今日1番知りたいニュースを、しっかり深堀りしてお伝えするコーナー「ソレが知りたい」。
2月10日のテーマは「森会長発言批判おさまらず」。

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森会長の「女性がたくさん入っている理事会っていうのは時間がかかる」という発言、女性蔑視とも受け取れるこちらの発言の影響が続いている。

この記事の画像(13枚)

「女性差別」発言の影響で抗議が殺到

佐々木恭子アナウンサー:
発言の影響が続いている中、2月10日大きな動きがありました。東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて2月17日にも組織委員会である森会長、IOCバッハ会長、橋本オリンピック・パラリンピック担当大臣、そして小池都知事の4者会談が行われる方向で調整は進んでいました。
しかし、小池都知事が「出席しない」ということを打ち出したのです。
その理由についてはこう発言しています。

小池都知事:
今ここで4者会談をしても、あまりポジティブな発信にならないと思うので、私は出席することはやめようと思います。

佐々木恭子アナウンサー:
背景をもう少し説明しますと、森会長発言の影響で東京都にも”抗議のメール・電話”が約1400件来た。そして、東京都が独自に設けている”都市ボランティア”を辞退したいという連絡も97人からあった。
このような影響が出ているということなのです。

加藤綾子キャスター:
住田さん、小池都知事が4者会談を欠席するというこの状況はどうご覧になりますか?

住田裕子弁護士
4者の中で1つの主要なメンバーである小池さんがいないのは、非常にインパクトの強い見た目にもなりますし、その背景がこのような抗議だとしたらやむを得ない。女性都知事としての振る舞いだろうと思います。

加藤綾子キャスター:
森会長の発言についてはどう感じましたか?

住田裕子弁護士:
森会長は、男女共同参画会議の創設時のメンバーで私もその一人だったのですが、本来はご存じのはずですけどあれは本音だと思います。
つまり、昭和の遺跡のような方が今でもいて、それをああいう公式の場で、海外にも発信されるような場で発言したということについては、やむをえないというのは残念至極です。しかも、どうしてその場でいさめる方がいなかったのか。それが本当に今の体質を示していると私はそう思います。

女性議員・大会スポンサーからも抗議の声

佐々木恭子アナウンサー:
黙っているということは、それを受け入れて追認することにもなってしまうと思いますよね。
そんな中で2月10日の国会では、野党の女性議員たちが森会長の発言に対する抗議の意思を示すいわゆるホワイトアクションとして、白い装いで参議院の本会議に臨みました。

佐々木恭子アナウンサー:
なぜ白なのかというと、白という色は、アメリカで「女性の政治参加を訴えるシンボルカラー」とされてきたのです。

佐々木恭子アナウンサー:
そして、もう1つ大きな動きとしては、東京オリンピック・パラリンピックのスポンサーからも苦言が相次いでいるのです。

大会スポンサーとなっているのは68社あります、例えばこのような発言です。
三井不動産・東京ガス
「大会の理念に反する不適切な表現で遺憾だ」

トヨタ自動車・豊田社長
「私たちトヨタが大切にしてきた価値観とは異なっており誠に遺憾だ」


こういったコメントをしているのです。

価値観を見直すきっかけに

加藤綾子キャスター:
このようにスポンサーにもこれだけ大きな影響が出ている。それから、日本国内だけの問題ではなくて海外から日本の見え方にも影響してしまっていますよね。

住田裕子弁護士:
今やそういう意味では、森さん個人の話ではなくて「日本が女性の立場としてどういう風なあり方をしているか」というのを海外から注視されていると見なきゃいけないと思うんです。
153か国のうちの、日本は女性の活躍が下から数えて121番ですから、そういう意味では男性も意識して欲しいけど、女性が「もっともっと頑張ろう」「今までいなかった分野にも進出しよう」そして「割り当てられる自分たちの力で上にも、リーダーにも挑戦していこう」というチャレンジ精神も私は必要だと思うし、そういう姿を見せることが海外にとっての良いメッセージになると思う。

加藤綾子キャスター:
森さん自身の進退についても注目が集まっていますけど、そこだけではなくてやっぱりこれをきっかけに価値観とかを見直すということに。

住田裕子弁護士:
そういうことを発信しないと、私は日本のイメージは悪いままになってしまうのではないか。そちらのほうが国益上も懸念されます。

佐々木恭子アナウンサー:
そんな中、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会は、理事・評議員を集めた臨時会合を2月12日午後に開催されるのですが、森さんへの厳しい声が出てくると思われます。

佐々木恭子アナウンサー:
ただ、やはり一人を責めるというよりも、それぞれが持っている固定観念をもう一度洗い出すということが大事な機会になるのではと思います。


(「イット!」2月10日放送より)