駅の階段で、ベビーカーから乳児が転落した事故が発生。“ベビーカーの正しい使い方”を取材した。

“乗せたまま持ち上げる”ベビーカーの誤った使い方

2月25日の朝、滋賀・大津市のJR志賀駅で、ある事故が発生した。
乳児を連れた乗客の移動を駅員が手伝い、乳児を乗せたままベビーカーを持って階段を降りていたところ、乳児が転落した。

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乳児は階段を2段ほど滑り落ち、頭の骨を折る重傷を負った。命に別条はないという。

JR西日本によると、「駅員がベビーカーを持って階段を移動するときは、子どもが乗っていない状態で運ぶ」よう定められていた。

都内で駅を利用する人に話を聞くと…

30代女性(子ども2歳):
中野駅は(エレベーターが)ないので、今助けてもらった状態で、声かけてもらって、ベビーカーを下に下ろしたんですけど大変。急いでるときとかは手伝ってもらって、そのまま(子ども乗せたまま)運んでもらったり

30代女性(子ども1歳):
もう抱えて下りてます、ひとりで。(ベビーカーに)乗せたままですね。誰か助けてもらうわけにもいかないのでしょうがない。

ベビーカー利用者から聞こえてきた“乗せたまま持ち上げる”という声。

便利なベビーカーも使い方を誤ると大きな事故につながりかねない。

ベビー用品大手『コンビ』は…

コンビ・社長室広報・川﨑愛さん:
乗せ降ろしのときに外れるような機工になっているので、そのまま持つと持ち上げた時に外れて、お子様が落ちてしまうような可能性が考えられます。

コンビ・社長室広報・川﨑愛さん:
必ずお子様は抱っこした状態で、ベビーカーを持ち運ぶようにお願いしております。

子どもの安全を守る“シートベルト”の存在

さらに重要となるのが“シートベルト”の装着だ。

30代女性(子ども1歳):
ベビーカーに子どもを乗せるのも、ベルトを締めるのも嫌がる時がある

30代女性(子ども1歳):
しっかり(ベルトを)つけて落ちないようにしている。すごく動く時期なのでベルトがないと危ない。

子どもがぐずったりすると装着が難しいシートベルトだが、重要な役割を果たしている。

荷物の重さでベビーカーが転倒した際の国民生活センターの実験映像を見ると…
子どもにシートベルトを装着している場合、子どもは地面に投げ出されない。

しかし、シートベルトを装着していない場合、子どもは地面に投げ出されてしまった。

コンビ・社長室広報・川﨑愛さん:
冬になると、お子さんに厚着をさせてしまって、シートベルトをゆるめがちになると思うのですが、必ず親御さんの指が1本分入るぐらいまでシートベルトを締めていただいて、肩・腰・股の5点を必ず止めていただくように。

また『コンビ』では、ベビーカーに荷物をかけることを推奨していないという。

さらに、道などで止めるときは車輪にストッパーをかけるなど、正しい使い方を守るよう呼びかけている。

(「イット!」3月1日放送分より)