東京と伊豆を結ぶ特急「踊り子」の人気車両が3月12日ラストランを迎えた。引退列車の終着駅となるJR東京駅には多くの鉄道ファンが詰めかけた。

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185系特急「踊り子」が到着する東京駅の8番ホームと、向かいの9番ホームには最後の雄姿を一目見ようと多くの鉄道ファンが集まっていた。中には小学生や中学生といった若い世代も多い。JR東日本によると、昼の段階で1000人が集まったという。

国鉄時代の1981年にデビュー。昭和・平成・令和と3つの時代にわたり走り抜けた185系。東京だけでなく横浜、伊豆など各地にファンが集まった。

列車の名称を表示する「愛称幕」に「踊り子」と描かれた白と緑のツートンカラーの車両は12日で見納めとなる。

12日正午前の東京駅に入線してきた185系特急「踊り子」。この日が定期列車としてはラストランとなる。

第1線を退くとあってカメラを構えた大勢の鉄道ファンの姿があった。約40年にわたり活躍してきた185系の現役引退にファンから惜しむ声が…

鉄道ファンA
40年間お疲れさまと言いたいですね

鉄道ファンB
子供のころからずっと見ていたので、私にとって特急というと「踊り子」号かなと…

東京と伊豆地方を結ぶ特急「踊り子」は文豪・川端康成の作品「伊豆の踊子」にちなんで名付けられた。

しかし、車両の老朽化などに伴い、定期運行から引退することになった。

その引退発表を受け、JR東京駅のホームでは3月7日から既に鉄道ファンが集まり始めていた。

12日は横浜市でもJR東海道線を一望できる歩道にも「踊り子」を撮影しようと待ち構える鉄道ファンの姿があった。

しかし、JR田町駅付近を取材してみると、ホームの先端に多くの鉄道ファンの姿が。中には柵から出ている人も…少し危ないようにも感じる。駅員が転落しないように、そばに近寄って巡回する様子も見られた。

一方、静岡・下田市の伊豆急下田駅。正午すぎ東京へと向かう185系の姿があった。

出発をアナウンスする駅員も感慨深いようす。

下田駅員
やはり寂しいところはございます。よい思い出を持ち帰りいただくことが最優先かなと思っております

下田駅の駅舎には午後3時すぎに出発する踊り子に乗る客の姿があった。

下田駅から「踊り子」に乗るファン
最後まで楽しんでいくんで、帰るまでが旅行なので、しっかり無事故で行きます

鉄道ファンが見守る中、午後3時すぎ東京駅に向け、特急「踊り子」が伊豆急下田駅を出発した。

ラストランとなった185系特急「踊り子」16号は12日午後6時前、大勢の鉄道ファンが出迎える中、JR東京駅8番ホームに到着。40年間の定期運行の幕を閉じた。

JR東日本によると、長年愛され続けた185系は臨時列車として走らせる予定だという。

(イット! 3月12日放送より)