも広げようとしている。

炭割烹 北野 北野清久店主:
早く通常通りに戻ってほしいのが本心です。閉店、閉めざるを得ない場面が出てくると思います

1都3県「時短継続」で合意

こうした声の一方、1都3県の知事がテレビ会議を開き、飲食店などに出している午後9時までの時短要請について、4月21日まで継続することで合意した。

協力金は、1日当たり店舗ごとに4万円支払われるという。

小池都知事(午後5時50分ごろ):
リバウンド防止期間といたしまして、当面4月1日から4月21日までの間を1都3県で共同で取り組む対策の案でございます

第4の危機と飲食店の厳しい現実にどう向き合うのか、難しいかじ取りが続く。

(「イット!」3月24日放送)