今日1番知りたいニュースを、しっかり深堀りしてお伝えするコーナー「ソレが知りたい」。
3月3日のテーマは「緊急事態宣言  2週間延長か」。

2週間を視野に解除延長を検討

佐々木恭子アナウンサー:
政府は、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県に発令されている緊急事態宣言について、当初の予定では3月7日までの期限を、さらに2週間を視野に延長する検討に入ったということです。

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3月3日に菅総理は、あらためて解除なのか延長なのかを問われました。その中でこのような発言があったのです

立憲民主党・森裕子議員:
緊急事態宣言、解除ですか延長ですか?

菅首相:
専門家の意見を聞いて、感染防止をしっかりするために総合的に私自身が判断させていただく。
ただ、そんなに時間をかけられない。もうギリギリに来ていることも事実だというふうに思います

佐々木恭子アナウンサー:
菅総理「最後は総合的に私が判断します」とのことですが、1都3県を一体として判断する考えを示しています。
その中で、「3月3日、4日の感染状況を見極めて」そして「経済への影響」を踏まえた上で2週間の延長を視野に検討をしているということです。

そもそもですが、3月7日の解除をできるのかどうかということに関しては、1都3県からは慎重論が出ていました。

3月1日に全国で最多の感染者数127人となった千葉県・森田知事は、3月2日の発言ですが「7日の宣言解除は非常に難しい」と述べていました。
東京都・小池知事も「もう一段、感染対策のギアを上げてもらわないと間に合わない事態だ」と大変警戒感を示していたのです。

そんな中で、1都3県の感染状況と医療の逼迫状況を示す6つの指標を見ていきたいと思います。
3月3日、東京都の感染者数が316人でした。
これは、3月2日よりも増えていますし、2月24日 水曜日213人から比べても103人増える事態となっています。

そして、6つの指標(病床占有率・療養者数・陽性率・新規陽性者数・前週比・経路不明割合)を見ていくと、白色部分はステージ2以下のものです。感染状況と医療の逼迫状況を示しています。

多くはステージ2以下の白が目立っていますが、病床の逼迫状況・療養者数を見ると、上から2番目の黄色い部分ステージ3、上から2番目の深刻な事態というところがまだあるわけです。
千葉県に限って言うと、病床占有率・療養者数とも赤色のステージ4のままです

緊急事態宣言の慣れが原因か

加藤綾子キャスター:
ここからは、感染症に詳しいKARADA内科クリニック五反田・佐藤昭裕院長にリモートで加わっていただきます。

この指標を見る限り、現段階では延長検討段階ということですが、延長という選択もやむを得ないという段階なのでしょうか?

日本感染症学会専門医・ 佐藤昭裕先生:
6つの指標だけ見ると、白い部分が目立ってきたのでもういいんじゃないかと思われる方もいらっしゃると思います。
ただこれだけじゃなくて、さらに変異ウイルスの話が少し出てきてしまっているんです。これが話を少しややこしくしてしまっています。
最初、陽性者数・重症者数の数が減ればという話をしていたのですけれども、少しゴールがずれてしまう感じ。
ここをしっかり丁寧に説明をしていただきたいと思います

佐々木恭子アナウンサー:
変異種という新たな要因も加わっているだけに難しと思いますが、仮に当初の予定通り3月7日に解除されるとするならば、どんなスケジュールになるかというと、だいたい翌週(3月8日から)あたりに卒業式のシーズンがやってきます。そして、17日は東京都で桜の開花予想の日なのです。
どうしても人が集まりやすい、人出が多くなるということも懸念されるシーズンではあります

加藤綾子キャスター:
ちょうど気候も暖かくなって、イベントも重なる時期ですよね。
佐藤先生、この2週間の延長で本当に感染者を抑え込むことができるのか、新たな対策というのも加える必要はあるのでしょうか?

日本感染症学会専門医・ 佐藤昭裕先生:
今これまでの対策でも、3月3日の数値を見ると少し上がっていますし、週平均で見ても少し上がってきている。または横ばいから速度が遅くなってきています。
なので、緊急事態宣言慣れのようなものも起こしています。このままどんどん減らすというのは2週間の猶予があったとしてもかなり難しいと思うので、何かしら対策を追加しない限りは思うようには減っていかないんじゃないかなと思います

「どこがいけないのか」政府は的を絞った説明を

加藤綾子キャスター:
新たな一手というところも必要になってくるようですが、住田さんはどうご覧になりますか?

住田裕子弁護士:
確かに下げ止まりもありますし、増加に転じているかもしれないからやむを得ないかなと思いながらも、ダラダラとこのまま続くというのはちょっと我慢できないですよ。
そういう意味では、新たな追加という意味よりも、どこら辺がいけないかという的を絞って、こういうやり方をすれば良いというような、そういう形での説明をしていただいたら納得できると思いますし、緊張感も持てると思います

加藤綾子キャスター:
またここで新たな発信力みたいなものも問われてきますよね

佐々木恭子アナウンサー:
菅総理は、3月4日までに宣言に関する方針をどうするのか固める予定です。
3月5日には、記者会見を行って国民に何らか説明する方向ではあります。
その中でどんなメッセージが出るのか注目していきます

(「イット!」3月3日放送より)